
ついにこの時がやってきました!大阪都心部で最大の再開発案件となる「うめきた2期」。2024年の街開きに向けて、その具体像が見えてきました。
都市再生機構は、2018年7月12日に「うめきた2期地区開発事業者募集における開発事業者」を三菱地所を中心とする9社グループに決定したと発表しました。都市再生機構が実施した事業コンペでは案内容と開発用地の購入費に加え、スタートアップ企業の育成や既存企業の活性化に向け、将来の成長産業を育成するイノベーションを重視し選定が行われました。
【出展元】
→うめきた2期地区開発事業者募集における開発事業者の決定について(PDF)
大阪駅前に合計約8haの緑地空間が誕生!
うめきた2期の開発用地は、幹線道路を挟んで南北に分かれ、南北それぞれに公園(合計約4.5ha)が整備さる他、ビルの公開敷地などを含めると合計約8haの緑地空間が大阪駅前に誕生します。施設計画は、オフィス、ホテル、マンション、などからなる複合開発となっています。デッキでの接続は2箇所。北街区がグランフロント大阪・ナレッジキャピタルから2期の中核機能を担う新産業創出・産学官民の交流ゾーンに接続されます。もう1箇所はノースゲートビルディングの西側から南街区に向けて接続されます。僕は梅北広場から梅田スカイビルに向かって一直線の導線が作られると思っていましたが、中央部の公園は避けて、南北2箇所での接続となりました。
開発コンセプトは「希望の杜-Osaka“MIDORI”LIFE 2070 の創造」
・ 「みどり」と融合した生命力と活力あふれる都市空間・ ひらめきや創造につながる多様で寛容な場づくり
・ 新たな価値がうめきたから関西へ、国内外へと拡がるマネジメント

現在のうめきた2期エリアの様子。JR梅北新駅の建設工事等、インフラ整備が進んでいる
うめきた2期の都市空間
1)土地利用計画・機能配置・ 先行開発区域と強固に連動し、都市公園の周辺波及を最大化する土地利用ゾーニング
・ 南街区は国際交流、北街区は新産業創出の拠点としてバランスの取れた都市機能を配置
2)まちのシンボル空間
・ 賑わい軸は、公園と一体的にデザインし、カフェ・ショップ等により、歩道を積極的に活用する広場として計画
・ シンボル軸は、3列のイチョウ並木が先行開発区域と呼応する風格ある街の骨格を形成
・ 西口広場は、シンボリックな大屋根がゲート性を演出し、イチョウ並木に包まれた駅施設を提案
3)歩行者空間・ネットワーク
・ 大阪駅やグランフロントとスムーズに繋がる公園内立体通路を整備し、うめきた地区全体の回遊性を向上
・ 西口広場は、地下・地上・2階デッキの多層ネットワークを計画し大阪駅や新駅とうめきた2期地区とのネットワークを強化
開発事業者のグループに参画する事業者
◆土地譲受事業者【代表者】三菱地所株式会社
大阪ガス都市開発株式会社
オリックス不動産株式会社
関電不動産開発株式会社
積水ハウス株式会社
株式会社竹中工務店
阪急電鉄株式会社
三菱地所レジデンス株式会社
うめきた開発特定目的会社
◆設計・運営事業者
株式会社三菱地所設計
株式会社日建設計
有限会社SANAA事務所
Gustafson Guthrie Nichol Ltd.
株式会社日比谷アメニス
阪急阪神不動産株式会社
提案内容を元に着工に向けて具体化作業が行われる
グランフロント大阪の時もそうでしたが、コンペの提案内容がそのまま実現する訳ではなく今回の提案内容をさらに詳細に煮詰める作業を経て着工プランが出来上がります。基本的なレイアウトは提案のままだと思いますが、ビルのデザインは、現在の完成イメージパースと違ってくるはずです。事業の概略スケジュール(予定)
・ 土地引渡し:平成 32(2020)年9月以降順次・ 民間宅地工事着工:平成 32(2020)年 10 月以降順次
・ 地区概成(民間宅地施設一部開業、都市公園一部開園):平成 36(2024)年夏頃

北街区と南街区のイメージスケッチです。北街区は双方共に敷地の端にタワーマンションが配置されており、タワマンは脇役といった配置になっています。中央部の緑地を建物内部に取り込んだイメージスケッチが、提案内容のコンセプトを端的に示しています。
提案書には北街区に高さ176m、150mの2棟、南街区には高さ185m、182mの2棟、合計4棟の記載があります。しかしイメージスケッチを見ると7棟ほどの高層ビルが描かれており、配置図にも7つのビルの記載があります。施設規模ですが、北街区の延べ床面積は146,900㎡、南街区は374,660㎡。全体では521,560㎡に達する巨大開発となります。

都市公園全景です。大阪駅前に広大なみどりの空間が誕生します。現在の様子からは全く想像が出来ない光景が広がっています。パース左側の池の周辺は10,000 人規模のイベントに対応する「リフレクション広場」が設けられます。また、パース右側には都心で自然を感じられる憩いの空間「うめきたの森」が、中央部には道路と公園が一体となった広場「ステッププラザ」が整備され、都市公園4.5haに公開敷地等を加えると約8haもの緑地空間が誕生します。

民間宅地(北街区)のオフィス・ホテル・イノベーション施設等の様子です。

都市公園(北公園)の「うめきたの森」の様子です。天王寺の「てんしば」に親水空間を加えた感じですね。

道路と公園が一体となった広場「ステッププラザ」の様子です。東西軸の道路は幹線道路ではなく、片側1車線程度の道路で、南北公園から連続するオープンスペース的な位置づけとなっています。上のパースを見ると道路には見えないですね・・。

最後で南北公園を繋ぐ歩行者デッキ「ひらめきの道」の様子です。うめきた2期ー南街区の高層ビル、緑地の奥に林立する超高層ビル群。従来の大阪のイメージを完全に超越した未来都市的な景観が描かれています。今回のイメージパースを見るまでは「みどりを中心にした街づくり」に対してピンと来ませんでしたが、これは相当インパクトがある開発になるのではないでしょうか。

