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京阪電車、2025年10月ダイヤ改正『3000系プレミアムカー』2両化で座席数が大幅増。ラッシュ時の増発・ワンマン運転拡大へ

2025年10月26日(日)、京阪電気鉄道は京阪線(京阪本線・鴨東線・中之島線・交野線・宇治線)でダイヤ改正を実施します。今回の改正で最大のトピックとなるのは、2017年の導入以来、満席が相次ぐほどの人気を集めてきた有料座席指定サービス「プレミアムカー」の拡充です。3000系特急車両において、従来の1両(6号車)に加え、新造車両を組み込んだ5号車も「プレミアムカー」として運用され、2両体制がスタートします。


「豪華座席」の拡大 5号車の新造プレミアムカー


これまで3000系は8両編成のうち6号車のみがプレミアムカーでしたが、10月のダイヤ改正からは5号車・6号車の2両連結に拡大されます。新たに組み込まれる5号車は、現行の6号車と同等のシート設備を備えつつ、スーツケースなど大型荷物に対応したラゲッジスペースを拡大。旅行者や出張利用者にとって、より快適で実用的な仕様となります。

これにより、昼間時間帯の特急運行において、片道1時間あたりの座席数は約200席から約280席へと大幅に増加。これまで「満席で予約が取れない」という声が多かった状況が改善され、より多くの利用者が快適に着席できるようになります。

なお、8000系特急車両については従来通り6号車のみがプレミアムカーとなり、3000系の2両化とあわせて、京阪の座席指定サービスはさらに多様な選択肢を提供することになります。


朝夕ラッシュ時の利便性向上


プレミアムカー拡充に加えて、平日の朝夕ラッシュ時間帯には大幅なダイヤ改善が盛り込まれています。


  • 朝ラッシュ(大阪方面行き)では、枚方市発の通勤快急や区間急行を増発。樟葉発の特急も新設され、ビジネス需要に応えます。

  • 京都方面行きでは、快速急行が2本増発され、いずれもプレミアムカーを組み込み、直通利便性を高めます。

  • 夕方ラッシュでは、普通・区間急行の運転区間が延長され、快速急行の一部は出町柳まで直通運転。通勤・通学の選択肢が広がります。

さらに、これまで大阪・関西万博開催時の臨時列車として運転されていた「淀屋橋20:17発快速急行(樟葉行)」は、10月のダイヤ改正から定期列車化されます。


ワンマン運転の本線拡大


もうひとつ見逃せないのが、京阪本線でのワンマン運転拡大です。10月26日から、淀屋橋・中之島~萱島間の4両編成普通・区間急行が対象となり、運転士によるワンマン運転が始まります。

安全性確保のため、以下の新システムが導入されます。


  • 車側カメラとモニタによる乗降確認

  • ホーム検知装置による誤開扉防止

  • レーザー式戸挟み検知装置

  • 車内防犯カメラと非常通報装置

  • 運転士異常時自動ブレーキ作動システム

すでに交野線・宇治線などで導入済みのワンマン運転のノウハウを、本線へと広げる動きであり、省人化と安定運行を両立する施策といえます。


京阪の戦略、着席サービスと省人化の同時進行


京阪電車の今回のダイヤ改正は、「着席サービスの拡充」と「運転要員確保の困難化への対応」という二つの課題を同時に解決しようとするものです。
プレミアムカーの座席数を大幅に増やすことでサービスの付加価値を高め、同時に本線でのワンマン運転拡大によって人材不足に備える。都市鉄道としての競争力と、公共交通機関としての持続性を両立させる狙いが見えます。

詳細な時刻表は10月上旬に京阪公式サイトで公表される予定です。


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