JR東海、新横浜ステーション開発、ジェイアール東海ホテルズ、マリオット・インターナショナルの4社は、2008年に開業した「ホテルアソシア新横浜」を全面改装し、「コートヤード・バイ・マリオット新横浜駅」として2026年8月にリブランド開業すると発表しました。
総客室数203室を誇る同ホテルは、神奈川県における「コートヤード・バイ・マリオット」ブランドの初進出となります。国内外の旅行者、とりわけ増加を続けるインバウンド需要をターゲットに据え、横浜のホテル市場に新たな競争軸を打ち出すことになります。
新横浜駅直上という“圧倒的アクセス力”
同ホテルは新横浜駅直上に位置し、東海道新幹線で東京駅まで約19分、羽田空港へ空港直通バスで約30分、横浜市中心部までも約20分と、国内外のビジネス・観光客にとって圧倒的な利便性を誇ります。
周辺には横浜アリーナや日産スタジアムといった大規模施設が集積し、国際的なスポーツイベントや音楽ライブの需要も取り込める立地。これまで「乗換駅」としてのイメージが強かった新横浜に、国際ブランドホテルが進出することで、エリアの目的地化が進む大きな転機となります。
改装の全貌・客室刷新からラウンジ再生まで、フルスケールリニューアル
リブランドに際しては、既存の全203室を対象に改装を実施。最新のマリオット基準に合わせ、快適性とデザイン性を兼ね備えた空間へと進化します。
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コネクティングルームを2室新設し、家族やグループ利用を強化。
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10階ロビーを拡張し、大きな荷物を持つ旅行者も快適にチェックイン。
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12階ラウンジを刷新し、ソファスペースとワークスペースを両立。
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レストランやフィットネスを併設し、滞在の幅を拡張。
宿泊だけでなく、MICEやワーケーションといった多様な利用シーンに対応できる設計が盛り込まれています。
デザインはドイルコレクション・都市と自然を融合させた“新横浜の顔”を創出

インテリアデザインは、ニューヨークのデザインアワードを受賞した実績を持つ株式会社ドイルコレクションが担当。新幹線の開通とともに成長してきた新横浜の都市性と、周辺に残る自然環境をモチーフに、落ち着いた色調と柔らかな照明を組み合わせることで、滞在そのものが都市体験となる空間を描き出します。
JR東海のホテル戦略の大転換・外資ブランド提携で「新幹線×インバウンド」の相乗効果を狙う

今回のリブランドは、JR東海が加速させている外資系ホテルブランドとの提携戦略の一環です。鉄道会社にとってホテル事業は単独収益ではなく、新幹線需要を誘発する装置としての意味合いが強いのが特徴です。
マリオット・ボンヴォイ(会員数約1.9億人)やヒルトン・オナーズ(会員数約1.8億人)といった巨大ロイヤリティプログラムに直結することで、外資ブランド未導入地域でもグローバル需要を効率的に取り込める。これがJR東海の狙いです。
京都・高山にも広がる布陣・マリオット2施設とヒルトンリゾートで沿線集客を加速

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京都:世界有数の観光都市に「コートヤード・バイ・マリオット」を2施設開業予定。インバウンド需要の最大拠点でシェア拡大を狙います。

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岐阜・高山:欧米観光客に人気の中部山岳エリアに「ヒルトン高山リゾート」を計画。名古屋経由の新幹線利用と直結する観光需要を取り込みます。
これらはすべて、グローバル会員ネットワーク → 新幹線沿線観光地”という需要回廊をつくり出す布石です。
神奈川県ホテル市場に激震・新横浜の外資ブランド“空白地帯”を一気に埋める

横浜市中心部には「横浜ベイシェラトン」「インターコンチネンタル」「ハイアットリージェンシー」など外資系ブランドホテルが集積していますが、新横浜エリアは空白地帯でした。
そこに「コートヤード」が進出することで、
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横浜アリーナやスタジアム観客の宿泊需要
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羽田アクセスを重視するインバウンド層
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東京出張者の滞在需要
を取り込み、新横浜のホテル市場の地図が大きく書き換わります。
結論:新横浜は“乗換駅”から“目的地”へ
国際ブランドが描く都市格上げのシナリオ
横浜・新横浜における「コートヤード・バイ・マリオット」の進出は、単なるリブランドではなく、
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神奈川県初のコートヤード進出によるブランド空白の解消
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インバウンド需要の取り込みによる新幹線利用の拡大
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都市の目的地化による新横浜の格上げ
という多層的な戦略が組み込まれています。
JR東海が推し進める「鉄道×外資ブランドホテル」の融合は、観光・ビジネス双方の需要を新幹線沿線に誘導する新しいモデルであり、2026年の開業は横浜の都市競争力を一段と高める節目となるでしょう。