2025年大阪・関西万博の開幕に向け、大阪環状線・弁天町駅(大阪市港区)の新駅舎が3月1日に開業しました。万博会場となる夢洲駅(大阪メトロ中央線)への乗り換え拠点として、利便性向上を目的に改良が進められてきました。これにより、混雑が予想される万博期間中の円滑な移動を支援します。
【出典元】
→「大阪・関西万博」に向けた万博アクセス輸送の取り組み ~大阪環状線 弁天町駅 新駅舎の供用開始などについて~

新駅舎は地上3階建てで、既存の南口改札・北口改札の間に位置します。「中央南口改札」「中央北口改札」、さらに大阪環状線内回りホームから大阪メトロ弁天町駅の東改札へ段差なく移動できる「内回り改札」の3つが新設されました。これにより、新大阪駅や大阪駅方面から訪れる万博来場者がスムーズに乗り換えできる環境が整備されました。

駅の東側、旧交通科学博物館があった場所に新駅舎と広場が整備されました。

南東側から見た様子です。小ぶりですが、今どきのデザインに仕上がっています。
高架下に新改札口が誕生

まずは、高架下に設けられた「新改札口」とコンコースを見ていきましょう。

改札外コンコースの様子です。全体的に木目調のデザインで落ち着きますね。床材は「木目調タイル」が貼られえいます。最近のエコロジーのトレンドに加え、デジタルプリント技術の向上により、よりリアルな木目を再現できるようになり、水性や耐久性を重視する住宅や商業施設向けに採用事例が増えています。

駅構内には「セブンイレブン ハートイン」「スターバックス コーヒー」「ココカラファイン」の3店舗が出店し、利便性が向上しました。さらに、大阪メトロと連携し、大阪環状線内回りホームと中央線東口改札をフラットに結ぶ連絡通路も新設され、歩行者動線が改善されました。

高架下に新設された「中央南出口」の様子です。

自動改札機は4通路。一部はQRコード対応となっています。

改札内コンコースの様子です。高架下の空間を活用して、かなりの広さがあります。

発車標は3色LED。JR西日本が頑なに3色LEDを採用し続ける理由は不明ですが、ラインカラーや駅ナンバー、多言語表示など、求められる情報量が圧倒的に増加しているので、そろそろLCD(液晶)の採用を増やして欲しい気がします。

改札内コンコースの側から、改札口側を見た様子です。全体的に質感がかなり高いですね。

コンコースの最奥部には木製のベンチとトイレがあります。

ホームとつながるエレベーターの様子です。今回の駅舎改良に伴いバリアフリー対策も強化されました。エレベーターは従来の11人乗りから17人乗りへと大型化され、エスカレーターも上下4基が新設されました。
加えて、ホームの安全性向上のためにホームドア(可動式ホーム柵)が設置され、混雑時でも安全に乗り換えが可能です。
驚いたのが案内サイン。なんとLCDを使用した「可変案内サイン」が導入されているではありませんか!大阪駅地下ホームに、大々的に採用されましたが、万博を控えた弁天町駅にもお目見えした。
改札階からホームにつながる階段の様子です。

エスカレーターの様子です。

ホームから改札階を見下ろした様子です。

ホームがら見た増築部分の様子です。ここにも可変案内サインが設置されていました!ピクトグラムのデザインに、思わずニンマリ。
新設された「内回り出口」

内回りホームに設けられた「内回り出口」の様子です。ホームからフラット導線で大阪メトロ・中央線側に移動可能になりました。

改札口を真横から見た様子です。無機質なホームから、いきなり木質感のある温かい空間に変わります。


これは凄いですね・・・。弁天町駅といわれても、にわかに信じがたい、かもしれません。

自動改札機のアップです。

改札外から見た様子です。

万博の開幕後は、会場に向かう大量の利用者を捌く事になります。

券売機の様子です。設置台数はミニマムですね。

新駅舎の北側に設けられたオープンスペースの様子です。近年の大阪の再開発は、無料でくつろげるベンチやスペースを設けるのがトレンドになっており、弁天町駅にも同様のスペースが設けられました。

ホーム階から地上につながる大階段の様子です。

地上から見上げた様子です。

再び改札口付近に戻って・・。環状線から、大阪メトロ・中央線への乗り換え導線が大幅に改良されました。写真左側に見えるのが、新設されたペデストリアンデッキです。
新設ペデストリアンデッキ


新設されたペデストリアンデッキを見ていきましょう。

デッキ側からJR側を見た様子です。

ペデストリアンデッキの様子です。屋根付きなので雨天時も快適に移動できます。


大阪メトロ側の既設デッキとの接続箇所の様子です。

ペデストリアンデッキを地上から見るとこんな感じです。
新交流拠点「べんてんひろば」

駅前には新たな交流拠点「べんてんひろば」が誕生しました。面積は約3,400平方メートルで、人工芝が約1,400平方メートル、アスファルト舗装が約2,000平方メートル施されています。

「べんてんひろば」は、万博期間中はイベントスペースとして活用されます。利用可能期間は2025年3月1日〜10月13日まで、イベントスペースとしての利用は4月13日から開始されます。この広場は、来場者だけでなく地域住民の交流の場としての機能も担います。

「べんてんひろば」の様子です。人工芝が敷かれた広大な広場が誕生しました。

高架下の様子です。雨天時もくつろぐ事ができます。

「べんてんひろば」の西側の様子です。


OSAKA BAY TOWER側につながる連絡通路の様子です。


中央北出口の様子です。

新駅舎の開業により、一新されたJR弁天町駅。万博来場者や地域住民にとって過ごしやすい空間へと進化しました。万博期間中は現在の約3倍となる1日22万人の利用が見込まれており、既存の南口・北口改札は万博終了まで運用を継続し、その後閉鎖される予定です。万博終了後は新駅舎に改札機能を集約する予定です。
これまでの経緯と工事期間中の様子
・外回りからメトロ東改札に物理的に繋げられない
・行きの外回りは内回りほど混雑しないので南口で対応できる
・帰りは結局みんな手前にある南口から入るし、入場規制するほど込むなら駅前広場に放り出すのがスムーズ
・万博閉幕後は構内エスカレーター経由の内回り改札で十分快適
こんな感じではないでしょうか。
大阪駅方面からの内回りセンからメトロに乗り換えるには改善されましたが、天王寺方面からの外回りは従来のまま、いったん地上に降りて乗り換えるんですね。帰りは外回り線に乗るので、やはり地上に出る必要があるようです。
どうして内、外同時に工事しなかったでしょうか?
これ誘導の難易度高そうですよね。
最混雑時以外は新地上コンコースに降ろしてもややこしいだけに思うので(大階段登らせるのが正解?計画上は中央北口からベイタワー経由なんて迂回も記載されているけれど)
可変案内も駆使してどこまで柔軟に誘導するのか注目しています。
帰りは南口混んでくると新連絡橋に誘導して、内回り改札前で「大阪方面は階段を降りて1階の改札口へ~」でしょうか。