大阪、世界18位へ大幅ランクアップ！ 万博を契機に「文化・交流」分野が評価される「世界の都市総合力ランキング（Global Power City Index：GPCI）2025」

森記念財団都市戦略研究所は、世界主要都市を対象とした「世界の都市総合力ランキング（Global Power City Index：GPCI）2025」を発表しました。この中で大阪は前年の35位から18位へと順位を大きく上げ、2008年の調査開始以来、最大級の順位上昇幅を記録しました。

今回の結果は、2025年4月に開幕する大阪・関西万博を控え、都市の国際的な認知度や交流機能が高まったことが、複数の評価指標に反映されたものと位置づけられます。

GPCIとは何を評価するランキングか

GPCIは、都市が人材・企業・資本を惹きつける「総合力」を、以下の6分野・72指標で多面的に評価するランキングです。

• 経済

• 研究・開発

• 文化・交流

• 居住

• 環境

• 交通・アクセス

単一分野ではなく、分野別スコアを合算した総合評価（2,700点満点）によって順位が決定されます。

総合順位：大阪は18位に上昇

GPCI 2025における大阪の総合順位とスコアは以下の通りです。

• 総合順位：18位（前年35位）

• 総合スコア：1,103.1点

48都市中でこれほど大きな順位上昇を示した都市はなく、大阪の評価構造に明確な変化が生じたことがうかがえます。

「文化・交流」分野で大きな評価上昇

今回の順位上昇で最も寄与したのが、「文化・交流」分野です。

• 文化・交流分野：13位

• 前年順位：23位（10ランク上昇）

森記念財団の分析によると、大阪は以下の指標でスコアを伸ばしました。

• 外国人訪問者数

• 国際コンベンション件数

• 文化イベント開催件数

国際観光が回復・拡大する東アジア都市の中でも、大阪は特に改善幅が大きく、万博開催を見据えた国際的な注目度の高まりや、観光・交流インフラの整備が評価に反映されたとされています。

経済分野でも順位を改善

大阪は経済分野でも順位を改善しています。

• 経済分野：33位

• 前年順位：38位

この上昇幅は、今回トップ10入りを果たしたドバイと並び、同分野における最大級の改善例とされています。万博を見据えた都心部再開発やビジネス環境の整備が、経済関連指標の評価に一定の影響を与えたとみられます。

大阪の分野別評価一覧（GPCI 2025）

大阪の分野別順位は以下の通りです。

• 居住：6位
  生活利便性、安全性、都市サービス水準が引き続き高く評価されています。

• 研究・開発：18位
  世界トップ大学や特許関連指標などで、安定した評価を維持しています。

• 文化・交流：13位
  今回の総合順位上昇を牽引した分野です。

• 環境：27位
  他分野と比べると中位以下で、今後の改善余地が残されています。

• 交通・アクセス：25位
  都市内交通や国際アクセスにおいて中位に位置しています。

• 経済：33位
  改善傾向にあるものの、引き続き成長余地の大きい分野です。

万博を契機とした評価構造の変化

森記念財団は過去、万博の影響について慎重な見方を示してきましたが、今回の結果では、開催準備に伴う都市整備や国際的な発信が、複数分野の評価に反映される形となりました。

大阪・関西万博は、短期的なイベント効果にとどまらず、都市の国際的な認知度や交流機能を底上げする契機となりつつあることが、数値面から確認されたと言えます。

東京も2位に浮上、日本の都市評価が上昇

なお、同ランキングでは東京がニューヨークを抜き、初めて総合2位となりました。大阪の順位上昇とあわせ、日本の主要都市が国際的な都市評価を高めた一年となっています。

大阪の今回の躍進は、特定分野に偏らず、複数の都市機能が評価された結果であり、今後の都市政策や国際戦略を検討する上での基礎データとして注目されます。

世界の都市総合力ランキング（GPCI 2025）総合順位一覧

出典元

• 森記念財団 都市戦略研究所
  「Global Power City Index 2025（世界の都市総合力ランキング）」