パナソニック、1兆円規模に成長した電池事業のR&D中枢を大阪に形成!門真に「Energy Innovation Square」が本格稼働


出典:パナソニック エナジー

パナソニック エナジーは2026年9月16日、大阪府門真市に新設した研究開発拠点「Energy Innovation Square(エナジーイノベーションスクエア)」の本格稼働を開始しました。

施設は地上6階・延床約24,500㎡、約500人が勤務する大規模な電池R&D拠点です。大阪市住之江区の生産プロセス開発拠点と合わせ、約800人規模の開発体制を構築します。

門真では材料開発から設計、試作、解析まで、住之江では量産設備や生産プロセスの開発を担います。大阪で次世代電池とその製造技術を磨き、国内外の生産拠点へ展開する体制です。

その背景には、パナソニックにおける電池事業の存在感の高まりがあります。パナソニック エナジーの2025年度売上高は9,842億円。2028年度には約2兆円への拡大を目指しており、EVに加えてAIデータセンター向け電源・蓄電システムを新たな成長領域に据えています

Energy Innovation Squareは、約1兆円規模に成長した電池事業をさらに拡大するための技術基盤として位置付けられています。

Energy Innovation Squareの概要


項目 内容
所在地 大阪府門真市大字門真1048
規模 地上6階
延床面積 約24,500㎡
人員 約500人
主な機能 材料開発、設計、試作、解析
連携拠点 住之江 生産プロセス開発棟
2拠点合計 約800人
位置付け グローバルな開発・生産を牽引するマザー拠点
開発目標 2030年度までに2023年度比2倍
効果 輸送を伴う開発リードタイムを15%以上短縮

約1兆円から2兆円へ。電池はパナソニックの成長を担う事業に


出典:パナソニック エナジー

パナソニック エナジーの2025年度売上高は9,842億円、調整後営業利益は721億円でした。同社は2028年度に売上高約2兆円、調整後営業利益3,000億円超を目標に掲げています。
パナソニック エナジー 2025年度 2028年度目標
売上高 9,842億円 約2兆円
調整後営業利益 721億円 3,000億円超
主な成長領域 EV・データセンター EV・AIデータセンター
電池はすでに年間売上高1兆円規模に達しており、パナソニックの主要事業の一つとなっています。これまでの中心はEV向け円筒形リチウムイオン電池でしたが、今後は生成AIの普及に伴って市場拡大が見込まれるデータセンター向け電源・蓄電システムにも軸足を広げます。

将来的にはドローン、ロボタクシー、ヒューマノイドロボットなどへの展開も想定されており、電池の用途は自動車からAIインフラ、ロボティクスへと広がっています。パナソニックにとって電池は、単なる車載部品ではなく、複数の成長市場を横断するエネルギー技術へと位置付けが変わりつつあります。

門真で電池、住之江で量産技術を開発


出典:パナソニック エナジー

大阪の2拠点は、研究開発と量産技術を分担します。
拠点 主な役割
門真 材料開発、設計、試作、解析
住之江 生産プロセス、量産設備、製造技術
国内・海外生産拠点 確立した製品・生産技術を量産展開
Energy Innovation Squareでは、これまで複数拠点に分散していた材料開発から設計、試作、解析までを集約します。一方、住之江では大型量産設備を用いた事前検証や、次世代生産プロセスの開発を担います。両拠点を近接させることで、試作品や材料の輸送、工程間の手戻りを抑え、輸送を伴う開発リードタイムを15%以上短縮する計画です。さらにシミュレーションや製造データを活用し、2030年度までに開発効率を2023年度比2倍へ高めます。

大阪で生まれた技術を、世界の生産拠点へ


出典:パナソニック エナジー

門真・住之江で確立した電池技術や生産プロセスは、日本国内だけでなく、米国ネバダ州やカンザス州などの生産拠点へ展開されます。大阪で製品と製造方法を開発し、世界各地の工場で量産する構図です。

Energy Innovation Squareは、パナソニック エナジーが「グローバルな開発と生産を牽引するマザー拠点」と位置付ける施設であり、門真・住之江は同社の世界的な生産ネットワークを技術面から支える役割を担います。

三洋電機から受け継いだ電池技術も基盤に


出典:パナソニック エナジー

現在の電池事業には、旧松下系が長年培ってきた技術に加え、2009年に子会社化した三洋電機の二次電池技術や事業基盤も受け継がれています。

三洋電機は1994年に円筒形リチウムイオン電池の生産を開始し、HEV向け電池にも早くから進出しました。パナソニックも子会社化当時、三洋が持つ二次電池技術を活用し、エナジー事業を強化する方針を示していました。旧松下と旧三洋がそれぞれ蓄積してきた技術の延長線上に、現在のPanasonic Energyがあります。その長年の技術蓄積が、EVだけでなくAIデータセンターなど新たな市場へ展開されようとしています。

大阪がパナソニックの電池世界戦略を支える


出典:パナソニック エナジー

門真は、パナソニックが家電メーカーとして成長してきた歴史と深い関わりを持つ場所です。そこに今、次世代電池の大規模R&D拠点が加わりました。

かつて家電が企業成長を支えたように、現在は電池・エネルギー技術が、パナソニックの次の成長を担う領域の一つになっています。

売上高約1兆円の電池事業を2028年度に約2兆円へ拡大する計画の中で、門真・住之江を軸とする大阪は、その研究開発と生産技術を支える中核拠点となります。

大阪で次世代電池を開発し、量産技術を磨き、その成果を世界の生産拠点へ展開する。Energy Innovation Squareの本格稼働は、パナソニックの電池事業が次の成長段階へ進む中で、大阪がその技術基盤を担う体制が整ったことを示しています。




出典

  • パナソニック エナジー「リチウムイオン電池の研究開発拠点『エナジーイノベーションスクエア』を大阪・門真に新設し本格稼働を開始」(2026年9月16日)
  • Panasonic Group Investor Day 2026「パナソニック エナジー」
  • パナソニック エナジー「電池事業の歴史」
  • パナソニック ホールディングス「2009年 三洋電機(株)を子会社化」

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