
兵庫県は2026年10月14日、淡路島の大型複合施設「淡路夢舞台」(兵庫県淡路市)のホテルや国際会議場などについて、米国の投資運用会社フォートレス・インベストメント・グループを代表とする企業グループを優先交渉権者に選定したと発表しました。
初期投資額は50億円超。施設全体を「Awaji シーガイア リゾート」として再生し、温泉やキッズパークの新設、ホテル客室の改修、国際会議場の機能強化などを進める計画です。
2027年4月以降に施設・事業を譲渡し、新事業者による運営を開始する予定で、2000年の開業から四半世紀を経た淡路夢舞台が、民間投資によって新たな段階を迎えます。
温泉やキッズパークを新設、滞在型リゾートへ転換

今回の計画では、建築家・安藤忠雄氏が設計した施設の特徴を生かしながら、宿泊・観光・会議機能を一体的に強化します。目指すのは、幅広い世代が楽しめる滞在型リゾート。ホテルの宿泊機能に温泉や体験施設を組み合わせ、施設内で過ごす時間そのものの魅力を高めます。
国際会議場については、会議や研修にリゾートでの滞在体験を組み合わせる「リトリート型MICE」を提案。ビジネス利用と観光需要の両面から集客を強化する方針です。
| 施設・分野 | 主な再生計画 |
|---|---|
| ホテル | グランドニッコー淡路の客室改修、収益力強化 |
| 温泉・レジャー | 温泉、キッズパークを新設 |
| エンターテインメント | デジタルアートを導入 |
| 国際会議場 | 「Awaji シーガイアコンベンションセンター」として機能拡充 |
| 建築・景観 | 安藤忠雄氏の建築意匠を継承 |
| 地域連携 | 淡路島内の観光周遊促進、地元食材の活用 |
| 初期投資額 | 50億円超 |
再生を担うのは「シーガイア」「ハワイアンズ」を手掛ける企業グループ

優先交渉権を獲得したのは、フォートレス・インベストメント・グループ・ジャパン合同会社と、ホテル運営大手のアイコニア・ホスピタリティ株式会社による企業グループ。
フォートレスは国内のホテル・リゾート事業に積極的に投資しており、これまでに「ホテルニューアカオ」「フェニックス・シーガイア・リゾート」「スパリゾートハワイアンズ」などの経営にも参画してきました。ホテル運営を担うアイコニアは、2026年10月時点で全国188施設、約2万6,000室を運営しています。
今回の淡路夢舞台でも、既存施設を改修して新たな需要を取り込む、同グループのリゾート再生ノウハウが活用されることになります。
開業から26年、淡路夢舞台はなぜ再生するのか?

淡路夢舞台は、関西国際空港などの人工島造成に使われた土砂の採取跡地を再生するために整備された、約28haの大規模複合施設です。
2000年に開業し、ホテル、国際会議場、温室、百段苑などを備える淡路島のランドマークとして親しまれてきました。一方、開業から四半世紀が経過し、施設の老朽化や維持修繕費の負担が課題となっていました。
兵庫県は2025年に民間活力を導入する方針を打ち出し、2026年3月から運営事業者を公募。2グループが応募し、フォートレス側の提案が選ばれました。今回、民間に譲渡するのはホテル、国際会議場、展望テラスなどの土地・建物と関連事業です。百段苑や温室、野外劇場などは引き続き公共施設として位置付け、別途、指定管理方式で運営する方針です。
なお、県の審査資料には提案価格として2億円が記載されています。これは50億円超の初期投資額とは別の数字であり、最終的な譲渡条件は今後の協議で決まります。
2027年4月以降に運営移行、淡路島の新たな観光拠点へ

今後は兵庫県とフォートレス側が契約条件などを協議し、2027年4月以降に県有資産とホテル事業を譲渡する予定です。大規模改修の具体的な着工時期や、新ブランドでの全面開業時期は発表されていません。
淡路島北部では、近年、観光・飲食・宿泊施設の集積が進んでいます。兵庫県も大阪IRの開業や神戸空港の国際化など、大阪湾ベイエリアの変化を見据えた観光拠点の再生を掲げています。
今回の計画で注目されるのは、既存のホテルを改装するだけでなく、国際会議場や周辺の観光資源を組み合わせ、淡路夢舞台を訪れる目的そのものを増やそうとしている点です。
安藤忠雄氏が手掛けた独創的な建築群に、50億円超の民間投資が加わることで、淡路夢舞台がどのようなリゾートへ生まれ変わるのか。今後の具体的な施設計画に注目が集まります。
出典・参考資料
- 兵庫県「淡路夢舞台の創造的再生に向けた優先交渉権者の決定」2026年10月14日
- 兵庫県「優先交渉権者の提案概要・審査結果」PDF
- フォートレス・インベストメント・グループ公式発表 2026年10月15日
- 兵庫県「淡路夢舞台のあり方検討」
- 神戸新聞NEXT 2026年10月14日
- 建設通信新聞 2026年10月14日
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