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紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良 宿泊記 Part2〜 ガーデンディライト・「翠葉」での朝食・ランチ編。大正ロマン薫る古今融合のダイニング空間を演出



紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良 宿泊記。Part2は、ガーデンディライト、朝食、ランチ編。紫翠奈良の『食』にフォーカスして行きたいと思います。最後に、今回の宿泊記のまとめとして紫翠奈良の現段階の僕の評価「良いところ」「悪いところ」を書きたいと思います。

▼客室や施設概要、アクセスなどを詳しくまとめたPart1はこちらです。

紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良 宿泊記 Part1〜 客室編(デラックス・キング温泉風呂付)歴史に触れ、緑と温泉に癒やされる、侘び寂びを感じる大人のリゾートホテルだった!


施設配置


出典:GoogleMAP

今回登場する食事会場は2箇所。夕方にシャンパンフリーフロー・サービスが行われる茶寮『世世』と、朝食会場になるメインダイニング『翠葉』です。

【夕方】茶寮『世世(ぜぜ)』でガーデンディライト


紫翠奈良の宿泊者は、夕暮れ時に館内の庭園を眺めながらシャンパンのフリーフロータイム「ガーデンディライト」を楽しむことができます。

「ガーデンディライト」は、隣接するカフェ「世世」で開催される宿泊客限定のサービスで、夕食前のひとときに旅の思い出を語らいながらシャンパンを楽しむことができます。開催時間は17:00〜18:00の1時間と短いですが、宿泊者を飽きさせない、ちょっとした良いアクティビティだと思います。

 


公道に面した茶寮「世世」前の門です。17:00頃に『開門』されます。

 


少し前に開門されたので早速中に入りました。ここがカフェレストランの入口とは、にわかには信じられない感じです。

 


おおお!隠れ家の様な場所に、メチャクチャ趣のある建物が現れました!!

この茶寮「世世」は、桃山時代初期に興福寺の子院として建てられた「世尊院」をリノベーションした茶寮(カフェ)です。奈良県の郷土料理とスパイス料理を中心に構成されたメニューは、奈良の伝統とシルクロードによってもたらされた異文化の融合を反映。伝統建築の風情を感じる店内からは美しい日本庭園を臨め、軽食やアフタヌーンティーを楽しむ事が出来ます。



茶寮「世世」

営業時間: 11:00~17:00
席数: 43席
料金: お食事2,400円~ / 甘味1,800円~ / ドリンク1,265円~
予約受付:公式ホームページ: https://www.mt-restaurant.com/zeze/
カフェ直通 TEL: 0742-93-6558 (平日10:00~18:00)

※運営は森トラストですが、ホテルとは独立した店舗となっており、マリオットボンヴォイのエリート割引は対象外。営業時間中は宿泊者意外の一般の方が利用されます。

 


建物の本物感が凄いです。



ガーデンディライトは大繁盛で、ドンドンお客さんがやってくる様子でした。館内が満席の場合などは、赤い敷物がある縁側で楽しむ事が出来ます。

 


紅葉の季節などは縁側に座ると気持ちいいかもしれませんね。

 


数百年前に建てられた旧世尊院、古民家カフェというレベルじゃねぇ!!

こんな文化財の中に気軽にはいってシャンパン飲み放題とか、奈良県の感覚がバグっているとしか思えません。他県なら必死で観光地として売り出してもおかしくないレベルの建物だと思います。

 


この廊下がすこすぎる!国宝二条城もビックリの重厚感。標本ではなく現役バリバリで使われている「生きた建築物」なのが素晴らしい。いや、冷静に考えてヤバい(凄い)のでは・・。

 


茶房「世世」の様子です。かなり雰囲気が良いです。しっかりと改修されているからでしょうか?古民家カフェにありがちな床のきしみ音などが皆無で、メチャクチャ安定している様に思いました。

 


一番奥から入口側を見通した様子です。結構な大箱ですが、ガーデンディライト開始後15分ほどで満席になりました。


着席すると、すぐに「おつまみ」と「シャンパン」が用意されました。ドリンクはシャンパン(右)とノンアルコール(左)の他、リンゴジュース、オレンジジュースも選択可能です。

 


シャンパン(右):ジョセフ・ペリエ。ノンアルコール(左):デュク・ドゥ・モンターニュ・ロゼ。グラスがカッコいいです。

 


おつまみは「奈良漬のおかき」「トリフのケークサレ」。どちもお酒に合う味付けで美味しく頂けました。地味におかわり出来る様で「おかき」を追加でいただきました。ケークサレをお代わりすると、結構お腹いっぱいになるかもしれません。

 


この日は室内と外の気温差が大きかったためでしょうか?窓の結露がすごくて庭園を眺める感じではありませんでした。でも部屋から外にでて、日本庭園を歩き、桃山時代の建物でシャンパンを飲む。特別感のあるアクティビティで満足する事が出来ました。

 

【夜】近くにレストランが無い問題発生!


出典:GoogleMAP

紫翠奈良で、にわかに浮上しているのが近所に「夕飯」食べる所無い問題です。

ホテル内のレストランが高い、家族連れ向きではない、地場の食事処に行ってみたい、というケースはあると思います。試しにGoogleMAPで「土曜日」「19:00」「営業中」の条件でレストランを検索すると、見事にホテル周辺に食事処がありませんした。

紫翠奈良の近くにあるバスターミナルに「牛カツ 京都勝牛 奈良公園店」がありますが、平日16:00,土曜日17:00閉店でした。お酒が楽しめるガーデンディライトの後に、徒歩で食べに行くのは難易度が高いです。


今回は行きつけの洋食屋でテイクアウト弁当を購入し夜に備えた

対策としては、最寄りのセブンイレブン 奈良県庁店が22:00まで開いているのでコンビニ弁当で乗り切る(寂しい)、事前に近鉄百貨店 奈良店のデパ地下や、洋食屋のテイクアウト弁当を購入、持参して自衛するしかなさそうです。そのうち、徒歩で行ける食事処が共有されだしたら、こちらでもアップしたいと思います。

【朝】朝食会場はレストラン「翠葉」


一夜明けて。朝食会場は、メイン棟にあるレストラン「翠葉」。1922年に建造された「奈良県知事公舎」の客間を修復・再生した、和洋折衷な空間が魅力的です。奈良の象徴的な燈籠をイメージした照明や、旧知事公舎のエントランスをモチーフにしたテーブルなど、大正期の趣をそのままに現代によみがえらせ、古今融合のダイニング空間を演出しています。



【席数】
・54席(ダイニング44席、個室10席)

【営業時間】
・朝食  
7:0010:00
・昼食  12:0014:30
・夕食  17:3021:00


レストラン「翠葉」は、シルクロードの交易により育まれた古都奈良の食文化、日本古来の食へのアプローチ法を取り入れ「体・心・気」を揺さぶる料理を一皿ごとに丁寧に表現した、革新的な食体験の提供を目指しています。

 


大正ロマンあふれるレトロな佇まい。それでいて縁側のガラス窓は天地方向に目一杯取られており、透明感がある造りになっています。人気のない庭園を愛でながら美味しい料理を楽しむ事が出来ます。

 


縁側を見通した様子です。古民家カフェの様な感じですね。緑に包まれている感覚があり、とても落ち着きます。

 


天井と照明はこんな感じです。燈籠をイメージした照明が良い感じです。

 


角にあるこの席は2面採光の特等席ですね!


「翠葉」からの眺めはこんな感じです。美しい庭園が心を癒やしてくれます。

紫翠奈良の朝食は「和食」押し!


朝食メニューはこんな感じです。2つの膳が一度に提供されます。


壱の膳。季節のお浸し、卵〆と奈良粕、季節のコンポート、大和蒟蒻の胡麻和え、柿のピクルス、おぼろ豆腐の炊合せ。1品1品が丁寧に作られており、味も良いのですが、男性から見ると量が少なく感じると思います。

 


「弐の膳」。焼魚、吉野葛の卵餡掛け、奈良県産ひのひかり茶粥(ご飯も選択可能)、大和ポークの豚汁。香の物。卵餡掛けと茶粥をあわせて食べるとメチャ美味しい。豚汁もメチャクチャ美味しいです。

そして、豚汁と茶粥はお代わり自由!よかった、これで満腹になりそうです。

 


豚汁と茶粥はお代わり自由。お代わりの時に茶粥→ご飯に変更可能でした。

 


最初に茶粥を楽しみ、お代わりはご飯にする。そして、それを見越して香の物や卵〆と奈良粕を残しておくとラストまで幸せになれます。

紫翠奈良の朝食は量が少ない・・と聞いていましたが、豚汁、ご飯お代わり自由システムによって、満腹になりました!

【昼】レストラン「翠葉」でのランチ


今回の宿泊では、初日のチェックイン前に、ランチを頂きました。場所は朝食と同じ『翠葉』です。

 


予約したのは、最もリーズナブルなランチメニュー『紫苑』(7,337円)。マリオットのプラチナ会員割引き20%に加えて、マリオットAMEXカードの『50,000円利用で5000ポイント』キャンペーンに到達しそうだったので、レストランを利用しました。


先付は、胡麻豆腐と大和野菜の酢味噌和えです。
食器が可愛いです。

 


ちょこっと入ってますね。


次の膳で「2段重(八寸と吹き寄せチラシ)」「季節の土瓶蒸し」が一気にやってきました!

 


八寸。鮎甘露煮、大和芋の養老豆腐、クリームチーズ奈良粕漬、海老の変わり揚げ、柿なます、果実密煮。

 


吹き寄せチラシ。


季節の土瓶蒸し。鱧や松茸が入っていました。土瓶の蓋が「おちょこ」になっていて、吸い物を楽しみつつ具材を楽しむスタイルです。

 


ラストは「お抹茶」「オリジナル和菓子」

 


貴族の着物の袖をイメージしたという、上品な和菓子でした。色味も淡紫色ですね!

ランチメニュー『紫苑』ですが、味は良いのですが、7,337円の価格の割に量が少なすぎて男性には物足りない感じでした。プラチナ会員割で20%引きになりましたが、それでも割高に感じました。。

フィットネスジム


『食レポ』の後は体を動かして脂肪燃焼!紫翠奈良には小さいながらフィットネスジムがあります。


ジム内を見通した様子です。こじんまりとしていますね。


ランニングマシンは1台のみ。2人並んで走る事はできませんでした。


奥から見通した様子です。ジム内には冷えた水とタオルが用意されていました。

まとめ



初めて宿泊した、紫翠奈良。オープンして2週間程度の感想になりますが率直に書きたいと思います。

まず、ハード面から。奈良県知事公舎をリノベーションした「メイン棟」の出来栄えは素晴らしいと思いました。本来の姿をできる限りそのまま活かして、必要な機能を盛り込んで「生きた建築物」として現役バリバリ使いつづけてている事実が、このプロジェクトの最大の価値であると理解しました。

メインロビー 寧楽(なら)、御認証の間、レストラン「翠葉」、茶房「世世」など見どころ満載で、これらが紡いできた歴史を感じる事で宿泊体験がかけがえのないモノになりました。

 



新築された宿泊棟は、メイン棟と違和感が無い造りでありながら、最新の設備により快適性に優れ、こちらも良いと思いました。客室は温泉風呂が最高にリラックスできました。不満点としては温泉風呂にスペースが裂かれている為でしょうか?リビングエリアに小ぶりなソファが1つしかなく、ベッド意外の居場所が無い状況でした。一人がけのチェアを追加するだけでかなり改善されると思います。

週末になると客室単価10万円を超える高級ホテルなので、どうしてもリッツカールトン京都三井京都ROKU京都と比べてしまいます。これらのホテルはボトムの部屋でも50㎡ほどの広さがありますが、紫翠奈良は一回り狭い40㎡強となっています。さらに客室内のデザインは「侘び寂び」を感じるデザイン・・なのですが、やっぱり少しさみしい印象です。

客室単価10万円超のホテルとして考えると「客室面積から来るリビングエリアの狭さ」が不満点として上がってきます。40㎡級なので7〜8万円程度であれば満足度は全く違ってくるのですが、とにかく高い。

 



ソフト面では、元々が43室のスモールラグジュアリーホテルなので、そこまで大混乱という感じはありませんでした。「なにかお手伝い出来ることはありませんか?」の声がけも徹底されていました。

しかし、オープン直後の為、各スタッフの練度が低く「あれってどうしたらいい?」「これでよかったですかね?」と、ひそひそ話が聞こえてくる感じでした。

チェックアウト精算の時に、プラチナ会員割引のレストラン20%OFFが反映されておらず、こちらから指摘しして金額訂正してもらいました。練度の低さを見越してエクスプレスチェックアウトを止めて正解でした。システム連携の不具合でSNAが使えなかった点もガッカリポイントでした。

 



まとめると、奈良公園内に泊まる体験・歴史的な建物に泊まる価値を売りにしたホテル。歴史を感じるメイン棟と最新鋭の宿泊棟が違和感なく融合していて、新しい客室は快適、温泉付きの客室は極上のバスタイムが楽しめます。

ネガな点はラグジュアリーホテルとしては物足りない40㎡強の客室面積、そこからくるリビングエリアの狭さ、その割に高い宿泊費、まだまだこれからの接客レベル、となります。サービス面ではホテル側も試行錯誤を行っている様で、朝食メニューやウェルカムギフトは見直しが入りそうです。チェックイン時のオペレーションも改善されるかもしれませんね。

紫翠奈良は、客室数が43室しかないので、このまま高稼働が続く可能性があり、その場合10万円超の価格水準が定着するかもしれません。森トラストのホテルは、JWマリオット奈良翠嵐京都イラフ宮古島など、若干狭めの客室に最高級ブランドを冠して単価UPを図り、高収益を上げている印象があります。

良い所
・世界遺産が点在する奈良公園内に泊まれる
・歴史的な価値がある建物を含んだホテルに泊まる価値
・最新のハードは清潔で快適そのもの
・緑と静寂に癒やされる、侘び寂びを楽しむ滞在
・温泉付きの客室であれば、極上のバスタイムが楽しめる
・ボリュームは少ないが1品1品丁寧に作られた食事
・シャンパンディライトが楽しい

 

悪い所
・ラグジュアリーホテルとしては狭い40㎡強の客室
・その割に宿泊費が高額。週末1泊10万円超えはあり得ない
・シンプル過ぎて高揚感の無い客室デザイン。あとひと工夫欲しい
・椅子が少ないリビングエリア
・全体的に食事の量が少なく男性は不満足かも(朝食は豚汁とご飯がお代わりできるけど)
・駅から遠い割に少ない駐車スペース
・オープン直後なので仕方ないが、まだまだこれからの接客(向上に期待)

施設概要

ホテル名称:「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」
計画名称:(仮称)奈良吉城園計画(吉城園周辺地区保存管理・活用事業)
所在地:奈良県奈良市登大路町62番地
交通:   近鉄 奈良駅より徒歩約15分、タクシー約5分、JR奈良駅よりバス「県庁東」下車 徒歩約3分
階数:地上2階
高さ:8m
主用途:ホテル、飲食施設、体験学習施設等
客室数:43室 1区画、新築3棟、既存5棟
敷地面積;30,505.24㎡
建築面積;3104.82㎡
延床面積:4,411.69
建築主:奈良県、森トラスト株式会社

設計者:
大成建設株式会社 一級建築士事務所(建築設計)
建築設備設計研究所(設備設計)
隈研吾建築都市設計事務所(設計監修、インテリアデザイン)

施工者:
大成建設株式会社 関西支店(建築・昇降機)
株式会社きんでん(空調・衛生・電気)

着工:2022年02月21日
竣工:2023年05月31日
開業;2023年08月29日

ホテル施設:客室(全43室・43㎡~98㎡)、レストラン(イノベーティブ、鮨)、プライベートスパ(トリートメントルーム・貸切温泉露天風呂)×2室
駐車場(10台)
ホテル公式HP:https://www.suihotels.com/shisui/

▼客室レポ、メイン棟、アクセス等をまとめたPart1はこちら

紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良 宿泊記 Part1〜 客室編(デラックス・キング温泉風呂付)歴史に触れ、緑と温泉に癒やされる、侘び寂びを感じる大人のリゾートホテルだった!

2 COMMENTS

七味

連続書き込み恐縮ですが、ホテルの真北にミシュラン二つ星の店が2軒あるようですね。

奈良監獄の周辺も食事できるところが全然ないですが、タクシー使えばいいんじゃないですかね。

七味

確かに奈良公園周辺に夕食食えるところないですねぇ。
イタリアンには非常に評価が厳しいミシュランで星もらってたイルンガが近くにあったんだけど、東京に行っちゃいました。

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