神戸三宮TWINGATE(ツインゲート)雲井通5丁目再開発1期 高さ約163m、バスターミナル・文化施設・企業本社が集まる三宮東側の大規模再開発 現地の最新状況 26.10



神戸・三宮駅の東側、雲井通5丁目で建設が進む「神戸三宮TWINGATE(ツインゲート)Ⅰ期」。地上32階、地下3階、高さ約163m、延床面積約9万9,130㎡の大規模複合施設で、2027年12月の竣工を予定しています。

建物には中・長距離バスターミナル、商業施設、文化ホール、図書館、オフィス、ホテルが入ります。アシックスとシスメックスの本社移転も決まっており、交通施設の再編にとどまらず、三宮の業務・文化機能を充実させるプロジェクトとなっています。

2026年10月末時点の計画内容を整理するとともに、建設が進む現地の様子を写真で紹介します。

経緯、計画概要、特徴と事業の狙い


分散するバス乗り場と老朽化した公共施設の再編



三宮周辺の再整備は、神戸市が2015年9月に策定した「三宮周辺地区の再整備基本構想」を起点としています。当時、三宮駅周辺には中・長距離バスの乗り場が6か所に分散し、1日約1,700便が発着していました。鉄道からバスへの乗り換え経路が分かりにくいほか、路上での乗降に伴う交通混雑や、歩行者と車両の交錯などが課題となっていました。

一方、雲井通5丁目には旧中央区役所、勤労会館、商業施設「サンパル」などが立地していましたが、一部の建物では老朽化が進み、耐震性の確保も求められていました。

神戸市は2018年3月、雲井通5・6丁目を対象とする再整備基本計画を策定。駅前に分散するバス機能を段階的に集約しながら、公共施設の更新と民間開発を一体的に進める方針を示しました。その先行事業が雲井通5丁目地区の「神戸三宮TWINGATEⅠ期」です。

計画概要

項目 内容
事業名称 神戸三宮雲井通5丁目地区第一種市街地再開発事業
エリア名称 神戸三宮TWINGATE(ツインゲート)Ⅰ期
所在地 神戸市中央区雲井通5丁目
施行者 雲井通5丁目再開発株式会社
施行区域面積 約1.3ha
敷地面積 約8,230㎡
延床面積 約99,130㎡
建物規模 地上32階・地下3階・塔屋2階
高さ 約163m
主な用途 バスターミナル、商業施設、文化ホール、図書館、オフィス、ホテル、駐車場
設計 大林組、坂茂建築設計、東畑建築事務所、三菱地所設計
施工 大林組
特定事業参加者 三菱地所、三菱倉庫、TC神鋼不動産
竣工予定 2027年12月
※規模・面積は2025年1月22日付の変更認可事業計画によります。

建物は、交通・商業・文化機能を集めた中低層部の上に、オフィスとホテルからなる高層部を配置する構成です。主な施設は次のとおりです。
主な階層 導入施設
地下2階~地上3階など バスターミナル、待合施設
地下1階~地上3階 商業施設
4~8階 新・神戸文化ホール
9~10階 新三宮図書館
中層階 オフィス
24~32階を中心とする高層部 ホテル「GRAND GENTLE KOBE」

既存施設と一体運営する「バスタ神戸三宮」



交通機能の中心となるのが、新たな中・長距離バスターミナルです。

雲井通5丁目のⅠ期施設には、約6,730㎡のターミナル空間を設け、乗降用5バースと待機用4バースを整備します。これに、ミント神戸1階にある既存の三宮バスターミナルを組み合わせ、両施設を「バスタ神戸三宮」の名称で一体的に運営します。名称は2025年12月に決定しました。

既存施設を活用しながら新たな乗降空間を加えることで、バス乗り場の集約と待合環境の改善を進めます。周辺道路の改良も計画されており、乗り換えの分かりやすさに加え、バスと一般車両の交通を円滑にする狙いがあります。

ただし、バスターミナルの再編はⅠ期だけで完結するものではありません。雲井通6丁目北地区のⅡ期事業と合わせて段階的に整備される計画で、Ⅰ期の建物竣工とバスターミナルの供用開始も時期が異なります。運営開始は2028年度が想定されています。

文化ホールと図書館を駅前に集約



4~8階には、現在の神戸文化ホールに代わる新たな文化施設が入ります。

新ホールは1,816席の大ホールと272席の「BE KOBEスタジオ」を備え、2028年6月頃の開館を予定しています。大ホールの内装デザインは建築家の坂茂氏が担当。オーケストラやオペラ、演劇などの公演から、講演会や地域の催しまで幅広い利用を想定しています。

2028年4月からの施設名称は「シスメックス神戸文化ホール」に決まっています。

9~10階には新三宮図書館が移転します。面積は従来の約1,000㎡から約2,000㎡へと倍増し、蔵書数は約7万2,000冊から約11万冊、座席数は約110席から約200席へ拡充されます。一般図書に加えてビジネス関連資料や舞台芸術関連資料を扱い、2028年2月頃の開館を予定しています。

鉄道駅に近い立地に文化施設や図書館を配置することで、通勤・通学や買い物の前後にも立ち寄りやすくなります。公演やイベントによる来街機会が増えれば、周辺の飲食・商業施設への回遊にもつながりそうです。

アシックスとシスメックスが本社機能を移転

オフィス部分には、神戸を代表するグローバル企業2社の入居が決まっています。

アシックスは2028年1月、神戸市内にある本社機能を同ビルへ移転する予定です。シスメックスも2028年春にグループ本社を15~17階へ移します。

両社が移転の目的として掲げるのは、社内外の連携強化や人材交流、イノベーションの促進です。鉄道各線が集まる三宮の立地は、国内外から訪れる取引先との往来や、採用活動の面でも利点があります。

両社とも神戸市内からの移転であるため、本社移転そのものが市全体の雇用純増を意味するわけではありません。一方、都心に一定規模のオフィス需要と就業者が集まることは、平日の人の流れや周辺店舗の需要を支える要素になります。

高層部には63室のラグジュアリーホテル



高層部には、テイクアンドギヴ・ニーズが運営する「GRAND GENTLE KOBE」が2028年春に開業する予定です。ホテル名は2026年10月29日に正式発表されました。

客室数は63室、客室面積は30~130㎡。高さ約150mの高層部に、ルーフトップのインフィニティプール、レストラン、バー、スパ、フィットネスジム、バンケット、チャペルなどを設けます。発表された想定客室単価は5万~40万円です。

比較的少ない客室数で広い客室と付帯施設を充実させる構成から、宿泊に加えて飲食、婚礼、イベントなどの需要も取り込む計画です。観光客だけでなく、企業の会合や国際的なビジネス利用など、幅広い滞在需要が想定されます。

駅と街をつなぐ歩行者動線



建物の2階には周辺の歩行者デッキと接続する歩廊を設け、JR三ノ宮駅方面とのアクセスを改善します。中低層部の屋上には緑化されたオープンスペースを整備し、低層部の店舗は周辺の街路ともつながる計画です。

こうした整備は、施設内だけで人の移動を完結させず、駅前から周辺市街地へ歩行者を誘導する役割も担います。また、災害時に帰宅困難者を一時的に受け入れる空間や備蓄倉庫も計画されています。

総事業費は約922億円。公共投資と民間需要を組み合わせた再開発

2025年1月に変更認可された事業計画によると、資金計画上の総事業費は922億4,600万円。財源の内訳は、市街地再開発事業補助金が370億円、公共施設管理者負担金が30億6,500万円、保留床処分金が521億8,100万円となっています。

公共施設と交通インフラの整備に公的資金を投入する一方、オフィスやホテルなどの民間用途を組み合わせて事業を成立させる仕組みです。

完成後は、バス利用者、企業の就業者、文化施設の来場者、ホテル宿泊客など、目的の異なる人々が同じ建物を利用することになります。平日の業務需要と休日・夜間の文化・観光需要を重ねられる点は、単一用途のオフィスビルや商業施設とは異なる特徴です。

駅東側で生まれる人の流れが周辺の商店街や飲食店などにどの程度広がるか、また今後進むⅡ期事業とどのようにつながるかが、街全体への効果を考えるうえでのポイントになりそうです。

事業のタイムテーブル


時期 主な動き
2015年9月 神戸市が「三宮周辺地区の再整備基本構想」を策定
2018年3月 雲井通5・6丁目の再整備基本計画を策定
2018年6月 雲井通5丁目再開発株式会社を設立
2020年3月 都市計画決定。国と神戸市が駅前空間の事業計画を策定
2021年3月 第一種市街地再開発事業の施行認可
2022年5月 権利変換計画の認可
2022年6月 既存建物の解体工事に着手
2023年7月 施設建築物の新築工事に着手
2023年9月 起工式を実施
2024年8月 アシックスが本社移転を発表
2025年1月 事業計画の変更認可
2025年4月 シスメックスがグループ本社移転を発表
2025年10月 エリア名称「神戸三宮TWINGATE」を決定
2025年12月 バスターミナルの名称を「バスタ神戸三宮」に決定
2026年3月 雲井通6丁目北地区(Ⅱ期)に関する都市計画を決定
2026年10月29日 ホテル「GRAND GENTLE KOBE」の名称と開業概要を発表
2027年12月 Ⅰ期ビル竣工予定
2028年1月 アシックス本社移転予定
2028年2月頃 新三宮図書館開館予定
2028年春 シスメックス本社移転、GRAND GENTLE KOBE開業予定
2028年6月頃 シスメックス神戸文化ホール開館予定
2028年度 新バスターミナルの運営開始を想定
※今後の工事や各施設の開業準備により、予定が変更される可能性があります。




出典・参考資料

 

2026年10月末頃の様子


現地の様子です。前回の取材が2026年4月だったので、約6か月振りの撮影です。



南東側から見た様子です。既に計画上の最高部まで到達しており、高層階のガラスカーテンウォールの取り付けもかなり進んでいました。


南側から見た様子です。



南西側から見た様子です。基壇部はまだ足場に囲われていますが、足場が撤去され、外観が姿を現すと、建物全体の印象が大きく変わると思います。


少し離れた場所から見た様子です。高層階から基壇部にかけて変化に富んだ形状をしており、なかなか見応えがあります。


頂部付近の様子です。南側には、入居するホテルのインフィニティプールが設けられる予定です。


オフィスフロア付近の様子です。今回の再開発を契機に、三宮周辺では大企業の業務中枢機能の集積がさらに進みそうです。


さらに離れた場所から見た様子です。三宮に久々に誕生する超高層ビルですが、メチャクチャカッコいいですね。


さらに撮影ポイントを変えて、北東側から見た様子です。


完成イメージパースで描かれていた特徴的な外観が、徐々に姿を現し始めていました。


撮影ポイントを変えて、神戸市役所の展望フロアから見た様子です。


頂部付近をアップで見た様子です。


最後は、少し引いた位置から見た計画地周辺の様子です。

神戸三宮・雲井通5丁目再開発、神戸市の可能性と課題を見つめて 現地の最新状況 26.04

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