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大阪ベイエリアに誕生した世界最大規模の「大型蓄電池システム試験評価施設」NLAB(エヌラブ)の状況 17.09

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NITE(ナイト 独立行政法人製品評価技術基盤機構)は、蓄電池システムの安全性等に関する試験評価業務を実施するため、世界最大規模の試験設備、NLAB(エヌラブ)National LABoratory for advanced energy storage technologiesを大阪南港咲洲コスモスクエア地区に整備しました。


現在、太陽光や風力などの再生可能エネルギーが普及しつつあり、これらによる発電量が増加が見込まれています。ただ、これらの再生可能エネルギーは発電を行う時間帯が太陽光が降り注ぐ日中や風車を回す風が吹いている時間帯に限られ、発電量が安定しないという欠点があります。今後は、これらの電力系統の安定化に役立つメガワット級の大型蓄電池の需要拡大が予想されており、国内蓄電池メーカによる輸出の増加が見込まれます。

しかし現状は国内に試験・評価施設が整備されておらず、国内蓄電池メーカーが海外展開を図るためには製品を海外の試験・評価機関に持ち込まなけれはならず、コスト、納期等への影響が懸念される状況となっています。このため、大型蓄電池の性能及び安全性に関するグローバルな試験・評価が行える施設(安全性試験設備、振動試験設備等)を整備される事になりました。咲洲コスモスクエア地区に世界最大級の大型蓄電池の試験・評価施設は、日本の国際競争力の強化に繋がる重要な施設となります。



【出典元】
NITE(ナイト)が大阪市咲洲コスモスクエア地区に世界最大級の大型蓄電池の試験・評価施設を整備(PDF)


【過去記事】
世界最大規模の「大型蓄電池システム試験評価施設」NLAB(エヌラブ)が大阪南港に誕生!
NITE(ナイト)が大阪・咲洲コスモスクエア地区に建設中の世界最大級の大型蓄電池の試験・評価施設の状況 16.01

独立行政法人製品評価技術基盤機構NITE(ナイト)が大阪市咲洲コスモスクエア地区に 世界最大級の大型蓄電池の試験・評価施設を整備!












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施設概要

計画地:大阪市住之江区南港北1丁目36番
敷地面積:約26,400㎡(約8,000坪)


建物概要
【主試験室・副試験室】
建築基準法:耐火建築物、主要構造:RC造、階数:平屋建

【管理棟兼実験棟(及び付属施設)】
建築基準法:耐火建築物、主要構造:S造、階数:4階建

※管理棟兼実験棟には、NITE がこれまで実施してきた消費生活用製品安全法等に基づく製品事故の原因究明等の業務を行う試験・評価施設をあわせて整備。









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◆NLABのミッション

供給の安定化、スマートグリッドの構築や太陽光など再生可能エネルギーの導入に不可欠なインフラとして、定置用大型蓄電池システムは、国内外において導入が進められています。大型蓄電池システムを海外に提供する際には、顧客が求める認証の取得や試験データが必要となっていますが、現在、統一された規格がないため、国毎に異なる試験、認証をしています。

国内には定置用大型蓄電池システムの試験を安全に実施できる試験所がないこと、認証基盤が脆弱であることから、経済産業省は、「グローバル認証基盤整備事業(大型蓄電池システムの性能・安全性の試験評価拠点整備)」として、世界に先駆けて定置用大型蓄電池システムに関する試験評価施設を整備することとなりました。

この施設は民間や研究機関が活用するプラットフォームとして、国際標準や試験評価方法の開発、国内製品の性能の優位性や安全性を示すための試験評価、国内認証体制の強化などのために活用され、我が国の産業競争力の強化を図って行きます。




NLABのコンセプト

NLABでは世界最大規模となる恒温型、屋内型、耐爆型の試験施設(NLAB Large Chamber)を整備します。このNLAB Large Chamberは最大53ft(約16m)のコンテナサイズの大型蓄電池システム(主にリチウムイオン電池)を対象とした発火燃焼の危険を伴う試験を安全に実施可能です。

また、大型蓄電池システムの安全性試験(振動、外部短絡、落下試験等)を行うための様々な試験設備(NLAB Testing Facilities)を整備するほか、国内メーカーの海外進出を促進するために国内外の認証機関のテストラボとしての活用、研究機関やメーカーと連携した国際標準の開発や共同研究拠点としての活用を予定しています。NLABは蓄電池以外の様々な製品についても、試験評価に活用できる施設となっています。さらに、将来はリチウムイオン電池に加え、他の大型蓄電池システムの安全性試験の検討にも着手する予定です。













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NLAB Large Chamber(多目的大型実験棟(世界最大規模の恒温型チャンバー))の様子です。















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管理棟兼実験棟の様子です。 管理棟兼実験棟ではNITEの事業である「消費生活用製品安全法等に基づく製品事故の原因究明等の業務」を行う試験・評価施設も導入されます。














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蓄電池の需要は今後飛躍的な増加を見込まれており、国際競争も激化の一途をたどっています。日本の主力産業の1つである自動車の技術革新は目覚ましいモノがあり、今後EV車やHYBRID車の販売がドンドン増加していく事は火を見るより明らかです。この
世界最大級の大型蓄電池の試験・評価施設を皮切りに、大阪湾ベイエリアは環境・エネルギー産業の新たな成長拠点として注目を集める事になりそうです。





2 COMMENTS

昨今のエネルギー脱炭素化の流れを受け、隣接地にEV等の中型蓄電池用試験拠点を新設するようです。大阪、関西には蓄電池をはじめ水素等の次世代エネルギー関連企業が集積しているため産業として大きなアドバンテージを有していますね。自動車産業の集積がない事が関西の弱みと言われてきましたが、かえって有利に働きそうです。

EV普及見据え…経産省が蓄電池の評価設備増強に140億円
https://newswitch.jp/p/30725

よっさん

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こういう施設を大阪に置いて問題無いのなら、大阪が強みを持つ製薬に関するものを大阪に持ってこれるはず

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