和歌山県は人工島「和歌山マリーナシティ」への誘致を目指しているカジノを含むIR=統合型リゾート施設について2020年3月30日から事業者の公募を始めました。8月まで提案を受け付け、11月に優先権者を決定し、事業者と「区域整備計画」を策定、国が示す期間内に申請する予定です。
和歌山IRは、国内で最大3か所とされている整備区域に選ばれた場合、大阪・関西万博の開催前の2025年春ごろの開業を目指しています。
【出展元】
→「和歌山県特定複合観光施設設置運営事業」の公募開始について
出展:Suncity Group
県は、公募にあたって事業者に求める要件として、以下の条件を挙げています。1)和歌山の豊かな自然や文化などをふまえ「スポーツ&ウエルネス」をIRのコンセプトにすること
2)南海トラフ地震に備えて、津波による犠牲者が出ない施設を作ること
3)利用の上限額が設定できる「IRカード」などギャンブル依存症対策に取り組む体制作り
また、今年2月に公表した実施方針案には、観光分野に重点を置いてMICE施設にイベントを誘致することや、IR来訪者を各地の観光地に送り出す観光街道の整備などが盛り込まれました。和歌山商工会議所と県、和歌山市は2020年3月30日に「和歌山IR/MICE推進協議会」を設立しました。
出展:Suncity Group
和歌山IRは、和歌山市の人工島「和歌山マリーナシティ」の面積20.9万㎡の土地に誘致を目指していますがIR事業者が土地を取得する際、民間同士の取引だと事業者ごとに価格が変わる可能性があります。和歌山県は、国から対象区域に選ばれた場合に地権者から事業用地を約77億円で買い取る方針で、県が用地を保有することで、IR事業者が公平な価格で用地を取得できる環境を整えます。和歌山IRには仏バリエールグループやマカオのサンシティグループ、フィリピンのブルームベリー・リゾーツが参入に意欲を見せています。
和歌山県IR基本構想
候補地:和歌山マリーナシティ敷地面積:205,000㎡
想定されるIRの規模:延床面積 457,183㎡
投資額:2,799億円(投資回収年数 8.7年)
IR来場者数:約400万人/年
経済波及効果 (運営等):約3,000億円/年
雇用創出効果 (運営等):約2万人
カジノ施設の売上高: 1,401億円
和歌山県への納付金 (見込額) :210億円
カジノ施設入場者数:3,575千人 (日本人2,448千人)
和歌山県への入場料収入 (見込額):73億円 (宿泊客:34億円) (日帰り客:39億円)
・ラグジュアリーホテル ホテル客室数2,500室を有するハイグレードなラグジュアリーホテルを想定。カジノはラグジュアリーホテル内への設置を想定。
・国際会議場・展示施設 多機能アリーナやハイグレード会議室が含まれる50,000㎡の施設を想定
・その他施設・・・魅力発信施設、ツアーデスク、駐車場を想定
・水族館、植物園、博物館、劇場、テーマパーク、ショッピングモール、プール等の提案あり
和歌山IRは、県のスピード感や認定された場合に県が土地を買い取る事について県議会に予算案を提出するなど、大阪と並んで非常に具体的な動きが見て取れます。
新型コロナウイルスの騒動などて足踏み状態となった日本版IRの誘致ですが、その中でも着々と準備を進める和歌山IRは、実はもっとも認定に近いダークホースなのかもしれません。