ユニクロは、旧グローバル旗艦店跡地に「UNIQLO SHINSAIBASHI」(ユニクロ心斎橋店)をオープンしました。「ダブルデラックス!」をテーマに、関西最大級の品揃えとサービスで、デラックスな買い物体験ができる店作りを実施。インバウンド(訪日外国人)需要を取り込む狙いがあります。
ユニクロは、近年、浅草店、吉祥寺店、京都店で地域の特色を全面に出す店作りを行っており、新しい心斎橋店はその手法を取り入れています。
<この記事の前提条件>
都市の魅力は多様性にあります。都会的、美しい、高級な面と、猥雑、雑多、恐怖などを併せ持つ、清濁併せ呑む懐の深さが必要です。
しかし、大阪は世界的な実力をもつ大都市にもかかわらず「コテコテ、ド派手、下品」といったイメージばかりが極大化され、全国に発信され続けてきました。結果、それらを好まない層や企業は、イメージが悪い大阪を離れ、主に東京に流出し、経済的な地盤沈下の要因の1つになりました。
僕は、これから大阪がさらに発展するためには、現在、大幅に不足している「コテコテ、ド派手、下品」とは真逆のイメージを高める、良いイメージを作り上げる、向上させる必要があると考えています。
新・ユニクロ心斎橋店に対する思い

最初に結論を書くと、問題視しているのは、店舗の場所が商店街だから別にコテコテでもいいやん。ではなく、世界的な大企業であるユニクロが、結果的に「心斎橋=コテコテ・ド派手」というメッセージを発信し続ける拠点になってしまう点です。
店舗名が「心斎橋店」、かつ店舗デザインが「コテコテ・ド派手の大阪」なので、地元以外の来店者に「心斎橋=コテコテ・ド派手」というイメージをあたえ続ける事になります。

また、旧店舗が、日本初のグローバル旗艦店で、一流クリエイターが結集して作り上げた店舗デザイン、最高のVMD(ビジュアル マーチャンダイジング)を取り入れた「最新最旬のユニクロを世界に発信したい」という位置づけの店舗だったので、あまりのステレオタイプの店に変貌した事への失望もあります。
振り切った店舗デザインに本気を感じる
あたらしい観光地を作り出す、というコンセプトは明確で、新世界の様なコテコテ観光地のイメージをユニクロ風にアレンジして、店舗に落とし込んでいます。店内BGMは、浪速のモーツァルト、キダ・タロー氏書き下ろしの「ユニクロ心斎橋のうた」。どんだけ本気やねん!と言いたくなりました。

この店舗が「心斎橋店」ではなく、道頓堀や難波なら歓迎したと思います。別にコテコテ・ド派手の店舗があっても良いが、それは「心斎橋」ではなく、道頓堀や難波の方がシックリくるのではないでしょうか。
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