大阪市は、築港南地区の再開発に向けた市場調査（マーケット・サウンディング）を実施し、民間事業者からのアイデアを募集しました。埋立地や背後地の有効活用を検討し、将来的な土地利用の方向性を定めるための重要な取り組みです。
築港南地区再開発の背景と目的
築港南地区は、大阪港の玄関口に位置しながらも、長年にわたり十分に活用されてこなかったエリアです。大阪市はこのポテンシャルを最大限に引き出し、「みなとまち」としての再生を目指しています。「築港・天保山まちづくり計画」に基づき、物流施設を中心とした土地利用から都市型の用途へ転換する方針が示されています。埋立地を防災拠点やウォーターフロントの交流拠点として活用する計画ですが、より具体的な開発方針を策定するため、民間のアイデアを募ることとなりました。
対象区域は、埋立地（約5.1ヘクタール）とその背後地（合計約10.4ヘクタール）で、いずれも大阪市が所有しています。用途地域は準工業地域が中心ですが、一部商業地域も含まれています。埋立地は市が整備を進める計画で、背後地の一部は「空飛ぶクルマ」のポートとして2027年まで暫定利用される予定です。
提案の概要
調査には、不動産開発会社やゼネコン、非営利法人など7団体が参加し、多様な活用アイデアが提案されました。
土地利用に関しては、埋立地と背後地Bでは、マンションやホテル、商業施設、医療・スポーツ施設、物流拠点、公園、干潟の整備案が提示されました。特に、干潟の整備については、自然環境の保全を視野に入れたエコツーリズムの拠点としての活用が提案されています。
背後地Aについては、「空飛ぶクルマ」の発着場を設置し、公園などと組み合わせた多用途利用が想定されています。これにより、新たな交通手段の導入とともに、市民の憩いの場としての機能を強化する狙いがあります。
市営上屋の活用については、商業施設やギャラリー、文化施設へのリノベーション案が示され、歴史的建造物を活かした観光資源としての価値向上が期待されています。
水際エリアでは、スーパー・ヨットやプレジャーボートの発着場、海上タクシーの拠点整備が提案されており、客船の係留施設やハーバープロムナードの整備案も示されています。また、船溜まりのヨットハーバーやマリーナ整備案もあり、水際線の活性化を促進する計画が含まれています。さらに、埋立面積を縮小しつつ、段階的な整備を進める案もあり、持続可能な開発計画としての方向性が示されています。
調査の進捗と結果
１：実施要領の公表：2024年11月6日（完了）
２：提案受付期間：2024年12月5日～12月26日（完了）
３：ヒアリングの実施：2025年1月10日～1月28日（完了）
４：調査結果の公表：2025年3月3日（公表）
課題と今後の展望
事業の実現には、建設費や設備費の高騰、周辺地域との回遊性の確保などの課題があります。提案者からは、容積率や用途の緩和、歩行者ネットワークの整備、岸壁や桟橋の拡充など、都市機能の強化が求められています。開発の方向性として、高所得者層向けの開発案が一部提案されたものの、全体の方向性は幅広い層を対象とする開発が想定されています。大阪市としては、多様なニーズに対応した持続可能な都市開発を目指すと考えられます。
築港南地区の再開発は、ウォーターフロントの活性化や新たな都市機能の創出につながる可能性を秘めています。大阪市は今後、「築港・天保山まちづくり計画」と調査結果を踏まえ、令和7年度から土質調査や詳細な検討を進め、具体的なビジョンの策定に向けた取り組みを本格化させます。
その地域を無理やり盛り上げようと、商業施設やらイベント会場とかをあちこちに割り込ませるやり方には余り賛同出来ません。
例が夢洲です。大きなコンテナヤードがあって景観が非常に宜しく無い。
どれだけ夢一杯な施設を周りに作っても、あのコンテナヤードのせいでぶち壊しなんですよ。それは何処ででもありますよね。
昔、友人が小洒落たカフェのテラスで少し気取ってコーヒーを飲んでいたのですが、その周りが汚い雑居ビルやらで全くパリではなく笑ってしまいました。
つまり景観とは360度を考えないといけないものなのでは?
少なくとも夢洲は可能なんです。だったら先ずコンテナヤードの移動場所を考え、跡地に老朽化した海遊館とその周りの施設をごっそり移転させたら良いではないですか? その海遊館の跡地には住宅でも何でも良いし?
今、東京で問題になっているのが再開発施設が全然集客出来ないという話。それは相乗効果の無い場所を開発して失敗していると思うのです。
夢洲もIRだけでなく、海遊館の様な有名な観光施設を置く事で互いに相乗効果を見込めると思うのです。それはこれから作られる施設に対してもです。一つより二つ、二つより三つ、目玉施設で固める事で集客力が上がる。散り散りばらばらに開発してもそれ程の爆発力は有りません。
ラスベガスが砂漠のど真ん中で成功した理由が丁度それなんです。
ここの開発は必要ですか?