福岡市西区の「マリノアシティ福岡」跡地で、三井不動産株式会社と福岡地所株式会社が共同開発する「(仮称)三井アウトレットパーク福岡」が着工しました。開業は2027年春を予定し、約200店舗が出店する九州最大規模のアウトレットモールとなります。2000年に開業し、2024年8月に閉館したマリノアシティ福岡の再開発計画として注目されています。
計画地は福岡市西区小戸二丁目で、敷地面積約85,200㎡、延床面積約117,800㎡。地上2階建ての新築商業棟(約43,800㎡)と地上4階建ての既存棟リニューアル(約24,700㎡)、さらに2棟の立体駐車場(合計約49,300㎡)で構成されます。設計は東急設計コンサルタントと大本組一級建築士事務所、施工は株式会社大本組が担当します。

立地は幹線道路「マリナ通り」に面し、福岡高速環状線「愛宕IC」から約2km。最寄りの福岡市地下鉄空港線「姪浜駅」から車で約5分、福岡空港駅から約25分とアクセス性が高く、国内外からの集客が見込まれます。
九州最大級の規模と商業戦略
施設は約200店舗を集積し、インターナショナルブランド、セレクトショップ、スポーツ、アウトドア、キッズなど多彩なカテゴリーで構成されます。飲食ゾーンも設けられ、買い物と食の両面で幅広い層に対応します。
九州における三井不動産の商業施設は、2022年に開業した「ららぽーと福岡」に続く2件目であり、両施設は車で30分圏内に位置します。都心型のららぽーとと、郊外型・観光対応型のアウトレットパークが連携することで、福岡都市圏全体の商業回遊性と競争力の向上を図ります。
また、福岡空港や博多駅、天神など都市圏主要拠点からのアクセスが良好で、観光客・ビジネス客・地元住民の三層をターゲットとした広域戦略が特徴です。
環境配慮と地域への波及効果
計画は、既存建物をリニューアル・再利用し、建設廃棄物を削減することで環境負荷を軽減します。新築棟には太陽光パネルや高効率設備を導入し、CO₂排出量を抑制。ESG経営に基づいた環境配慮型開発として位置づけられます。
さらに、海辺の立地を活かした広場にはイベント対応ステージを整備し、地域交流や観光促進の拠点としても機能します。マリノアシティ福岡が担ってきた「海辺の商業拠点」としての役割を引き継ぎつつ、現代的な再構築を行う本計画。九州初の三井アウトレットパークとして、都市・観光・環境の三要素を融合した新たな商業ハブとなることが期待されています。
出典元
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三井不動産株式会社・福岡地所株式会社「マリノアシティ福岡跡地における建替え計画検討着手について」



