大丸松坂屋百貨店は、大丸心斎橋店本館の建て替え再開発を進めていましたが、2019年9月20日(金)ついにグランドオープンを迎えました!建て替え再開発は、御堂筋のランドマークとして親しまれてきた、建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズによる内外装を復元し、建て替え前のレンガや大理石などをほぼ全て再利用。86年の歴史が感じられるように仕上げられました。
※係員の方に許可を得て店内を撮影しました。
大丸本館の開業特集、1回目の今回は1階に復元された1階の天井をご紹介したいと思います。化粧品売り場の上部に復活したヴォーリズデザインの天井が圧巻で、まさに「ハレの空間」。なんとも言えない高揚感を得ることができました。
建替え前はもっとキラキラしていた気がしますが、華やかさの中に落ち着きを感じる独特のデザインに仕上がっています。
今回は普段より大きなサイズで写真をUPしていますので、拡大して見てみて下さい!
復元天井は1階化粧品売り場の上にあり、周辺部は対照的な造りになっています。写真左が復元天井、右がウルトラモダンな鏡天井です。
鏡天井の様子です。これも凄いですね・・。復元天井とウルトラモダンな鏡天井の対比が面白い。それでいて不思議と違和感を感じない所が良いです。
壁面にも旧建物の部材が再利用されています。
ついに復活した大丸本館。最大の注目点「1階に復元されたヴォーリズデザインの天井」はまさに圧巻。百貨店が失いつつある非日常感、「ハレの場」が復活した様に感じました。売り場を見てドキドキしたのは「うめだ阪急本店」の建替えグランドオープン以来かもしれません。心斎橋最高のランドマークは華麗なる復活を遂げました。
ぽりさんありがとうございます。
低く見えたのは柱の間隔が広がったからですか。やはり自分の目で見ることと設計図の確認が大事だと再認識させられました。ただ中二階のあの雰囲気が再現出来なかったのは残念ですね。
解体発表時に完成予想模型を制作されていた造形家が竣工を待たず先月永眠されました。個人的に作っていたCADデータや資料を提供しておりましたので、何か胸につっかえたまま過ごしております。
復元部材は内外装含め約67%だそうです。
天井の石膏造作は風徐室も含め、型採りしたGRGかGRCに着色したものに置き換えされていると思われます。地震時に落下の恐れがあるので、日本での重文や東京駅復元と同じ手法ですね。中之島図書館の石膏フレスコ画のドームが落下の恐れがあるので、何度防止工事の申請をしていましたが、橋下氏が売りもんだから認めず、存続決定後リニューアル工事中に落下し、松井氏がわしゃ知らんと逃げたので、教育委員会の課長専決で数千万で落下防止ネットを張り、文化庁にお伺いをたてた所、日本には修復技術がなく技術を修得した企業が現れるまで工事が出来ず仮設の修復となっています。
>おろろNさん 天井高さはほぼそのままです。以前の高さがおよそ4.85m 階高5.15m 柱間が中央1スパンのみ7.27m他が6.06m。 新しい方は床の目地で測ると柱間8.5mですので、錯覚で低く感じられたのだと思います。中二階の幕板の下場が以前は2.1m位で新しくなって下場が2.7m位に高くなり、天井の隙間が狭くなっているのでその部分だけ見ると錯覚されているのではないでしょうか。 工事中に既に一部の建築関連の本で発表されていた資料で中二階はなく、柱が立ち上がった工事の初盤で中二階の高さの仮設の幕板が道路から防護ネットを通して見えておりましたので、百貨店と建築側で中二階意匠高さの確認認識の共有化のための作業と解釈しておりました。あのままの回廊の状態では現行法規がクリアは出来ないので、せめてバルコニー状でもと思いましたが仕方ない部分はあると思います。
今回のシャンデリアは戦後の仮設時代を含めて4か5代目位でしょうか。昭和の50年代まではアラベスク意匠カバーがついた十文字型蛍光灯の巨大シャンデリアが吊るされておりました。幼いながら心斎橋駅と大丸の蛍光灯の使い方に驚きが有りました。
おお、見事に復元されていますね。
・・・と思ったのですが致命的ともいえる残念な点に気づいてしまいました。
建て替え前と比べて何か違和感を感じたのですが見れば天井の高さがオリジンと比べてかなり低くなり、中二階も消滅してしまっています。
おそらく以前は6m程あった天井を北館の階高と合わせるため4m程に下げたのでしょうが結果として細部の意匠の保存はされても建築空間其の物の保存はされなかったがために空間に対し装飾サイズが合わずアンバランスとなったように見受けられるのです。
10月末に現物を実際に見なければ最終的な感想は出せませんが、写真を見る限り外部と同じく内部も?となりそうで建築の再生例としても良いモノにはならないかもしれません。