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ジャパンディスプレイ(JDI)が主力の白山工場をシャープに売却!



液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)は2020年8月28日付けのニュースリリースで、主力の白山工場の土地、建物、および付帯設備などを412億円でシャープに売却すると発表しました。工場の設備は米アップルに301億円で売却、譲渡額は合計713億円となります。JDIは業績不振を招いた過剰設備を売却し固定費を圧縮、再建を加速させたい考えです。

【出展元】
→JDI>固定資産(白山工場)の譲渡、営業外収益及び特別利益・損失の計上並びにモバイルカンパニー子会社化の取り止めに関するお知らせ
→シャープ>固定資産の取得に関するお知らせ
→朝日新聞>JDI、シャープに白山工場を412億円で売却へ
→日経新聞>JDI、主力工場売却を正式発表 シャープなどに713億円で

 

 



JDI白山工場は2016年にアップルのスマートフォン「iPhone」向けの液晶パネルの拠点として生産し始めましたが、そのアップルがiPhoneの上位機種に有機ELパネルを採用したために稼働率が低迷。累計1200億円を超る減損処理を余儀なくされ、JDIの経営不振の要因の一つになりました。

JDIは、業績・財務改善策として2019年6月に構造改革を発表。2020年3月に資産運用会社から金融支援を受け入れて債務超過を解消しましたが、昨年7月から操業停止中の白山工場が課題となっていました。

 

 



一方、シャープも同日、JDIから白山工場の土地と建物を取得すると発表しました。亀山工場で造る「iPhone」向け液晶パネルの生産を白山工場に集約し、生産性を高めるとみられます。シャープの戴正呉会長は「生産能力拡充や次世代ディスプレーへの展開といった面で、当社のパネル事業にとってプラスになると確信している」とのコメントを出しました。

小型液晶パネルはスマホの有機ELシフトなどで大きな成長が期待できませんその為、シャープは液晶・有機ELに続く新世代の表示方式である「マイクロLED」などの次世代ディスプレーの開発を進めています。

 

 

 


出展:https://www.flatpanelshd.com/news.php?subaction=showfull&id=1537269397

マイクロLEDは、照明や信号などの光源として利用されているLED(発光ダイオード)を約10µm(マイクロメートル)にまで微細化し、それを平面上に敷き詰めてパネルを作り出す技術です。カラー映像を作り出すためには、光の3原色である赤、緑、青(RGB)の3色が必要で、この3色のLEDが1組になって1画素分を構成しています。液晶パネルより、明るく、コントラスト比の高い映像を、速い応答速度と低い消費電力で実現できます。また、有機ELと比べても明るく、変質による焼き付きが少ない為、車載用など産業用途にも使用できます。

 

 


出展:https://www.macrumors.com/2020/06/01/apple-invests-330-million-taiwan-micro-led/

非常に期待が持てるマイクロLEDですが、現在は製造コストが高く量産化が難しい状況です。LEDビジョンの価格はチップの数と比
例します。仮にマイクロLEDで4Kディスプレイ(3,840×2,160=829万4400画素)を作ると仮定した場合、1画素につきRGBの3色分、合計2,488万3,200個のLEDが必要になります。メーカー各社はこれらの課題を解消する為しのぎを削っています。

シャープは、白山工場の設備をアップルから借りてパネルを生産し、大口顧客であるアップルへの供給を続けます。亀山などの既存工場では、自動車や医療機器向けなど新たな顧客向けのパネルの生産を増やします白山工場の取得を切っ掛けに、小型液晶の生産拠点の再配置を行って生産効率を高めつつ、マイクロLEDなどの次世代ディスプレーの開発を加速する戦略です。

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