JR熊本駅ビルは、空間デザインに自然を取り入れることで、過ごす人の生産性や幸福感を向上させるバイオフィリック・デザインに取り組んでいます。最大の見せ場は地上から7階まで大きく吹き抜けた水と緑の屋内立体庭園「ぼうけんの杜」です。
建物全体に流れる水と緑の縦の積層は、阿蘇から有明海に至る熊本の雄大な自然を表現するとともに、駅前広場との連続性を生む立体的パブリックスペースを形成しています。
【出展元】
→JR熊本駅ビルがグッドデザイン賞を受賞しました!
→https://www.nikken.co.jp/ja/news/news/2021_06_03.html
『ぼうけんの杜』は熊本の自然を凝縮した水と緑の屋内立体庭園。水の流れは、9階ホテル中庭の阿蘇の水源をイメージした水盤を起点としており、3階から地上階へ落ちる幅10m、高さ10mの滝は小国の「鍋ヶ滝」をイメージしています。ダイナミックな「滝」や、屋内緑化とはレベルが違う、まるで植物園の様な湿気を感じる凄い「緑化」に度肝を抜かれました!!
裏側から「滝」を見た様子です。
吹き抜けは階段形状により自然光を屋内に導き、シミュレーションを駆使して最適化された生育環境に、日本に自生する数十種類の植物が配置されています。
『滝』の水源となっている3階の水盤の様子です。駅前商業施設の中である事を忘れそうな異空間です。
シンガポール・チャンギ国際空港の『HSBC レイン・ボルテックス』ほどの水量はありませんが、熊本駅前この様な凄い空間がある事に驚きました。
縦アングルで見るとこんな感じです。3階よりさらに上に向かって吹き抜け空間が広がっています。
壁面緑化の様子です。自然光の入り方を計算に入れて植物が配置されています。
撮影中は、「凄すぎる!!」という呟きが周りの人に聞こえるぐらい興奮していました。
吹き抜け空間の天井はガラス張りでその上を水が流れています。
吹き抜け空間を見下ろした様子です。
ホンマに凄すぎる!!
屋内緑化のレベルを超越して、商業施設の中に『植物園を創ってしまった』という表現が相応しいと思います。
初めて訪れたJR熊本駅ビル『ぼうけんの杜』。ビルの中に大きな滝が流れ落ち、豊かな緑が生い茂る吹き抜け空間を見て本当に感動しました。全く場所は異なりますが、関西国際空港の第1旅客ターミナルビルの「キャニオン」が目指して実現しなかった屋内緑化の理想形が、数十年の時を経て熊本駅前に誕生しました。
『ぼうけんの杜』過ごす人の生産性や幸福感を向上させるバイオフィリック・デザインに取り組んでいるとの事ですが、その言葉は本物で、実際に癒やしを感じる事が出来ました。この小さな幸せを感じる空間が各地に広がって欲しいですし、熊本の先進的な取り組みと事例はもっと評価されるべきと思いました。