近鉄のシンボル名阪特急に新型車両「ひのとり」が2020年3月14日にデビューします。投入される近鉄80000系電車は、6両編成×8編成、8両編成×3編成、計72両が導入され大阪難波―近鉄名古屋間を結ぶ、名阪特急「アーバーンライナー」を順次置き換える予定です。
開発コンセプトは~くつろぎのアップグレード
ライバルの新幹線が新大阪―名古屋間を約50分で結ぶ状況で、難波―名古屋間を2時間強で走る近鉄特急はスピードでは勝負になりません。そこで近鉄は2時間強の移動を快適に過ごせる様に、接客設備を大幅にアップグレードさせ「最上の寛ぎの時間」を提供する事で差別化を図る事にしました。スピードでは適わないので車両の快適性を大幅に引き上げ、新幹線に勝負を挑みます。
ひのとり VS 新幹線
ひのとり と新幹線の特徴を表にするとこんな感じです。圧倒的なスピードと運転本数を誇る絶対王者「東海道新幹線」に対して、勇者「ひのとり」は徹底的に磨き上げたサービスを安価で提供する事で勝負を挑みます。
ひのとり | 新幹線 | ||
普通車 | 4,540円(レギュラー車両) | 6,680円(のぞみ指定席) | |
116cm バックシェル付き | 104cm | ※シートピッチ | |
ハイグレード車 | 5,240円 (プレミアム車両) | 8,950円(のぞみグリーン車) | |
130cm・バックシェル付き | 116cm | ※シートピッチ | |
所要時間 | 約2時間6分 ※難波ー名古屋 |
約50分 ※新大阪ー名古屋 |
|
運転頻度 | 約2本/時 ※ひのとり+アーバンライナー |
約10本/時 | |
付帯設備 | ・カフェスペース ・ベンチスペース ・コインロッカー ・喫煙スペース ・自動販売機 |
・喫煙スペース ・自動販売機 |
従来の近鉄特急のイメージを打ち破る深い赤色のメタリック塗装
ひのとりのエクステリアは従来の近鉄特急のイメージを打ち破る、深い赤色のメタリック塗装「ひのとりレッド」が採用されました。窓回りは黒で縁取られ、サイドには濃い茶色の縞が配されており上質感が演出されています。赤いメタリック塗装は、アーバーンライナーの実車に試験塗装を施して色味をチェックするなど相当なこだわりを持って採用されました。
先頭車両は流線型のハイデッカー構造で、フロントに設けられた大きな一枚窓とずらりと並んだLEDの前照灯が特徴的です。自動車の世界ではLED照明の普及によりヘッドライトのデザインの自由度が高まり、いままでに無いデザインのクルマが登場しています。鉄道車両にも、その波が押し寄せてきた感じです。
ひのとりの形式は80000系、色はメタリックレッド、ロゴマークはゴールド。中国人が好きな末広がりの「8」、ゴージャスな「赤」、富を象徴する「金」など、さりげなくインバウンドを意識している・・・のかもしれません。
新幹線の真逆を行く「ひのとり」は側面窓がメチャクチャ大きいです。
レギュラー車両の窓も超大型です。
乗降ドアー付近の様子です。深紅のサイドビューは深みがあり、まるで宝石の様な美しさです。「ひのとりレッド」はエッジラインが映える塗装で光のあたりの方で生じる色の変化が強調されます。
側面表示機はフルカラーLED。
「ひのとり」のロゴマークです。
パンタグラフはシングルアーム式。6両編成に3カ所設置されています。
ひのとりPhotograph
2020年2月8日撮影。有料試乗会が行われ、抽選に当たった方々を乗せて「ひのとり」が走りました。
試乗会とは別に試運転も行われ、2020年2月8日時点で走行出来る3編成全てが稼働していました。
あ、「ひのとり」がおる!! 歓声を上げる子供たち。新しいヒーローが誕生した瞬間。
先進的でスピード感のある車体フォルム。気品のある特急のイメージは翼を広げて力強く飛翔する「ひのとり」を表現しています。
いよいよデビューが近づいてきた『ひのとり』。明日(2020年2月9日)はクラブツーリズムなどの旅行会社が企画した「試乗ツアー」が開催され、一般客を乗せて名阪間を走行します。
2021年の最優秀鉄道車両は近鉄特急「ひのとり」に決定 鉄道友の会「ブルーリボン賞」(乗りものニュース)
https://trafficnews.jp/post/107444
かっこいいー。つやつやですねー。窓周りの縞々が実に上品です。あと連結面側の妻部分、ピアノブラックで美しく塗装されてます。さすが近鉄特急!