星野リゾートは2019年5月28日付けのニュースリリースで、新今宮駅前に建設する新ホテルの施設名を「星野リゾート OMO7 大阪新今宮」に決定し6月1日に着工すると発表しました。
「OMO」は、星のや、リゾナーレ、界に次ぐ星野リゾートの第4のブランドで、「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテル」をコンセプトに、2018年4月にOMO7 旭川(北海道・旭川)、同5月にOMO5 東京大塚(東京・大塚)の2施設が開業。OMO7 大阪新今宮はOMOブランドの3施設目となります。
【出展元】
→「星野リゾート OMO7 大阪新今宮」着工のお知らせ 着工日:2019年6月1日
→新ブランド「OMO(おも)」誕生。コンセプトは「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテル」
【公式サイト】
→星野リゾートOMO
「星野リゾート」がJR新今宮駅北側に計画しているリゾートホテルは無謀な計画でも賭けでもない。十分な勝算を持った堅実な計画だった!
星野リゾート OMO7 大阪新今宮の計画概要
現地に掲示された建築計画のお知らせ
【スペック】
計画名称:(仮称)大阪・新今宮駅前ホテル建設プロジェクト
所在地:大阪市浪速区恵美須西三丁目38番2(地名地番)
階数:地上14階、塔屋2階
高さ:70.0m
構造:鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造
杭・基礎 :
主用途:ホテル(簡易宿所)
客室数:ーー
敷地面積:13,907.34㎡
建築面積:7,648.33㎡
延床面積:37,922.06㎡ ※容積対象面積:34,247.41㎡
建築主:ミナミホテルマネジメント
設計者:日本設計
施工者:未定
着工:2019年03月(予定)
竣工:2021年10月(予定)
街に溶け込むデザインづくり
JR大阪環状線新今宮駅ホームに隣接した約14,000平米の敷地には、緑豊かなガーデンエリアが設けられます。建物の外装は、都市部に多く見られる硬く規則的な印象ではなく、敢えて親しみやすくやわらかな印象を受けるデザインとすることで、OMOらしさを表現しています。こうした取り組みに、周辺環境や快適性に配慮した設計を計画に組み込むことで、街に溶け込むデザインづくりを実現させています。
地域に溶け込む「Go-KINJOゴーキンジョ」サービス
「Go-KINJO」は、ホテルから徒歩圏内の「街」を深く知り、エキサイティングなモノに触れ、街に溶け込むことをサポートするサービスです。現地出身のスタッフを中心に、地元民だからこその情報を宿泊ゲストに共有します。ガイドブックには載っていない通な店などが紹介されている「ご近所マップ」や普段はフロントなどで業務を行うスタッフが務める「ご近所専隊 OMOレンジャー」、「体験レポート」、「ご当地ワークショップ」を通して新今宮周辺の魅力を発信してくれます。
星野リゾートは、従来の都市型ホテルの多くは、ビジネス客向けのサービスが中心で、旅行客はその一部を間借りしている状態であったと分析。「それでは旅の楽しみは半減してしまう、テンションが下がっているはずだ」という仮説のもと、「旅行客だけのことを考えたら、ホテルはどう変わることができるだろう」との考えからOMOブランドを誕生させました。旅行客に向けて、旅先をまるごと楽しむディープな魅力と、お茶目な仕掛け満載のホテルステイで旅のテンションを上げるサービスを展開し、差別化を図ってゆく戦略です。
「OMO7 大阪新今宮」が成功するであろ3つの理由
1:破格の安さで用地取得した為、ホテルのイニシャルコストを大幅に下げる事が出来できる
計画地の取得金額が約1万4000平米で約18億円、計算すると坪単価約42万でした。乗降客数が多い駅前一等地のまとまった土地であることを考えると、この値段は破格の安さです。
2:観光客にとって最強レベルのアクセス性の高さ
「OMO7 大阪新今宮」の最寄駅に乗り入れる路線は、JR環状線・大和路線(大和路快速)・阪和線(関空紀州路快速、はるか、くろしお)、南海本線(ラピート、空港急行)・高野線地下鉄御堂筋線・堺筋線の7路線。天王寺・難波・心斎橋・梅田・新大阪・千里中央が1本でアクセス可能な他、USJの乗り換え駅の西九条にも直結。北摂、京都・嵐山方面、奈良方面、関空・和歌山にアクセスできます。
3:グループ内でもカジュアルな価格設定が可能となる30㎡の客室面積
客室面積30㎡のセパレートバスタイプの客室で、宿泊料金は1~3万円台の予想です。これによりターゲット層が非常に広が客室を埋める事が出来る
インバウンドと「OMO7 大阪新今宮」が大阪のイメージを変える
少し前までは天王寺に「怖い所」というイメージを持つ人が多くいました。「美術館に行きたいけど、途中の公園が怖すぎて行かれへん」といった言葉を聞いた事があります。しかし、阿倍野再開発事業やハルカスの建設、てんしばの誕生により、天王寺・阿倍野地区のイメージは一新されました。
新今宮駅周辺は、現在でも「ドヤ街」「危険な街」「ホームレスの街」といったイメージを持たれていますが、実際は10〜20年前に比べると相当変わっています。最新の新今宮周辺と固定化されたイメージの間にギャップが出来つつあります。
大阪に押し寄せるインバウンド客は「西成・新今宮」といった固定概念は無く、ある意味フラットな目線で評価してくれます。彼ら彼女らが発信する情報が徐々にですが、この辺りのイメージを変えつつあります。そして「OMO7 大阪新今宮」という起爆剤により、その動きはさに加速する事になりそうです。