大阪市は、2021(平成33)年度中の開館をめざす(仮称)大阪新美術館について、公募型設計競技を実施し、2017年02月09日に最優秀案及び次点案を決定したと発表しました。 最優秀案の提案者は遠藤克彦建築研究所、次点は日建設計 大阪オフィス。
最優秀案は、シンプルで存在感のある外観や、黒い直方体を切り欠くように立体的に配置され自然光が降り注ぐデザイン性の高いパッサージュ空間が、新しい美術館の独自性につながるとともに、建物周囲に巡らされたデッキや、道路に面して配置されたカフェ・レストランが、まちの回遊性や賑わいの向上に貢献するとして高く評価されました。
【出典元】
→大阪市HP>「(仮称)大阪新美術館」の公募型設計競技において最優秀案を決定しました
・株式会社 日建設計 大阪オフィス>設計提案書(PDF)
【過去記事】
→大阪中之島美術館・Nakanoshima Museum of Art, Osakaがついに着工!
→大阪中之島美術館・Nakanoshima Museum of Art, Osakaの計画地に建築計画のお知らせが掲示される!
→「大阪中之島美術館・Nakanoshima Museum of Art, Osaka」新美術館の名称が正式決定!
→【2021年度開館予定】(仮称)大阪新美術館の状況 18.08
→大阪中之島に計画中の(仮称)大阪新美術館の正式名称を公募開始!「⼤阪と世界の近現代美術」をテーマに2021年度の開館予定!
→大阪・中之島に計画中の(仮称)大阪新美術館は黒いキューブ型!同美術館の基本設計コンペは遠藤克彦建築研究所を特定!
【スペック】
名称:大阪中之島美術館・Nakanoshima Museum of Art, Osaka
所在地:大阪市北区中之島1丁目3番20号
階数:地上5階
高さ:36.9m
構造:S造
杭・基礎 :
主用途:美術館、店舗、駐車場
総戸数:—–
敷地面積:12,870.54 ㎡
建築面積:6,680.56 ㎡
延床面積:20,012.43㎡ ※容積対象面積:18,126.36㎡
建築主:大阪市
設計者:大阪市都市整備局公共建築部
施工者:銭高・大鉄・藤木特定建設工事共同事業体
着工:2019年03月(予定)
竣工:2021年06月(予定)
大阪市は、大阪の魅力を世界に発信する「新しい美術館」の正式名称を募集すると発表、2018年の6~7月にかけて公募し、計1681件の応募がありました。決定された正式名称は「大阪中之島美術館・Nakanoshima Museum of Art, Osaka」。非常にシンプルな名称に落ち着きました。新美術館は黒い直方体が宙に浮いた印象を与える外観で、モディリアニや佐伯祐三作品など市所蔵の約5600点が展示される予定です。
5層の建物ボリュームは約60m角のコンパクトな直方体。敷地中央に配置され、周辺には広いオープンスペースが設けられた、周辺からの圧迫感がない配置計画となっています。オープンスペースは公園の様な「アートデッキ」が作られ、周辺の高低差や人の流れを統合し、敷地の全方位と接続。デッキ上では様々なイベントや屋外展示を行う事が可能となっています。デッキ上は緑化が行われ、都市のオアシス空間として整備されます。
新美術館は、鉄構造/場所打ち杭、基礎免震を基本とし、柱のない「ワンルーム」の展示室を1~5階まで複雑に連続するパッサージュ(展示ホール)の吹き抜け空間が設けられます。パッサージュは空間的に大阪新美術館のスパイン(背骨)になるだけでなく、構造的にもスパインとして機能します。上部躯体をシンプルで軽快な鉄構造とする事で、杭や基礎への負担も少なくなり、コスト/工期的にも有利な構造計画としています。
2019年7月の状況
現地の様子です。前回の撮影が2019年4月だったので約3ヶ月振りの取材です。
北西側から見た様子です。
南西側から見た様子です。多数の重機が入っています。
南側から見た様子です。
最後はアップで見た様子です。シンプルながら存在感のある大阪中之島美術館は、完成後は同エリアのランドマークとして大いに注目を集めそうです。
これほど楽しみな建物はありません。美術館は展示内容もさることながら、まずは建物自体が見て楽しいものでなければならないと思います。「コンパクト」とは言っても一辺60メートルの真っ黒い直方体はなかなかのインパクトがあります。
隣の国立近代美術館は地下美術館で地上にほとんど建築物がありません。と言って、地上に広々とした緑地が広がっているわけでもありません。
やっと中之島に本物の美術館ができると期待しています。