
大阪市は2022年12月1日、「中之島五丁目地区土地区画整理事業」の施行を認可しました。施行地区は大阪市北区中之島5丁目の一部で、施行地区の面積 約7.7ha。施行期間は2025年10月31日となっています。
対象地区は、古くから大阪の経済・文化・行政の諸活動の中心であり、都市再生特別措置法に基づく「中之島周辺地域 特定都市再生緊急整備地域」としても位置付けられています。
本地区では、京阪中之島線の整備や「なにわ筋線新駅」の計画による交通利便性の向上やウォーターフロントの立地特性を活かして、低未利用地の土地利用転換等により、中枢業務機能の充実や質の高い都市空間の創出を図る方針です。
また、地区南側に位置する市道中之島線(南岸道路 幅員10m)及び都市計画道路中之島歩行者専用道2号線(幅員6m~8m)の整備を本事業の整備に併せて行う予定です。
【出展元】→大阪市>中之島五丁目地区土地区画整理事業
2020年代後半のビッグプロジェクト

中之島まちみらい協議会が纏めた「中之島まちづくり構想」において、中之島5丁目は、多世代が交流し国際的に誇れる地域、ホテル・商業・業務・住宅などの 様々な機能が集積したグローバルコミュニケーションゾーンを形成する方針が示されました。リーガロヤルホテルを核に据えたMICE機能の強化、新駅に隣接する立地からオフィスなどの業務機能+タワーマンションなどの住宅の供給が予想されます。
大阪万博後の建替え構想があるリーガロヤルホテルの動きも注目です。全ては「なにわ筋線」の開通を見越した動きで、同線の開通後は梅田(大阪駅地下ホーム)まで1駅、新大阪まで15分以内、京阪中之島線で都心部の東西移動が可能、関西空港にも直結するなど、交通利便性が飛躍的に高まります。今回の「中之島五丁目地区土地区画整理事業」によって再開発の地ならしが行われ、その後に大規模な再開発に発展する可能性が高まりました。
<グローバル コミュニケーションゾーン>
・ホテル、コンベンション機能の活用、補完により 交流⼈⼝を増加させ街の賑わいを創出
・4丁目、親水空間との連携・活用によりMICE におけるユニークベニューを創出
・商業空間で多種多様な交流を創発するハブ 機能を創出 ・大阪市有地を活用しMICE機能や教育機能 を強化
・魅⼒的な都心居住環境を整備し、定住人口 増、多世代の集う地区を形成
・医療施設、ホテル、住宅の相互連携によるトー タルライフサポート機能の強化
・住環境の整備に合わせてグローバルな教育を推 進する機能を誘導
計画概要
2022年12月の様子

現地の様子です。まだ開発計画の青写真すら公表されていませんが、着工前の様子を記録してきました!

計画エリアを南東側から見た様子です。電柱電線類の地中化が行われており、メチャクチャスッキリしています。

南西側から見た様子です。

計画地の真ん中付近にある南北道路の様子です。途中で東に向かって直角に曲がります。

少し前まで利用されていたコインパーキングが閉鎖されていました。

計画地を東側から見た様子です。

建替えが噂されているリーガロヤルホテルの様子です。関西の迎賓館として重責を担い、老舗ホテルとしての格式がありますが、設備の老朽化、陳腐化は如何ともしがたく、ラグジュアリーホテルとしての地位は低下しつつあります。コロナ禍で財務状況がさらに悪化し「建替えどころではない」と伝え聞きますが、今後はどうなるのでしょうか・・。

計画地の北東角に位置する「ルイシャトレ中之島 」と「NTTコミュミケーションズ 中之島ビル」は、今回の再開発には参加していません。

最後は北東側から見た計画地付近の様子です。現在は鉄道ネットワークから微妙に外れた立地で、梅田、難波、天王寺といった大阪都心部の各ターミナルへのアクセスが悪い状況ですが、なにわ筋線が開業すれば、大阪駅地下ホームまで1駅という抜群の立地に生まれ変わります。それを見越した10年スパンでの開発計画が今後検討される事になりそうです。

