西武百貨店札幌店は、地元の老舗「五番館」時代から数えて100年以上の歴史を持つ札幌で最も古いデパートでしたが、業績低迷が続いた為2009年9月末に閉館しました。札幌駅前に建つ赤レンガの洋館風の外観は横浜の西洋館を模したもので、札幌駅前地区のランドマーク的な存在でした。
2012年8月頃に、旧札幌西武跡の土地建物を大手家電量販店のヨドバシカメラが85億円で取得し、現店舗を同地に移転する計画が報道で伝えられ、再開発計画の存在が明らかになりました。その後しばらく音沙汰がありませんでしたが、2017年2月頃に札幌市が、この土地を含む街区(中央区北4西3)全体の再開発を視野にヨドバシや北海道建設会館などの地権者と共に検討会を設立、各地権者の意向をきき、2019年5月に開発準備組合が設立されました。
その後、札幌市は、2020年4月に(仮称)札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業の計画案を公表。事業計画案はA・B2案が示され、延べ約23万㎡規模の再開発ビルを想定、店舗、ホテル、オフィス、商業施設などの機能を持たせた複合ビルを検討。特にA案は、低層部が高さ約50m、高層部約240mの札幌最高の超高層ビルで、大きな話題になりました。
そして今回。2021年7月、札幌市は、ヨドバシHD等が札幌駅前に計画している大規模再開発、(仮称)札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業の環境影響評価準備書を公開、新ビルの計画概要や完成イメージがついに明らかになりました! 今回明らかになった計画概要は、地上35階、高さ:約200mで延床面積は約21万㎡です。昨年4月の発表から、超高層ビル1棟案のA案をベースにして、一回り規模が縮小した計画に落ち着きました。 駅前の超一等地でありながら、中々実現せずに都市伝説化しつつあった再開発がついに具体化しました。 【出展元】 →(仮称)札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業 環境影響評価準備書計画概要
今回明らかになった計画概要は、地上35階、高さ:約200mで延床面積は約21万㎡です。昨年4月の発表から、超高層ビル1棟案のA案をベースにして、一回り規模が縮小した計画に落ち着きました。計画名称:(仮称)札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業 所在地:北海道札幌市中央区北4条西3丁目 階数:地上35階、地下6階 高さ:約200m 構造:鉄骨造 一部 鉄骨鉄筋コンクリート造 用途:業務、商業、宿泊、駐車場等 施工区域:約1.7ha 事業区域:約1.1ha 建築面積:約9,800㎡ 延床面積:約210,200㎡ 建築主:札幌駅南口北4西3地区市街地再開発準備組合 ※代表者:ヨドバシHD 設計者: 施工者: 着工:未定 竣工:未定 開業:未定
建築物の配置図です。高さ約60mの基壇部を駅側に、高さ200mの高層部を南側にレウアウトしています。
想定歩行者導線部です。駅側の基壇部と高層部の間には敷地内を貫通する通路が設けられます。
札幌駅前から見た完成予想イメージです。高さ約60mの基壇部を駅側にレイアウト。高さ約200mの超高層棟を奥側に配置する事で圧迫感の軽減を図っています。
こちらは2019年にオープンしたヨドバシ梅田タワーと商業施設『LINKS UMEDA(リンクス ウメダ)』の様子です。札幌の計画はLINKS梅田を更に大規模化して洗練させた計画になりそうです。
基壇部の様子です。もう既視感しかありません(笑)
リンクス梅田そっくり過ぎてビックリです。ヨドバシは、梅田で構築した新業態「Links業態」を横展開し、さらなる拡大路線を突っ走る様ですね。
こちらはJRタワーから見た様子です。棟屋の形状が東京にある虎ノ門ヒルズそっくりで、こちらもビックリです。これはかなりカッコイイと思います。
最後は、札幌テレビ塔から見た様子です。他のビルを圧倒する規模なので遠近感がおかしくなっています。札幌駅周辺では、この他にも高さ約255mの北5西1・西2再開発が計画されており、札幌駅200mを超える超高層ビルが林立する超都会的な景観に変貌する事になります。
LINKS業態を横展開
ヨドバシカメラ/複合商業施設を仙台、札幌に出店|流通ニュース https://t.co/7x5NiHXCDC
— ロング@再都市化 (@saitoshika_west) November 14, 2019
ヨドバシホールディングスは2019年11月13日に、複合商業施設を3年内にも仙台、札幌にオープンすると発表しました。家電量販にとどまらない専門店を集積した複合商業施設を展開する計画で、16日に開業する「Links梅田」をベースフォーマットにした「Links業態」を横展開していく戦略の様です。
日経MJ 全国百貨店売上ランキング
1位 伊勢丹新宿本店 2,888億円(+5.4%)
2位 阪急うめだ本店 2,507億円(+4.3%)
3位 西武池袋本店 1,840億円(-0.6%)
◆ヨドバシ梅田タワー 1,700億円
4位 JR名古屋高島屋 1,627億円(+4.5%)
5位 高島屋大阪店 1,472億円(+4.1%)
6位 三越日本橋本店 1,447億円(-6.8%)
7位 高島屋横浜店 1,325億円(+0.7%)
8位 高島屋日本橋店 1,293億円(-3.7%)
9位 あべのハルカス近鉄本店 1,245億円(+5.9%)
10位 松坂屋名古屋店 1,191億円(+1.3%)
これまでの経緯
ヨドバシ札幌タワーが実現?札幌西武跡地再開発ビル、札幌市が準備組合設立へ調整。総事業費1千億円規模、地上30階以上となる可能性
2021年7月の様子
現地の様子です。2012年頃から追跡している案件ですが、いよいよ計画が具体化してきました。
JR札幌駅側から見た様子です。
北西側から見た様子です。
JRタワーから見た様子です。
最後は引き気味で見た札幌都心の様子です。
神戸阪急の建て替えの時の参考になります。
三宮に建てる場合は、低層部は阪急百貨店とヨドバシカメラ、専門店ゾーンに分ける可能性が高いです。また、神戸国際会館と一体再開発する必要がある。
中層部にオフィス、高層部はホテルを予想。
今後の三宮再開発に取り入れてほしいです。
※あくまでも予想です。
デザインが美しいです。
札幌駅JRタワーと札幌テレビ塔からの眺望写真は
自分撮影のものに合成ですか?
技術の進歩ですね。
だったら自分もいろいろやってみたいです。
これでますます名古屋的景観になりそうですね、福岡としては裏山しいかぎりです。
京橋のダイエー跡にも是非この規模感の複合施設を建設してほしい
淀屋さま
>日本二位と五位の商業施設を持つ梅田は日本一の商業地区になったのでわ。
そうかもしれません。
ただ東京でそう思っている人はほとんどいないと思います。
なんというか・・・東京にいると地方の大きな商業地区のこと見えてこないんですよね。
規模は縮小されましたけど、素敵なデザインで良かったです♪
先日のJRに続いて札幌でも200m超級の高層ビルが2棟も建ちそうですね。
此れを機に東京を除いて久しく無かった200m超級の建設機運が主要都市で高まると楽しいのですが。
ヨドバシのパワーは凄いわな。
梅田には阪急百貨店という化け物がいたから二位だが、仙台、札幌は間違いなく地域一番店だろう。まさに専門店の時代を象徴している。
化け物阪急百貨店もヨドバシの梅田出店に学び、スイーツの日本一の売場や外資系高額人気ブランドの大集積で超広域を商圏とする次世代百貨店を作り上げた。
日本二位と五位の商業施設を持つ梅田は日本一の商業地区になったのでわ。