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関西空港の長距離路線が増加中!アジア依存脱却に向け路線網の拡充が進む

関西エアポートは関西国際空港で、国際線のアジア依存から脱却するため欧米など長距離路線の誘致に取り組んでおり、徐々に長距離路線が復活しています。

特に欧州方面の路線の再開・新設が続いており、20年3月にチューリヒ線、4月にイスタンブール、6月にモスクワ線が就航する予定で、20年夏までに長距離路線の就航都市数が15から最低でも19に増加する予定です。  


 

 

 


<ヨーロッパ方面>
・ロンドン:ブリティッシュエアウェイズ(2019年4月再開)
・パリ:エールフランス航空
・アムステルダム:KLMオランダ航空
・ミュンヘン:ルフトハンザドイツ航空
・ヘルシンキ:フィンエアー
・チューリッヒ:スイスインターナショナルエアラインズ(2020年3月新規)
・モスクワ:アエロフロート・ロシア航空(2020年6月再開)

<中東方面>
・ドバイ:エミレーツ航空
・イスタンブール:ターキッシュエアラインズ(2020年4月再開)
・ドーハ:カタール航空(2020年4月再開)
・カトマンズ:ネパール航空

<北米方面>
・ロサンゼルス:日本航空
・サンフランシスコ:ユナイテッド航空
・シアトル:デルタ航空
・バンクーバー:エアカナダ

<オーストラリア方面>
・シドニー:カンタス航空
・ケアンズ:ジェットスター航空
・オークランド:ニュージーランド航空
・ヌーメア:エアカラン

※出展:関西エアポート>長距離便について

 

関空の国際線は91%がアジア



関西空港の国際線は1週間当たりの運航本数ベースで中国、韓国、台湾、香港の東アジアが76%、東南アジアを加えたアジアが91%を占めています。羽田(73%)や成田(63%)、中部国際(88%)と比べてアジア依存が特に高い状況です。2012年のにLCC専用ターミナルを開業させ、LCCのアジア路線の誘致に力を入れ、近年のインバウンド(訪日外国人)の急増につながり、現在の構成比となりました。

 

 

 

万博・IR・MICEが長距離路線の呼び水に


出典:MGM Resorts International

関西空港の長距離路線が復活しつつある要因は複数あります。

1つは2025年大阪・関西万博の開催やカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の有力候補地となっている事。特にIRが実現すると、世界第1級のMICE施設が整備され国際会議の受け入れ体勢が整います。IR事業者も世界的な国際会議の勧誘に力を注ぐ事になります。もちろん万博の開催も協力な追い風になります。MICE施設の拡充により、観光客以外のビジネス需要を増加させる事が出来ます。

2つめの要因は新世代中型機の登場です。エアバスの「A330A」やボーイング「B787」は炭素繊維複合材による機体の軽量化やエンジン性能の改善で従来の同型機より2割の燃費向上を実現し、航続距離が飛躍的に伸びた為に、従来機では採算が合わなかった空港でも採算ベースに乗せる事が可能になりました。

 

 


787等の次世代中型機の登場は、大陸間のスーパーハブ空港を超大型機で結ぶ従来の「ハブ&スポーク」戦略から、次世代中型機により直行便を飛ばす「ポイント to ポイント」戦略を有効化させ、航空業界のビジネスモデルが変わるほどの革命的なインパクトを与えています。

 

 

関空の長距離路線網の拡充は世界都市を目指す上で必須条件



東京一極集中の影響を受け、長らく長期低落傾向が続いた大阪・関西はLCCの台頭とアジア各国の経済成長に伴うインバウンド需要の爆発的な成長を上手く取り入れ、「大きな地方都市」から海外から多くの人を呼び寄せる「国際集客都市」に変貌を遂げました。最悪期を脱出し経済余力が生まれつつある状況下で、目指すステージは初期の世界都市です。

急成長している新興世界都市群には、何れも急成長しているテック企業があります。海外投資を呼び込み、次世代を担うユニコーン企業を複数創出する環境を整え経済が拡大する流れに持って行きたい所です。

IR勧誘が成功し世界第1級のMICE施設が整備され、オペレーターが世界的な国際会議やイベンドを誘致する。そこには今まで大阪が取り込めていなかったビジネス需要が生まれます。ビジネス・ファーストクラスを利用する乗客が増える事になります。そうなれば、関西空港の長距離路線はますます拡充され、大阪・関西は世界各国へのアクセスに優れた便利な都市になり、拠点を置くメリットが生まれてきます。あとは、Plusのサイクルを廻して経済規模を拡大させる方向へ持って行く・・。

 

 



関西空港の長距離路線の拡充、IR、MICE、万博。次世代を担うユニコーンの育成、交通インフラの整備。様々な施策や計画は全てリングの様に繋がっており、良い流れが出来つつある事を実感しています。

8 COMMENTS

billy

コロナクライシスで、またKIXは閑古鳥の鳴くエアポートになってしまうのでしょうか。
中国便の全便欠航を含め、アメリカのエアラインも減便を決めてます。

先行きの見えない状況で、東京2020どころでは無さそうです。

ロング

オージーさま、taka kikuさま>
ご指摘いただきましてありがとうございました。
記事本文を訂正しましたのでご確認ください。

taka kiku

オセアニア方面に誤りが多いです。
シドニーへのカンタス航空が抜けています。
また、ケアンズはジェットスター航空、オークランドはニュージーランド航空です。
訂正お願いします。

オージー

オーストラリア方面はカンタスのシドニー便が抜けてます。

淀屋

関西経済セミナーで関西再生の為、関西にスタートアップ企業輩出のエコシステムを30年までに作ろうと結論づけられた。やっと目覚めたといえる。
今年もIPOは東京が圧倒的多数で関西は中部より少なく、グランフロント効果は限定的と判明したし、相当の努力が必要なことはハッキリしている。
30年までの東京のオフィスビル再開発計画、鉄道の新線計画、空港大拡張計画や会議室、展示場の新設計画と大阪のそれを比較すると更に一極集中が加速しそうで、関西は厳しそうである。
関空の努力は素晴らしいが、経済力のアップが必要で
手っ取り早くは大阪、和歌山のIRが絶対不可欠。
和歌山IR開設までに関空の大拡張や鉄道の新線が完成していれば、東京並のオフィスビル再開発ブームが起こりそうで期待できる。その間にエコシステムが稼働していれば世界都市への道が開けると考えるが。

Anonymous

とてもタメになる記事でした
IRはカジノのデメリットばかりが注目されますが、
それ以上にMICEのメリットにも目を向けてほしいですね

三刀流

新型コロナウイルスの感染拡大で、中国依存の危うさが現実になりましたね。中国、韓国便の減便で関空は脱東アジア依存が進むことになるでしょう。
欧米、中東便の路線開拓で関空の武器の一つは24時間開港です。時差を気にせず、相手国の時間に合わせたダイヤ運営ができます。そのためにも、バスや電車などアクセス路線を深夜運転させ、大阪を眠らない都市にする必要があります。大阪メトロの終電2時間延長は実験だけでなく、本格運営を期待します。

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