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クボタが堺市に新研究開発拠点を建設!農機メーカーからAgritech(アグリテック)へ脱皮を図る



クボタは大阪市浪速区に本社を置く世界有数の農業機械メーカーで2019年12月期の連結売上高は1兆9,200億円、営業利益が2,016億円に達する大企業です。また、世界120カ国以上で事業展開しているグローバル企業で「機械」「水・環境」「その他」の3事業セグメント区分にわたって多種多様な製品・サービスを提供しています。

 

 

 


計画地に隣接する海とふれあい広場

そのクボタが大阪府堺市に大規模な新研究開発拠点を建設します。計画地は、同社が2018年に取得した堺市堺区のシャープ所有地約33万㎡の敷地で、建物規模は延べ14万㎡超。2020年9月初旬に建設工事に着手し、2022年7月下旬の竣工を目指しています。投資額は約700億円です。

【出展元】
堺市に農業機械・建設機械等の研究開発拠点を新設
クボタのスマート農業

 

 



新研究開発拠点の概要
名称:未定
所在地:大阪府堺市堺区
敷地面積:約330,000㎡
建屋面積:延べ140,000㎡
開発内容:農業機械・建設機械等の製品開発 および先端技術開発
着工:2020年9月初旬(予定)
竣工:2022年7月(予定)

 

クボタの置かれた状況

 


出展:クボタのスマート農業

農機販売の世界首位は米ディア社、2位はオランダのCNHインダストリアル、3位がクボタで、同社の海外事業の売上比率は60%に達しています。欧州勢は農機のGPS制御で先行するなど、次世代農機をめぐる海外農機メーカーとの競争は激しくなっています。

一方、農林水産省によると日本の農機価格は米国に比べ1~3割高く割高な状況です。近年はJA全農が競争入札を実施するなど価格引き下げ圧力が強まっており、同社にとって安定した収益基盤だった国内事業の利益率が低下する恐れがあります。

また、国内就農者の平均年齢は、およそ67歳に到達し、2000年に230万戸だった販売農家は、2015年には130万戸まで激減、今後10年でさらに半減する見通しです。それに伴って離農農家から委託される農地や休耕地解消の問題のため、経験の浅い担い手や営農集団が占める農地の割合は大きく増加しています。大規模で点在した圃場の適切な管理、収量・品質の向上、コストと労働負荷の低減、生産品の高付加価値化など、多様な課題を抱える農家の支援が急務です。

これらの状況を踏まえ、クボタはICTやIoTといったテクノロジーを農業に取り入れた「スマート農業」に対応した付加価値が高い次世代農機にシフトしつつ、欧米市場でシェア拡大を目指す方針を打ち出しました。

 

 

「スマート農業」とは?


出展:クボタのスマート農業

ICT、ロボット技術を活用して超省力・高品質生産を実現する新たな農業です。クボタは「農機自動化による超省力化」と「データ活用による精密化」を主軸に据えて、スマート農業の実現に向けた取り組みを行っています。

 

1・農機自動化による超省力化


出展:クボタのスマート農業

 

クボタは直進キープ機能を内蔵した田植機、オートステアリング対応のトラクタなど自動運転・無人化農機を販売しており、将来的には遠隔監視のもとに農道を走行して、複数の圃場での無人作業を実現目指しています。

 

2・データ活用による精密化



作業進捗・栽培管理や作物情報を機械と連動し収集・分析し、経営に役立てるクラウド型営農支援サービス「KSAS」を展開中で2014年より販売を開始し、6,000軒を超える農家が利用しています。「KSAS」では、インターネットの地図情報を活用して圃場管理や作業記録を簡単に行ったり、どの作付にいくらぐらいの資材費が必要か?などのシュミレーションが可能でデータに基づいた事業計画立案が可能になります。

 

 

新研究開発拠点の狙い

 


出典:KUBOTA Engine (Thailand)

大阪府堺市に建設する新研究開発拠点は、クボタが進める「スマート農業」を実現する為のグローバル研究開発体制の中核となる施設です。新研究開発拠点は、国内の研究開発部門の機能を集約し、開発効率の向上や基幹・先端技術の開発を強化。農機の試験運転ができる農場を併設し開発効率の向上・期間短縮・機種拡大などを推進、開発機種の増加や大型化に対応します。

また、農業機械・建設機械などの製品開発やIoT・ICT技術の組込、海外拠点へ供給する基幹部品の開発など、全世界の研究開発をコントロールする中核として運用されます。

 

農機メーカーから「農業テック企業」へ



テクノロジーの進化により農業分野にも変革の波が押し寄せています。ICT、IoT技術を用いた自動運転農機具やクラウドを介した農機具との連携・協調、ビッグデータを活用した事業計画の立案など、従来のアナログなイメージとはかけ離れた、農業の姿がそこにあります。

クボタはこれらの変革の波にいち早く対応する事で、グローバルプレーヤーとしての存在感を高め、さらなる成長を目指しています。堺市に建設する「新研究開発拠点」はクボタの中核として非常に重要な役割を担うことになり、同社は「農機メーカー」から「農業テック企業」Agritech(アグリテック)に生まれ変わろうとしています。

2 COMMENTS

ぽり

農機具というよりバブル期は、インフラ企業のイメージが強かったですね。住宅部門はサンヨーホームズに売却、建材部門の主力(枚方事業所管轄)Gコラム、 Gパイルは競合台頭により予約受注を除いて2015年撤退。Gコラムは地下鉄玉出駅に日本で最初に採用され、日比谷線銀座駅など当時の営団で多く採用され、新幹線新大阪-の柱 → https://www.kubota.co.jp/rd/evolution/materials/detail/img/img_1950_01.jpg
今は亡き足立宝石店の柱や旧IBM大阪ビルの柱、南海難波駅ホームの柱に採用されています。クボタ撤退により大阪の地下駅工事が急遽他メーカー部材に変更されました。
まだ競合社が少ない方面に特化するのは流れでしょうね。ドラマ下町ロケットの自動運転トラクターを提供していましたが、悪天候でもびくともしない事もウリでした。2018年の台風ではsharpさん。中の人は被害が無かったようにつぶやいておられましたが、霧状の塩分で、サイネージなどの受注品は作り直しだったようです。農機具は悪天候が付き物ですので、屋内で待避運転が出来れば、事故が防げますね。

大阪淀屋

クボタは一時期貿易関係を東京本社に本部を移したが、撤退して大阪本社に集約した、希有な会社。
ダイキン、住友電工、クボタは大阪に本部機能を置き、海外売り上げが国内より多い高収益会社。大阪企業のあるべき姿を示している。
クボタは今回の新研究開発施設建設で更なる飛躍が期待できるのは嬉しい。

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