ヨドバシホールディングスは、2023年5月16日付けのニュースリリースで、2023年6月2日(金)に「ヨドバシカメラ マルチメディア仙台」を、JR仙台駅東口に同社が新築した「ヨドバシ仙台第1ビル」に移転オープンすると発表しました!仙台店は、既存店舗から移転し増床。総売場面積約22,000㎡(約6,654坪)、家電量販店として東北最大級の店舗となります。
【出展元】
→ヨドバシホールディングス>ヨドバシ仙台第1ビル開業 「ヨドバシカメラ マルチメディア仙台」 2023年6月2日(金)OPEN
東北最大級の家電量販店
「ヨドバシカメラ マルチメディア仙台」は、新ビルの2階から4階に展開し、売場面積が既存店舗の約1.5倍m、22,000㎡(約6,654坪)となります。5階には、ユニクロ、GU、ABC-MART、モーリーファンタジーといった人気のテナント11店舗がオープン。1階と6階の一部には人気の高い飲食店を集積し、幅広いシーンで利用できる飲食店街の設置を計画。※1階と6階の一部の飲食店は7月末開業予定
また、3階の歩行者用デッキで繋がる「ヨドバシ仙台第2ビル」は、今後1~4階をリニューアル予定。グループ傘下の「石井スポーツ仙台店」が近日中に1階に移動してリニューアルオープン。「アートスポーツ」も併設し、幅広くスポーツ用品を取り揃えます。
BCPに対応する駅直結の賃貸オフィス
9階から12階の4フロアが総貸室面積9,896㎡を有する賃貸オフィス。新ビルは制震構造で災害時でも電力供給を可能にする非常用発電も装備するなどBCPにも対応。各フロアは床下100mmのフリーアクセスフロアと2,800mmと開放感のある天井高となっており、仙台駅直結のオフィス専用エントランスからは、雨に濡れずにオフィスに入る事ができます。
ウォーカブル構想に叶った歩行者動線の改善
再開発の取り組みとして、企業版ふるさと納税の制度を活用し『仙台駅東口駅前広場、ペデストリアンデッキの整備、拡張』『高速バス発着場(バスベイ)の整備』『ウォーカブル構想に叶った歩行者動線の改善』 『東七番丁通りへのエスカレータの設置』など、地域の更なる活性化に貢献するインフラ整備が行われました。
1階に高速バスターミナルを整備
1階には、待合室、バスベイといった高速バスターミナルを整備。新しいバスターミナルは、デジタルサイネージを駆使し、バスの運行情報やターミナルの管理に必要な情報だけでなく、仙台市の観光情報や地元コンテンツのPR表示を実施。仙台観光国際協会の提供する情報を通じて、バス利用者、旅行者、通行する方々に仙台市の魅力を積極的に発信し、地元地域とつながりながら、賑わいや活性化につなげてゆきます。
周辺の駐車場を含め約1,600台の駐車場を用意
周辺の駐車場を含め約1,600台の駐車場を用意。EV充電サービス、レンタサイクル、カーシェアサービス、駐車位置の記録サービスを用意。ヨドバシのクレジットカード「ゴールドポイントカード・プラス」のユーザーは、駐車場の利用が1時間まで無料となります。
これまでの経緯
ヨドバシ仙台第1ビルは、JR仙台駅東口にあった、旧:ヨドバシカメラメディア仙台跡地に建設中の、商業施設、駐車場からなる地上12階、地下1階、高さ54.20m(最高56.20m)、延床面積:74,670.45㎡の大型複合商業施設です。建築主は、ヨドバシホールディングス、設計・施工は鹿島建設が担当。2021年11月に着工し、2023年4月末に竣工する予定です。
【出展元】→ヨドバシHD>ヨドバシ仙台第1ビル開発計画 事業計画が決定いたしました
→国土交通省>仙台駅東口地区に魅力や賑わいを創出する都市空間を形成
→河北新報>ヨドバシ仙台新ビル、23年4月末開業へ 12階建て、飲食や衣料品店も
ヨドバシHDは、2012年3月に竣工した1期工事である『ヨドバシ仙台第2ビル』の開業以降、2期計画の開発構想を継続検討してきました。当初の計画では、音楽ホール「Zepp Sendai(ゼップ仙台)」を併設し、東急ホテルズが運営する「エクセルホテル」(約300室)を加えた、地上20階建て、延べ床面積:約12万8800㎡の高層ビルが計画されていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて計画が大幅に見直されました。
仙台市は、2019年7月に「都心再構築プロジェクト」を始動し、2020年9月に当該計画地が「特定都市再生緊急整備地域」として国の指定を受けるなど、都市開発の機運醸成が図られてきた事から、ヨドバシHDは開発を進めるタイミングであると判断し、2021年1月26日に事業化決定を発表しました。
その後、2021年9月28日に地鎮祭を執り行い、2021年11月に本体工事に着手。2021年11月26日には、国土交通省が(仮称)ヨドバシ仙台第1ビル計画整備事業を、優良な民間都市再生事業計画として認定し、金融支援や税制上の特例措置等の支援が受けられる事になりました。現在は2023年4月末の竣工を目指して工事は終盤線を迎えています。「マルチメディア館」形態を確立した仙台店跡地を再開発
ヨドバシ仙台第1ビルの計画地は、かつてヨドバシカメラの「マルチメディア」店舗1号店「ヨドバシカメラ・マルチメディア仙台」があった場所で、現在まで続く家電量販店戦争の歴史的転換点となった場所です。
ヨドバシカメラは、1997年に仙台駅東口に「マルチメディア仙台」をオープンさせ、巨大店舗運営のノウハウを獲得、現在に繋がるマルチメディア館の業態を確立しました。レールサイドに巨大店舗を建設し、最高の立地に圧倒的な品揃え、ポイント還元による顧客の囲みをはかるヨドバシカメラの「マルチメディア館」形態のプロトタイプとなったのが仙台店なのです。
その後に大阪駅前にオープンした「マルチメディア梅田」は、仙台が築き上げた「マルチメディア館」の業態を昇華させ、その後に全国に展開するヨドバシカメラ・マルチメディア館のフォーマットになりました。
マルチメディア館のフォーマットを横展開したのが「京都ヨドバシ」です。梅田店のデザインを踏襲しつつ、京都の街並みに溶け込む様なファザードデザインとなっています。最近のヨドバシカメラの外壁に見られる「格子状」の外壁看板は、この京都店から始まり、梅田店、秋葉原店へと広がって行きました。
そして現在。現在のヨドバシカメラの繁栄のターニングポイントになったと言える「ヨドバシカメラ・マルチメディア仙台」が、梅田店のフォーマットで再構築される事はなんとも感慨深いものがあります。ある意味里帰りと言えるのではなでしょうか。
過去記事
計画概要
名称:ヨドバシ仙台第1ビル
計画名称:ヨドバシ仙台第1ビル開発計画
所在地:宮城県仙台市宮城野区榴岡1丁目3-1
交通:JR仙台駅 徒歩1分
階数:地上12階、塔屋1階、地下1階
高さ:54.20m(最高:56.20m)
構造:鉄骨造
基礎工法:直接基礎
主用途:百貨店(オフィス、駐車場、家電量販店、物販・飲食店他)
敷地面積:15,432.59㎡
建築面積:8,117.71㎡(全体:10,148.90㎡)
延床面積:74,670.45㎡(全体:90,543.10㎡)
建築主:ヨドバシホールディングス
設計者:鹿島建設
施工者:鹿島建設
着工:2021年11月 ※地鎮祭:2021年9月29日
竣工:2023年04月(予定)
開業:2023年06月2日
2023年1月の様子
現地の様子です。前回の撮影が2016年10月だったので、約6年3ヶ月振りの取材です。
仙台駅東口から見た様子です。ビルの外装が姿を現し始めており、ヨドバシ梅田の様なデザインが確認できました!
仙台駅東西自由通路から直結するペデストリアンデッキの様子です。新ビルの建設にあわせて、東口のデッキが拡張される様子です。
撮影ポイントを変えて北東側から見た様子です。
南東側から見た様子です。
少し離れて仙台駅とヨドバシ仙台第1ビルの並びです。駅に直結している事がよく解ります。
最後は更に撮影ポイントを変えて、仙台トラストシティに入居するウェスティンホテル仙台から見た現地付近の様子です。
かなり以前から計画が持ち上がりつつも、中々着工されないままだった「ヨドバシ仙台第1ビル開発計画」。実際に出来上がりつつある建物を見ると「ようやくここまで来たか」という気持ちになりました。新ビルは、2023年4月の竣工を目指して、いよいよ工事も終盤線に突入しました。
いつも楽しみに拝見させて頂いております。
早速、仙台のニュースを記事にしていただいて嬉しいです!
以前の情報から規模は小さめでも梅田のリンクスみたいになるのかなと思っていたのですが、ホテルと音楽ホールの見直しはコロナの影響もあるのですかね。
一方で、オフィスフロアがあるのは第二ビル(現ヨドバシ)のオフィステナントがなかなか決まらなかったことを考えると意外でした!
今はいよいよ建設ということで続報を待ちたいと思います。
関連して、確か第二ビルは第一ビル建設までの仮移転先だったので、ヨドバシ移転後のフロアが専門店フロアになるのか、西口・一番町エリアの再開発を促すテナント移転があるのかも気になるところです。