奈良県橿原市にある県立医科大学が、キャンパスの手狭さを解消し、教育・研究環境を充実させるために、2025年4月に新キャンパス『畝傍山キャンパス』を開設します。これに伴い、大学周辺では新駅の設置やアリーナ建設など、地域の再開発計画も進行中で、医大付近が様変わりしそうです。
教育・研究の拠点となる新キャンパス
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奈良県立医科大学は、橿原市内の県農業研究開発センター跡地(約11ヘクタール)に新キャンパスを建設しました。建物は日本初の本格的な都城「藤原京」をモチーフにデザインされており、医学科の1年生、看護学科の学生、大学院生が学ぶことになります。すでに講堂や図書館、講義棟、実験・実習施設、グラウンドなどが整備されており、今後は大学本部や研究部門が入る建物も建設予定です。
学長は「新キャンパスの開設は優秀な人材を集め、育成する重要な機会」と語り、教育・研究のさらなる発展を目指しています。また、スポーツ施設を地域のイベントなどに活用する構想もあります。
付属病院を中心に医療・臨床研究を強化
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既存のキャンパスには付属病院を残し、新たな病棟の建設を含めた医療・臨床研究の強化が図られます。これにより、より高度な医療提供と臨床研究の推進が期待されています。
新駅・アリーナ建設でエリア再開発も進行
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新キャンパスの開設に伴い、医科大学を核としたまちづくりが進められています。現在のキャンパス南側には、新たに近鉄橿原線の駅が設置される予定で、2030年度中の供用開始を目標に整備計画が進行中です。
さらに、新駅西側には、県が5000席規模の新アリーナを建設する計画を発表しました。スポーツや音楽イベントなど多目的用途で使用可能な設計で、関連施設の整備費用などを合わせた事業費は約200億円を想定しています。2031年の国民スポーツ大会の開会式で使用を見込んでおり、2030年度中の完成を目指しています。また、新駅東側では県有地を活用した病院駐車場の整備が協議されており、新キャンパス南側では民間による土地活用が検討されています。
橿原市長は「新駅やアリーナの建設により、新たなにぎわい拠点となる」と期待を寄せており、市としても積極的に整備を支援していく方針です。
2025年2月の様子
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現地の様子です。前回の取材が2024年5月だったので、約9ヶ月ぶりの取材です。
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奈良県立医科大学『畝傍山キャンパス』は2025年2月13日に竣工式が執り行われました。4月に開設する予定です。
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真正面から見た様子です。大学のキャンパスとは思えない、和風な建物ですね。
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「実習研究棟」の様子です。
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「講義棟」の様子です。
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南東側から見た様子です。手前の空き地は、2期開発のためのリザーブスペースです。
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「講義棟」を近くで見た様子です。美術館や図書館の様な雰囲気があります。
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新キャンパスの中心にある「集いの前庭」の様子です。
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「講堂図書棟」の様子です。
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「憩いの広場」の様子です。
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敷地北側にある「グラウンド」の様子です。
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ついに完成した奈良県立医科大学『畝傍山キャンパス』。これまでの老朽化した建物からすると、別世界に来たような変貌ぶりで本当に驚きました。現地には2期開発のスペースがあるので今後の発展が楽しみですね。さらに、従来の医大病院の再構築も行われるので、病院利用者も、これから大きな変化を体感する事になりそうです。
これまでの経緯