関西・伊丹・神戸の2017年(暦年)旅客数の合計が過去最高を記録!関西3空港の合計は4,662万人!



関西空港・伊丹空港・神戸空港の関西3空港、それぞれの2017年(暦年集計)の旅客数が発表になりました。関西エアポートと神戸市の発表によると、関西3空港の年間旅客数は、過去最高となる46,625,525となりました

 

【出典】
→関西エアポート:関西国際空港 大阪国際空港 2017年(平成29 年)12月利用状況(速報値)
→神戸新聞:神戸空港の17年旅客数 過去最多304万人に

 

 

関西空港

 

関西国際空港の旅客数は2,798万人で着地しました。特筆すべき点は、はやり国際線の伸び。国際線旅客数はなんと2,000万人を突破し、2,113万人となりました。内訳を見ると、外国人旅客が1,431万人(前年比118%)と非常に高い伸びを示しており、日本人旅客数661万人(同104%)を人数、増加率の両方で圧倒しています。一方、国内線は684万人(同106%)と増加傾向にあるものの、国際線の2,113万人に比べると物足りない数字です。

これらの結果を見ると、関空の利用実態が数字から見えてきます。一番多い旅客は国際線の外国人旅客、国内線利用客が国際線の32%しかいない、通過旅客が少ないことから、関空が外国人旅客の最終目的地として成長しており、際内、際際乗り継ぎハブにはなっていない事が解ります。LCCの乗り入れが多い、人気の観光地に近い国際空港という位置づけでですね。ちなみに航空機の発着回数は185,174(105%)で20万回に近づきつつあります。


国際線:
21,134,457人(113%)
 日本人旅客:6,618,091人(104%)
 外国人旅客:14,315,556人(118%)
 通過旅客: 200,810(95%)

内線:6,848,636人(106%)

暦年合計:27,983,093人(111%)

 

伊丹空港

伊丹空港の年間旅客数は約1,560万人、前年比105%で着地しました。航空機の発着回数は138,448(99)でほぼ横ばいです。関空の旅客数が約2,800万人に達する状況で、伊丹の利用客も約1560万人もいる事に、改めて驚きました。

暦年合計:15,597,777/(105%)

 

神戸空港

神戸空港の2017年の旅客数は前年比15.3%増の3,044,655人と、2006年の開港以来最多となりました。便数の7割を占めるスカイマークの回復が大きな要因で、搭乗率も高水準をキープしています。

暦年合計:3,044,655人/(15.3%)

 


それにしても、関西3空港の年間旅客数が4,662万人を突破するとは・・・。現在の状況が如何に凄い状態なのかは、過去のデータと比較すると一目瞭然です。2017年度が終了していない為、17年だけ暦年実績での比較となりますが、2008年度の近畿圏の総旅客数は3,304万人でした。そこから5年後の2013年度は3,457万人。5年間で4.6%しか旅客数は増えず、低い成長率だった事が解ります。そして今年2017年の実績は4,662万人。2013年から4年間の成長率は34.8%の増加でした。「潮目が変わった」と言う言葉がピッタリの変貌ぶりですね。

 
【2017年(暦年)航空旅客数】
関西:2,798万人(国際線:2,113万人、国内線:684万人)
伊丹:1,560万人
神戸:304万人
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近畿圏合計:4,662

2013年度航空旅客数】

関西:1,812万人(国際線:1,205万人、国内線:607万人)

伊丹:1,410万人

神戸:235万人

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近畿圏合計:3,457万人


2008年度航空旅客数】

関西:1,509万人(国際線:987万人、国内線:521万人)

伊丹:1,538万人

神戸:257万人

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近畿圏合計:3,304万人


 



インバウンド需要を受け、順調に旅客数を増やし続ける関西3空港。特に関西空港の成長振りは本当に凄いです。来年は、いよいよ3,000万人/年の大台に乗るのではないでしょうか。また、3空港を合わせた総旅客数が5,000万人を超える日も遠くないでしょう。

関西空港が開港する前に1つの神話がありました。それは「関空が開港すれば大阪の町に外国人が溢れかえり、一気に国際化が進む」というモノでした。しかし、実際はそうはならず、成田空港に二本目の滑走路が出来ると同時に関空の長期低迷が始まります。そして現在。開港前に「神話」として語られていた状況が、現実のモノとなりました。大阪の街は外国人観光客でごった返しています。それに伴い塩漬けになっていた様々なプロジェクトが動き始めました。

日本は自ら根本的な変革をする事は出来ず「外圧」でしか変わる事が出来ない、と僕は思っています。日本と大阪は「インバウンド」という世界的な構造変化に伴う「外圧」によって、否応なしに大きな変化を遂げようとしています。この流れは一過性ではなく、これから更に加速する事になるでしょう。