近鉄23000系電車は、近畿日本鉄道の特急形車両。志摩スペイン村への大阪・名古屋方面からのアクセス輸送用として、1994年3月に投入された観光特急です。愛称は「伊勢志摩ライナー」。1993年から1995年にかけて6両編成6本(36両)が製造されました。1994年にブルネル賞(奨励賞)を受賞。
伊勢志摩ライナーの開発コンセプト
伊勢志摩ライナーは、近鉄が開発を進めてきたリゾート地、伊勢志摩のシンボルとなる特急を目指し、下記の開発コンセプトで開発されました。車両デザインは、近鉄、近畿車輛デザイン室、手銭正道氏、山内陸平氏のデザインチームが手がけました。
• ビスタカーやさくらライナーのように観光地への旅を演出する車両
• リゾート地へのグループ旅客に適した車両
• アーバンライナーや22000系の近代性と高品質デザインを備えた車両
• 近鉄らしさを残して新たな魅力をもった車両
• スピードアップに対応し、最高130km/hでの営業運転ができる車両
外観・車体構造・多彩な客室設備
先頭形状は、21000系(アーバンライナー)のイメージを受け継いだラウンドスタイルとクサビ形を組合わせた流線形。フロントガラスは運転席後方のパノラマデッキの乗客の眺望性を考慮して上辺を拡大し、大型曲面ガラスの2枚構成となっています。車体断面と構造は22000系「ACE」とほぼ同様となっています。また乗降ドアーはは22000系と同様の案内レール式のプラグドアを採用しました。
伊勢志摩ライナーの車内設備。先頭車1両がデラックスカー、続いてセミコンパートメントのサロンカー、隣接する車両にカフェテラス、その他はレギュラーカーの構成となっている
伊勢神宮の式年遷宮にあわせたリニューアルの実施
伊勢志摩ライナーも初期車の製造から約18年が経過し車体更新時期を迎える頃、2013年10月に執り行われた伊勢神宮の第62回式年遷宮に合わせて更新工事(リニューアル)が実施されました。2012年から内外装のリニューアルを高安検修センターで行われ、同年8月に最初の編成が出場、2013年7月に全車両の車体更新が完了しています。
外観は、伊勢志摩の太陽と陽射しを表現するため、6編成のうち、3編成(末尾番号が奇数の編成)がサンシャインレッド塗装(赤色:太陽のイメージ)、残りの3編成がサンシャインイエロー塗装(黄色:陽射しのイメージ)となりました。赤色編成のカラーベルトはアクアブルー、黄色編成はコスメオレンジ。
こちらはリニューアルによって誕生したサンシャインレッドの編成です。通称は伊勢海老。
伊勢志摩ライナーの外観上の大きな特徴が、このサロンカーの大型窓。
新たにデザインされたロゴマーク。かっこいいですね。
車体側面のロゴマークの様子です。
サンシャインレッドの伊勢志摩ライナーの様子です。
鶴橋駅に停車中の伊勢志摩ライナーの様子です。
大規模なリニューアルにより一気にサービスレベルが高まった伊勢志摩ライナー。ベースデザインが洗練されている事もあり、全く古さを感じさせない素晴らしい車両だと思います。次回は、車内設備の様子をレポートしたいと思います。
近鉄の車両デザインは素晴らしいです
流行り廃りに左右されないデザインなのが、古さを感じさせないのでしょうね。私自身はアーバンライナーよりも好きな特急車両です。