広島市は2020年9月3日に、再整備が行われる広島駅南口広場のレイアウトを発表しました。広島駅南口広場は、JR西日本が実施している駅ビルの建替えと連携し、路面電車を駅ビルの2階レベルへ高架で進入させる駅前大橋ルートを新設し、それによって生まれる空間を活かして、駅周辺に点在するバスの乗降場を集約するなどの広場の再整備が行われます。
【出展元】
→【広島駅南口広場の再整備等】南口広場のレイアウトについて
→広島駅南口広場の再整備等における魅力的な駅前空間の創出について
→JR西日本>広島駅ビルの建替え計画について
2階:レイアウト図
公開されたレイアウト図です。2階レベルにペデストリアンデッキが整備され、JR広島駅橋上駅舎と周辺の再開発ビル群がフラットな歩行者導線を形成、南口広場を中心に広島駅南口Aブロック・Bブロック・Cブロック、及び日本郵便の新ビル方面が駅自由通路とつながります。
最大の見せ場は新駅ビルに取り込まれた路面電車の電停です。駅ビルの2階に食い込んだレイアウトになっており、JR広島駅の橋上駅舎とフラットな導線で接続され、双方の接続がメチャクチャ楽になります。広島の様な100万都市で、市内交通の拠点駅と新幹線・在来線駅がここまで近接している例は他にありません。路面電車のメリットを最大化したレイアウトと言えます。
広島駅電停の完成予想パースです。駅ビルの前面にゲート性を演出する大屋根を設置し、「世界に誇れる『まち』広 島」の陸の玄関にふさわしいシンボリックな空間を創出。大屋根は世界から人々を迎えるために広げた両手や、広島から世界へ羽 ばたく翼を表現した「反り」のデザインが取り入れられます。
広島駅ビル内部に取り込まれた電停の様子です。大屋根などの構造物には、世界恒久平和を願う人々の思いが込められた折鶴をイメージした「折り」のデザインや、平和を象徴する色でもある「白系」の色彩を取 り入れ、新幹線口ペデストリアンデッキや広島駅自由通路と空間イメージの統一をが図られます。
ターミナルビルに都市モノレール駅を取り込んだ小倉駅。路面電車の電停を取り込む広島駅とイメージが重なります。
1階:レイアウト図
1階のレイアウト図です。バスロータリーとタクシープールの半分ほどが駅ビル1階に取り込まれています。2階の路面電車の電停とは上下移動で接続され素早い乗り換えが可能です。バスエリアは現状15バースが22バースに、タクシーエリアは現状維持の乗車場3台、降車場4台、プール63台となります。
地下:レイアウト図
地下階のレイアウトはこんな感じです。
駅前大橋ルートを新設し都心とのアクセスを短縮
新駅ビル建設に伴い、駅前大橋ルートが新設され、広島駅と都心とのアクセス時間が短縮されます。
また、既存路線を活用して市内中心部を環状で結ぶ路面電車の循環ルートを整備し、沿線地域の利便性の確保や賑わいの創出がはかられます。
駅前大橋ルート及び循環ルートは、新駅ビルの開業と同時期の2025年春の開業を目指し、バス、タクシー、マイカーの各エリアの再整備については、駅前大橋ルート開業後に既存電停や軌道の撤去などを行い、できるだけ早期の完成を目指す計画です。