
JR西日本は2019年3月15日付けのニュースリリースで、広島駅ビルの建て替え計画の概要を発表しました!完成イメージパースを見ると「広島ステーションシティ」と呼びたくなる凄い計画で、中国地方最大の中枢都市「広島市」の陸の玄関にふさわしい姿が描かれています。
かねてより、JR西日本、JR西日本不動産開発および中国SC開発、ジェイアール西日本ホテル開発は、2014年9月に広島市が策定した「広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針」に基づいて、広島駅ビルの建替えを検討してきました。新駅ビル計画にともない、1965年の開業以来、50年以上が経過している広島駅ビル「ASSE(アッセ)」が2020年3月末に閉館、同年4月から建て替え工事に着手、2025年春に開業する予定で工事が進められています。
出典:広島駅ビルの建替え計画について
※広島ステーションシティ(仮称)は記事作成の便宜上付けた仮称であり、正式名称ではありません。
建物概要
所在地:広島県広島市南区松原町2番37他
建築面積約:14,000㎡
延床面積約:111,000㎡
構造、規模:鉄骨造、地上20階・地下1階、高さ約100m
用途:商業・ホテル・駐車場
スケジュール
2020年3月末:現駅ビル閉館
2020年4月:駅ビル建替え工事着手
2025年春:新駅ビル開業予定
新広島駅ビルは、まるで「広島ステーションシティ」

新駅ビルは、広島・瀬戸内の玄関にふさわしく、広島に新たな賑わいや交流、感動を創出する施設となることを目指し、商業・ホテル・駐車場等で構成されたの延べ床面積約11.1万㎡の大型ビルとなります。ホテルはJR西日本の新ブランド「ヴィスキオ」が進出します。
<商業>
店舗面積約25,000平方メートルのショッピングセンターおよびシネマコンプレックスを計画。屋上などの広場を活用して賑わいや交流、憩いの場を創出する。運営は、ショッピングセンターは中国SC開発、、シネマコンプレックスは松竹マルチプレックスシアターズを予定。
<ホテル>
駅ビル高層階に、JR西日本ホテルズの新規ブランド「ホテルヴィスキオ」(400室規模)を計画。駅北のホテルグランヴィア広島とあわせ、国内外から訪れる方々の多様なニーズに対応する。ホテルの事業主体はジェイアール西日本ホテル開発、運営はホテルグランヴィア広島。
<駐車場>
駅ビル直結駐車場(約500台)に加えて、駅北西に別棟駐車場(約400台)を計画。
最大の見どころは広島市電の駅ビル内部への乗り入れ!

広島駅ビルの最大の見どころは、駅ビル2階大空間への広島電鉄の乗り入れです。これにより広島駅中央口改札や新幹線口改札から段差なくフラットに繋がり、駅と歩行者空間、商業施設が一体となった魅力的な空間が創出されます。

小倉ターミナルビル内部から発車するモノレール
駅ビル内部への市内交通の乗り入れといえば北九州市の小倉ターミナルビル。上の写真は小倉駅の様子ですが、広島駅ビルもこのような感じで路面電車が駅ビル2Fに乗り入れます。こちらは高架下に乗り入れている富山地方鉄道市内電車の様子です。広島駅ビルはこれを大規模にした感じになります。小倉+富山=新広島駅ビル、といったところでしょうか。
広島新駅ビルの広場デザイン決定!

新駅ビルは、広島・せとうちの玄関にふさわしい、広島に新たな賑わいや交流、感動を創出する施 設となることを目指しています。特に、路面電車が乗り入れる2階広場や屋上広場は、広島を訪れる方々には玄関口としての広島らしさが感じられ、地域の方々には賑わいや親しみを感じら れる象徴的な広場を目指します。 そのため、広島出身の建築家が率い、国内外の幅広い分野で活躍している「SUPPOSE DESIGN OFFICE Co., Ltd.」を広場デザインの監修者とし、せとうちの穏やかな気候や、河川と共に発展した広島の 風景をデザインに取り入れていくことによって、より広島らしさが感じられ、賑わいの核となる広場を実現していきます。
【出展元】
→広島新駅ビルの広場デザイン決定について

2階広場は、駅ビルに路面電車が乗り入れJR広島駅と繋がる最も象徴的な場所となります。大きなガラス面から太陽の光が降り注ぎ、川の水面がゆらめく商業施設の壁面や、水辺にせり出す雁をイメージした3階テラスなどが、穏やかな水辺空間を表現します。 また商業施設の賑わいが広場に広がることで、一体的な空間として賑わいある広場が演出されます。

屋上広場は7階から9階まで重層的につながり、広島を訪れる方々や地域の方々に、賑わいや交流、憩いなど様々なシーンで利用できる空間となります。穏やかな広島の風景をアースカラ ーで表現し、7階屋上広場には雁木のような大階段を設け、路面電車駅前大橋ルートの直上のロケーションから路面電車や広島の街を眺めたり、屋外イベントや憩いの場として利用できる空間となります。
他の中枢都市に負けない表玄関が広島の都市力を向上させる!

札幌・仙台・広島・福岡の4都市は東名阪に次ぐ「中枢都市」と位置づけられる大都市です。先に中央駅の改良が行われた、札幌、福岡、仙台に続き、広島駅も大改良される事になりました。広島駅ビルの建て替えは札仙広福の中では最後になりましたが、待ちに待った甲斐がある、魅力的な計画になったと思います。新幹線→路面電車へのフラットな導線での乗り換えにより、市内中心部へのアクセスも大きく改良されます。新広島駅ビルは広島都心部の魅力UPに大きく貢献すると思います。
2023年1月の様子

現地の様子です。年末に宮島観光に行くために広島に宿泊し、隙間時間を使って建設中の新駅ビルを撮りまくってきました!

南西側から見た広島新駅ビルの様子です。こちら側は低層部に商業施設、高層部にはホテルが入居します。東西方向に向けた横長の駅ビルから、京都駅ビルや大阪ステーションシティ・ノースゲートビルディングに似た雰囲気を感じました。

南東側から見た様子です。こちら側は低層部に商業施設、高層部にシネコンが入居します。

東側から見上げた様子です。間近で見ると駅ビルの巨大さが実感出来ました。

撮影ポイントを変えて、シェラトングランドホテル広島から見た、広島新駅ビルの様子です。ビルの東側(写真左)は棟上げしています。真ん中の窪んだ部分は吹き抜けの大空間が設けられ、階に路面電車が直接乗り入れる計画です。

真ん中の路面電車の電停付近のアップです。広島新駅ビルへの乗り入れについては、後日、別記事で詳しくご紹介したいと思います。

新駅ビルの西側のアップです。ホテル部分の構築が始まっていました。ホテル部分は、高さ約100mの超高層ビルになります。

さらに撮影ポイントを変えて、新幹線ホームの屋上にある駐車場から見た様子です。非常階段が「アウディ」のフロントグリル「ハニカムメッシュ」の様に見えました。

北西側から見た様子です。

最後は引き気味で見た周辺の様子です。広島駅前は再開発が進み、超高層ビルが林立する様になりました。中国四国地方最大の中枢都市としての面目躍如の壮観な眺めです。



