和歌山県高野町は、設計と施工を一括して発注するDB(デザインビルド)方式を採用して、こども園、小学校、中学校の教育施設を集約・複合化する『高野町学びの交流拠点整備事業』の公募型プロポーザルを行い、松井建設・安井建築設計グループを最優秀提案者に決定しました。提案価格は42億7000万円(税別)です。
当選案は、「開く」「交わる」「守る」3つの壇に連なる新たな【まち】の「学び舎」とい うコンセプトの元、敷地を平面的にも断面的にも上手く使ったのびやかな計画となっており、高野町ならではの視点による様々な交流の場やしかけを随所に散りばめる工夫や、一部木造の採用、工事中の安全性確保に優れている点が特に評価されました。
【出展元】
→高野町学びの交流拠点整備事業 事業者選定プロポーザル審査結果について
所在地:和歌山県伊都郡高野町大字高野山 26 の 2、26 の 5
プロジェクトが立ち上がった背景
高野町が有する公共施設は、経年による老朽化、少子高齢化による住民ニーズの変化、 厳しい財政状況等様々な問題が生じており、統合・廃止を含めた見直しが急務とな っています。
『高野町学びの交流拠点整備事業』は、将来の人口ビジョンを見据えた、コンパクトな「小・中学校」及び「こども園」としての機能を持ち、子供から高齢者まであらゆる世代の交流と社会教育の場となるような施設を一体的に整備することで、町の教育を将来にわたって持続可能とすることを目的としています。併せて、町の悠久の歴史と貴重な文化を象徴する優れた意匠性、十分な耐震性能による安全性、さらに維持管理から撤去までを見据えたライフサイクルコストに優れた、「宗教と環境、道徳のまち」を標榜する本町に相応しい施設の完成を目指しています。
プロジェクトの概要
小・中学校、公民館のまんなかライブラリー
『高野町学びの交流拠点整備事業』では、高野山小・中学校と高野山こども園、給食センターなどの機能を複合化した施設が建設されます。建設地は同町大字高野町26-2ほかの敷地2万2980㎡で、想定規模は、小中学校が5220㎡(体育館・屋内プール含む)、こども園が770㎡、公民館が1430㎡、新給食センターが380㎡、外部倉庫は140㎡。事業範囲は設計、施工、工事監理。アドバイザー(事業化支援業務)は、日建設計総合研究所が担当します。事業期間は2024年7月末までです。こども園の遊戯室内観