日本の建築スタジオ隈研吾建築都市設計事務所は、カナダのバンクーバーに、湾曲したフォルムとその基部に半密閉型の円形劇場を備えた超高層ビル『Alberni by Kengo Kuma』を完成させました。
有名な建築事務所である隈研吾&アソシエイツによって設計され、ウェストバンクによって開発されたこの驚くべき43階建ての住宅タワーは、日本人建築家の北米での最初の高層建築の試みの証です。この野心的なプロジェクトの実現は、日本のデザイン感性とバンクーバーの都市構造の融合を示し、成長するカナダの都市にユニークで彫刻的な建築のアイコンを生み出します。
images © Ema Peter | @emaphotographi
スタジオは、この形状を「ブールスクープ」と表現しました。これは、都市のブロック（街区）にある既存建物の景観を維持し、超高層ビルの奥にあるアパートに光をもたらすために組み込まれたものです。また、この曲線により、建物内の各アパートメントに凹型のバルコニーがあり、空気が建物内を流れることを可能にします。
建物の側面と上部はガラスとアルミニウムのパネルで覆われており、「スクープ」内のアパートメントには木製のディテールが施された長いバルコニーが付いています。パネルはファサード全体にさまざまな方法で重ねられ、パッチワークを思わせるテクスチャーのある視覚的なパターンを作り出しています。KKAAによると、この超高層ビルは、ガラス張りの超高層ビルが密集していることで知られるバンクーバーのスカイラインに合わせて設計されたそうです。
「バンクーバーの超高層ビルの物質性の均一性は、その強み、つまり特徴的で統一された都市景観であり、何か違うものを提供する機会でもあります」と隈氏は述べています。構造の側面と上部はガラスとアルミニウムのパネルで覆われており、「スクープ」内のアパートメントには木製のディテールが施された長いバルコニーがあります。パネルはファサード全体にさまざまな方法で重ねられ、パッチワークを彷彿とさせるテクスチャーのあるビジュアルパターンを作成します。
ファサードを駆け上がる構造梁がエントランスマスを越えて地面とつながり、円形劇場と苔庭を形成した囲いのある空間を作り出しています。「スクープ」に沿った長いバルコニーを定義するフィンは下に続き、半囲まれたエリアをさらにシールドするように機能します。
円形劇場内には隈研吾が設計したファツィオリピアノが共用エリアを飾り、音楽と建築の調和のとれたブレンドで雰囲気を吹き込みます。さらに、居住者は、ミシュランの2つ星を獲得した有名な施設である和気徳山に触発された日本の懐石料理レストランの料理を味わう事ができます。れらのアメニティは、真に没入型で豊かな生活環境を作り出すというコミットメントを例示しています。
円形劇場の上と屋内のプールエリアには、日本の木製建具の作品である木組に似せた吊り下げられた彫刻があります。防火規制のため、彫刻は木材のように加工されたアルミニウムで作られました。KKAAの担当パートナー、バラズ・ボグナー氏は、スタジオはもともと木材を使いたかったが、「この素材的な側面を放棄するのは心の痛みだった」と語りました。
1990 年にスタジオを設立した隈氏のその他の最近のプロジェクトには、2020 年の東京オリンピックに向けて作成された国立競技場などがあります。現在、スタジオは開発者と協力して、カリフォルニアのシリコンバレーにある「緑の肺」を特徴とする植物に覆われた建物の建設に取り組んでいます。
ウェストバンクはバンクーバーで他にも多くの建物を開発しており、その中にはデンマークの建築スタジオBIG のバンクーバー ハウス (三角形の基礎からねじり上がった 52 階建ての超高層ビル) も含まれます。
【出展元】
→alberni by kengo kuma: sculptural tower completes in vancouver (designboom.com)
→Alberni by Kengo Kuma – VIRANI REAL ESTATE ADVISORS
→Alberni by Kengo Kuma – 1550 Alberni Downtown VW Vancouver West – ISAAC CHEUNG (icheung.ca)
素敵です。うめきたでもコンペ時点では似たようなデザインは見られましたが、実際決まってしまうと何故かいつも墓石ビルになるんですよね。中之島や梅田でもそう。大阪にもデザイン性の高いビルを期待します。