地方都市の中心市街地活性化策の成功事例として注目を集める「アオーレ長岡」が凄い!

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地方都市の多くが抱える問題点として、モータリゼーションの進行による郊外化、それに伴う中心市街地の衰退、空洞化が上げられます。


日本の都市の中心市街地は、元々クルマを前提とした土地利用や空間構成となっておらず、戦後の高度経済成長に伴に急激に進んだモータリゼーションに対応する為、広くて安価な敷地と駐車場を求めて、公共施設、大学、高校、病院などが次々と郊外に移転して行きました。さらに、モータリゼーションの進行は、市街地の中を貫通する幹線道路の渋滞の深刻化を招く事となり、その緩和を図る為に大規模なバイパス道路が各地に建設されました。


新設されたバイパス道路は、当初の目的どおり中心市街地の交通渋滞解消に大きな成果を上げましたが、その副産物としてバイパス周辺への新たな商業施設の集積を生み出す事となり、中心市街地の空洞化に拍車をかける結果となりました。バイパス道路沿いに、ナショナルチェーンストアがひしめき合う光景は今や全国どこでも見られる光景となっています。


そして人口減少、超高齢化社会となった現在、過剰に進行したモータリゼーションと商業施設の郊外化、それに伴う中心市街地の空洞化は、自動車に乗れない交通弱者の生活が立ち行かなくなる、薄く広く市街化を進めた為にインフラ等の維持管理費、行政コストが増大するなどの新たな問題が生まれています。


これらの多くの地方都市が抱える問題点に対する解決策の1つとして、長岡市が取り組んでいる「市役所の市街地回帰」が今、注目を集めています。今回ご紹介するアオーレ長岡がその注目の施設です。地方都市では県庁や市役所などの「役所」が地域最大の事業所である事が多く、長岡市は同市最大級の事業所である「市役所」をあえて中心市街地の真ん中に回帰させる事で、同地区の活性化を試みているのです。












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長岡市シティホールプラザアオーレ長岡
は、新潟県長岡市大手通にある複合交流施設の名称です。JR長岡駅から徒歩3分ほどにある、旧長岡厚生年金会館跡地に建設され2012年4月1日にオープンしました。施設名称の「アオーレ」は、「会いましょう」を意味する長岡地域の方言で、様々な人と人、人とモノの出会いがうまれるという期待がこめられています。


【公式HP】
アオーレ長岡
アオーレ長岡(施設紹介)













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アオーレ長岡の建物空間のデザインは世界的な建築家の隈研吾氏が手がけられています。特徴的なデザインの外壁は長岡城で使用されていた市松模様をモチーフに地場産のスギ材で構成されています。同氏が得意とする自然素材を生かした、格子を多用したデザインがこのアオーレ長岡でも見て取れます。












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それでは、アオーレ長岡を詳しく見て行きましょう。アオーレ長岡は大きく分けて3つの施設で構成されており、写真のトラスで組まれた大屋根が掛けられた、広さ約2,250m2の多目的広場「ナカドマ(中土間)」を取り囲む様に、バスケットボール3面の広さを持ち最大4200席が設置可能な「アリーナ」「長岡市役所」が配置されています。














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ナカドマ(屋根付き広場)は、日本建築の土間の概念を取り入れ、市民が誰でも気軽に立ち寄ることができ、雨や雪でもイベントができる屋根付きの大空間です。アオーレ長岡の開業後は、結婚式、ミニライブ、屋台、自動車展示会など、様々な用途に使用されています。また、壁面には300インチの大型ビジョンが設置されており、アリーナからの中継やイベント案内、パブリックビューイングなどに利用できます。
















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先ほどの写真の場所を3階の回遊テラスから見下ろしたアングルです。大矢根の下は4階分の吹き抜けになっており、非常に広々とした開放的な空間となっています。













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大屋根をアップで。トラスで組まれた大屋根はガラス張りで自然光がタップリと取り込まれています。また、市松模様をモチーフにし、地場産のスギ材で構成されたアクセントパネルが取り付けられており、ナカドマ内部は明るすぎず、暗過ぎない、絶妙な光量に調整されています。












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ナカドマの左右には、それぞれ東棟、西棟が配置されており、東棟は主に、暮らしに関わる身近な手続きの窓口がワンフロアに集約されており、転入・転出などの届出に必要な複数の手続きについて各窓口が連携して、まとめて受付をするワンストップサービスが提供されています。また、市役所業務を紹介し案内する「市役所コンシェルジュ」も配置されています。西棟は議場や市民交流ホールなどで構成されています。写真奥に見えるオレンジ色の明かりの箇所は、最大5000人を収容するアリーナです。









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アリーナは、バスケットボール3面の広さを持ち、座席数は最大約4,200席、最大収容人数は約5000人の規模を誇ります。プロスポーツやコンサート、講演会など多目的に利用できる他、ナカドマと接する壁面を開放すれば、大手通りからの巨大空間が生まれます。





 

















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3階回遊テラスの様子です。ガラスと木をメインに構成された空間はメチャクチャ洒落で、ポイント、ポイントに植えられた緑が良いアクセントになっています。こうやって見ると、やはり市役所とは思えない凄い空間ですね。














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昨年4月開業からの約1年でアオーレ長岡を訪れた人は152万人。長岡市の人口28万人の実に5倍以上の人を集客しています。アオーレ長岡は、地方都市の中心市街地活性化策の成功事例として注目を集め、全国の地方自治体や商工会議所などからの視察は763件、1万5000人にも達しているそうで、アオーレ長岡の注目度の高さが伺えます。















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地方都市の中心市街地活性化に対する成功事例として注目を集める「アオーレ長岡」。地域最大級の事業所である「市役所」を、中心市街地のド真ん中に回帰させ、アリーナーやイベントスペース等のコンベンション施設を併設させる事で集客を図る取り組みは、他に前例が無く注目に値します。


地域最大級の事業体である「役所」には膨大な数の職員が働いており、その人々の需要だけでも周辺の飲食店に与えるインパクトは相当なモノでしょうし、長い目で見れば「市役所」が継続的、安定的に住人を集客する事で中心市街地の活性化に確実に繋がってゆくと思います。郊外の広い土地に、広い駐車場を備えた巨大な新庁舎を新設するという従来の箱モノ整備の流れの真逆を行くアオーレ長岡の取り組みが地方自治体の箱モノ行政に一石を投じた事は間違いなさそうです。
[ 2013/07/01 00:00 ] 北陸・甲信越 長岡 | TB(0) | CM(5)

「地方創生」に付いて

初めまして、佐藤 繁と申します。こういう者です。
https://www.facebook.com/sato0127   
「地方創生」に付いて素人考えをまとめました。
お時間が有りましたらお読み下さい。
http://www.presen-cobo.com/01/14-1-1-1/
[ 2015/09/05 18:17 ] [ 編集 ]

楽しい場所でした

こんにちは
昨年ここ、アオーレ長岡で、水彩画展をさせていただきました。
とにかく人が集まりますね。
実家の母曰く、「毎日あおーれに、お弁当こせぇて行く人がいるがぁて。」
座れる椅子やベンチがあちこちにありますし、何かしら楽しいイベントがあるようです。
全天候型なのですし。早朝にここへ行ったら、太極拳のサークルが体を動かしていました。
故里が元気なので、うれしかったです。
[ 2013/07/11 16:19 ] [ 編集 ]

オシャレすぎてびっくり、、
一度行ってみたいです
夏は特に良い感じになってそう
[ 2013/07/02 10:44 ] [ 編集 ]

「新建築」でも取り上げられていましたね。
長岡市は中心市街地に分散型で役所施設を置いている点が特筆されます。
ナカドマは三和土の質感を目指したそうです。
[ 2013/07/01 19:52 ] [ 編集 ]

かっこいい!

これが市役所だとは驚きです。
恥ずかしながら今まで知りませんでした。。。なんてことだ!
隈研吾氏の作品の中では珍しく(?)私好みでございます(^^)
これだけ洒落ていると他の自治体が現地視察したくなりますよね。
[ 2013/07/01 02:05 ] [ 編集 ]

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