
名古屋鉄道は2017年3月29日、名鉄 名古屋駅地区再開発の全体計画を発表しました。利便性の高いターミナル機能の形成を図るとともに、南北に長い敷地特性を活かし、まちに開かれ、まちと一体となって賑わいを創出することにより、再開発エリアの価値最大化を目指す計画で、商業、オフィス、ホテル、レジデンスを中心とした用途を、適正規模で効率的に配置する、としています。
交通整備では、名鉄名古屋駅は面的にも機能的にも拡張し、利便性の向上を図り、名鉄バスセンターは、高速路線バスの集約化も可能とする機能・規模を確保し、利便性の向上が図られます。目標スケジュールは、2017年度から周辺地権者・行政等との協議・調整、都市計画等の必要な手続きを行い、2022年度に工事着手、駅機能の整備については、リニア中央新幹線開業時を目標に進める計画です。
【出典元】
→名古屋鉄道株式会社 名鉄名古屋駅地区再開発全体計画
→CBCテレビ 名古屋鉄道の名駅エリア再開発計画を公表

名鉄のニュースリリースからお借りした開発エリアの概念図です。ビルの真ん中付近を太閤通りを跨ぐ計画です。また、今回の再開発に合わせて、ビルの地下にある名鉄名古屋駅のホームも拡張されます。名古屋鉄道 安藤隆司社長は「駅周辺を大きく拡張することで、線路やホームの数を増やし、方面別の乗り場を構成するなど、より分かり易い駅とする」としています。新しい名古屋駅は現在の2倍になり、新たなホームや線路などを設けるということです。また、要望の多い中部空港への専用ホームについては、今後、検討していくとしています。名鉄名古屋駅は3面2線で非常に多方面の電車捌く名人芸的な運用で有名な混雑駅ですが、今回の大改良によって抜本的な対策が施される事になりそうです。2倍の規模であれば、最低でも2面4線、ミュースカイ専用ホームを設けるならば3面5線かもしれませんね。

ミッドランドスクエアから見た今回の再開発エリアの全景です。再開発される事は以前から解っていたので撮影していました。今回の再開発では合計6棟のビルが解体の上、1つのビルに集約されます。対象となるビルは以下の6棟です。(名鉄百貨店本店、近鉄パッセ、名鉄バスセンター・名鉄百貨店メンズ館、三井不動産所有のビル(ヤマダ電機)、名鉄レジャック、日本生命笹島ビル)

こちらはささしまライブ駅から見た、現地の様子です。再開発の完成後は、写真の右側にある日本生命笹島ビルからセントラルタワーズ付近まで、今日巨大な壁の様な超高層ビルが出現する事になります。
再開発ビルは低層部が商業・オフィス、高層部がホテル・レジデンスになるとみられます。近鉄グループホールディングスは名古屋でのホテル事業復活を検討しており、「都ホテル」ブランドや外資系との連携などを含め、新たな再開発ビルでホテルを運営することを視野に入れてます。一方で現在、再開発エリアでは名鉄が「名鉄グランドホテル」を運営しており、名鉄としても同エリアでのホテル運営の継続を検討、近鉄グループがホテル運営に乗り出す場合、客層の分散などを含めて同社との協議の上、ターゲット顧客の住み分けが必要になりそうです。
ついに計画概要が明らかになった名鉄 名古屋駅地区再開発 全体計画。高さ180m、横幅400mの超高層ビルは前代未聞で、本当に驚きの計画です。壁ビルの究極を行く様なビルですが、マリーナベイサンズの様に屋上にプールを設けるなど、一工夫すれば世界的な名所になるかもしれません。ともかくこれからも名古屋周辺の再開発が熱い状態が続きそうです。

