
新関西国際空港会社は2014年9月2日発表のニュースリリースにて、大阪国際空港ターミナル改修プロジェクト「Speedy&Smart 都市型先進空港 ITM」を始動すると発表しました。この改修プロジェクトは、大阪国際空港のターミナルビルが大阪万博開幕を控えた1969 年にオープンして以来の大規模な改修を行うもので、2020 年の東京オリンピック、パラリンピック開催に向け、国内外の多くのお客様に大阪国際空港をスピーディで快適、便利に利用出来る様に、万全の態勢を整える計画です。
改修プロジェクトでは、ターミナルビルの「安全・安心の強化」、「環境・地域との共生」はもちろん、出発、到着時のお客様の動線を抜本的に見直し、最新の IT 技術も積極的に取り入れ、スピーディでスムーズな移動が実現されます。さらに、ターミナルビル内も快適、便利な空間とし、商業エリアも魅力あふれるものに全面リニューアルすることで、大阪国際空港はスピーディでスマートな都市型先進空港に生まれ変わる事になります。
【出典元】
→新関西国際空港会社>大阪国際空港ターミナル改修プロジェクト 「Speedy&Smart 都市型先進空港 ITM」始動 (PDF)

【主な改修内容】
①出発動線
・ モノレール駅からは、新しいペデストリアンデッキにより、2階保安検査場まで階層移動なく直行可能に。
・ バス降り場は出発ターミナルビルの前に配置し、チェックインカウンターや保安検査場までの移動はよりスピーディに。
・ 駐車場との間の横断歩道にはルーフを設置し、雨の日も濡れずに移動可能に。
・ セキュリティチェックや出発手続は、インラインスクリーニングシステムの導入で、よりスムーズに。セルフバゲージドロップ導入等も検討。
・ 保安検査場は拡張により、待ち時間を短縮し、よりスムーズな通過が可能に。
・ 搭乗口までは、ムービングサイドウォークの設置で、よりスムーズな移動が可能に。
・ 小型機対応フィンガーの新設により、MRJ等の小型機にも、搭乗橋でスムーズに乗降可能に。
②到着動線
・ 到着口は中央2階に集約し、新しいペデストリアンデッキにより、各交通機関にダイレクトに接続。次の目的地に向けてスピーディな出発が可能に。
・ 到着ロビーでは、IT・デジタルサイネージにより交通情報を提供し、お客様の各交通機関の選択を的確にサポート。
③快適・便利な空間(もっと快適に使いやすく)
・ 到着口の集約に合わせ、新しい到着ロビー(3階まで吹き抜け)を開設(中央2階)。
・ 到着口を見下ろせるロビースペース、カードラウンジ、ビジネスサポートセンターも備えた空間を新設(中央3階)。
・ ゲートラウンジは全面リニューアルし、段差の解消や点字・多言語の案内標識の整備を実施(ユニバーサルデザイン対応)。
・ 全館 Wi-Fi の導入で、ターミナル内どこでもインターネット利用可能に。
④魅力的な店舗展開(食べて買って楽しめる空港へ)
・ 大阪・関西の活気あふれる2つのテーマゾーン(飲食・物販)の展開(中央2階到着ロビーの両サイド)。
・ ゆったり過ごせるダイニングスペースの展開(中央3階)。
・ 選びやすく買いやすいお土産店、カフェ、コンビニ、個性ある物販飲食店舗の展開(出発エリア)。
・ 搭乗前のひと時を快適・便利に過ごせる店舗の展開(ゲートラウンジ)。
⑤環境・地域との共生(さらに環境と地域にやさしい空港へ)
・ 雨水の中水利用、照明のLED化、空調の高効率化。
・ 飛行機が間近に見える屋上展望デッキを拡張。
・ 地域の皆様も楽しめるイベントにも利用可能なスペース(中央3階)。
⑥安全・安心(さらに安全・安心な空港へ)
・ フィンガー建替えにより耐震性を強化。
・ 全館の改修により防火性・避難性を強化。
【スケジュール】
2015 年春 工事着工
2016 年秋 中央エリア先行オープン
2020 年春 グランドオープン

それでは、ニュースリリースの配布資料と現地の写真を交えつつ、今回の改修メニューの一部を見て行きましょう。まずは駐車場とターミナルビルを結ぶ横断歩道の様子です。ここにはルーフが新たに設置されます。

こちらは大阪モノレールの大阪空港駅の様子です。現在もターミナルビルに向けてペデストリアンデッキが設けられていますが、ターミナルビル側で一度1階に降りてから2階の保安検査場に向かう動線となっています。

こちらは改修後の様子です。ターミナル中央部に新たにペデストリアンデッキが設置され、モノレール駅から2階保安検査場までダイレクトにアクセス可能となります。

こちらは旅客ターミナルビルのチェックインカウンター前の様子です。2002年ワールドカップのタイミングで一度リニューアルが行われているので結構キレイです。

こちらが改修後のロビーの様子です。白乳色のガラス素材の化粧板を貼った柱や木目調の天井など、最近の流行りを抑えたデザインとなります。

こちらは搭乗口に向かうコンコース内の様子です。現在は2基ムービングウォークが設置されています。

今回の改修ではムービングウォークの台数が23基へ大幅に増設されます。開業以来の45年ぶりとなる大改修の事業費は約200億円。利用者が迅速に移動できるビジネス客主体の先進空港を目指す」事になります。

