政府は世界に伍する「スタートアップエコシステム拠点形成戦略」を発表しました。日本国内で革新的な技術やビジネスモデルを生み出し世界に新しい価値を提供する、企業価値が10億ドル以上のユニコーン企業を多数輩出する都市を形成することを目的とし、全国に2、3カ所の「グローバル拠点都市」を選定して、集中支援を行う方針です。
「グローバル拠点都市」に選定されると、自治体や大学、民間企業が連携して起業のための人材育成や環境整備が行われ域内のスタートアップは起業からイグジットまでシームレスな支援を受ける事が出来ます。拠点都市は2020年1月から公募が始まり、3月までに3カ所が選定される予定です。
【出展元】
→世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略
京阪神一体で応募へ、国のスタートアップ拠点都市: 日本経済新聞 https://t.co/412RSxSZX7
— ロング@再都市化 (@saitoshika_west) January 27, 2020
周回遅れの日本

CBインサイツによると世界のユニコーンの310社の内、米国が151社、中国82社に対し、日本は1社のみでした。また、ベンチャー白書2018によると、VC等によるベンチャー投資額は依然として少なく、米国 9兆5,336億円、中国 3兆3,630億円 欧州 8,140億円、 日本 1,976億円となっています。
世界銀行調べによると、米国、中国では、シリコンバレー、ニューヨーク、北京、上海などの都市拠点形成が進展し、ユニコーンを創出しており、米国のユニコーンの80%、中国の83%は都市型スタートアップエコシステムから誕生しています。これらの状況から見て日本の取り組みは周回遅れになっており、拠点都市に集中投資する事で巻き返しを図る方針です。
全国で3カ所の狭き門。東京・福岡が内定か?

各自治体は拠点都市に選ばれる為に積極的な誘致活動を行っていますが、各報道などを見ると、東京と福岡が内定しており、残りの1枠を各都市が争う展開になっている様です。
福岡は2012年に「スタートアップ都市・福岡」を宣言し、スタートアップ支援を施策の柱に据えており、支援に熱心な都市とて高い評価を受けています。スタートアップのトップランナーとして多くの自治体が福岡市をモデルに取り組んでいるほどの先進ぶりは特筆に値します。
東京は既にVCが集中しており地方に比べれば資金調達も楽に出来る事、IPOをした起業家が多くエンジェル投資家も存在している事がから、既に「スタートアップエコシステム」が出来上がっていると言えます。東京が選定されると、その状態でさらに国から支援を与える事になりますが、「ユニコーン5社以上の育成」の条件がある事や、「日本を代表する都市」との位置づけの為、東京が選定される事は既定路線と思われます。
残り1カ所をめぐって京阪神が一体が応募

大阪、京都、神戸の3都市は、「スタートアップ・エコシステム拠点都市」に京阪神一体で応募する事を決めました。内閣府も当初、単独の自治体による応募を想定しましたが、広域での応募も認める方針に転換。京阪神は3都が連携して選定を目指す事になりました。

ライバルは愛知県です。愛知は日本最大の産業集積地で、自動車や宇宙・航空機産業では圧倒的な力を持っていますが、近年の自動運転や、EV化など既存製造業は大きな変革を迫られておりスタートアップを育成することで、未来の産業を支えていく方針です。
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