北陸新幹線の建設工事は2014年度の開業を目標に、長野~上越~富山~金沢までの区間の建設工事が進んでいますが、金沢以西の大阪までの区間は着工の目処が立っていない状況です。しかし新幹線が乗り入れる事になっている福井駅部だけは、駅の高架化工事に伴い新幹線の高架橋がひっそりと完成しています。
在来線の隣(写真中央)に見える高架橋が北陸新幹線のホームになる部分です。写真右の地平ホームは「えちぜん鉄道」の福井駅です。福井駅の在来線は2面5線の立派な高架駅になりました。以前の福井駅を知っていればあまりの変わりように驚かれる事でしょうね。
地上から高架橋を見てみました。彼方から伸びてきた様に見える(実際は駅周辺の800mだけ)高架橋を見ると、福井に新幹線が走る日が夢じゃない気がしてきました。
新幹線ホームの真下です。スラブ軌道をはめ込む箇所が2カ所しか無い事、高架橋の幅がそんなに広くない事から、開通時には1面2線の規模になると思います。
2014年度に金沢まで北陸新幹線が開通すると、金沢→東京までの所要時間が現在の約4時間から、2時間25分程度、富山→東京は2時間10分まで大幅に短縮されます。そして北陸新幹線の開業後に富山から大阪方面に向かうには金沢でいったん乗り換えを強いられる様になります。ちなみに長距離移動時の乗り換え1回は所要時間にして約30分程度の心理的負担になるそうです。
敦賀から大阪までのルートが決まっていませんが、米原ルート、若狭ルート、湖西ルートの3ルートが検討されています。
第1案:米原ルート
米原で東海道新幹線に接続させます。一番建設距離が短く済むこのルートが現実的に思えますが、米原~新大阪間はJR東海の路線なので米原ルートを現在のルールで開通させると、JR西日本の収入が激減してしまいます。北陸特急はJR西の在来線特急最大のドル箱なので、JR西日本は許容でしょうね。。
第2案:若狭ルート
敦賀から小浜駅 – 亀岡駅付近を経由し 新大阪駅までフル規格で建設するルートです。京都駅を経由せず、建設距離が最も長くなり建設費は1兆円を超えます。これは現実的ではありませんね。。
第3案:湖西線ルート(フリーゲージトレイン導入案)
フリーゲージトレインを導入し、敦賀から湖西線に乗り入れるルートです。新幹線建設を見越して線形改良が先送りされてきた敦賀~湖西線間を高規格の在来新線で建設し、新幹線と湖西線を繋げます。問題点としては、フリーゲージトレインの車両費及びランニングコストが莫大である事、新幹線は現在300km運転が主流になってきていますが、FGTでは260km程度に制限されてしまう事、新在が混在する湖西線内は最高速度が160km程度に制限される事があります。
第4案:湖西線ルート+東海道本線直上高架案
湖西線を在来線と新幹線の両方が走行可能な3線化、(青函トンネルと同じ方式)新在供用路線に改造し、湖西線~京都~新大阪区間は東海道本線の直上に新線を建設、新大阪に至る案です。湖西線内が新在供用運用になる為最高速度が160km程度に押さえられる事が問題で、東海道新幹線の直上高架部分の建設費がどの程度になるか、今の所不明です。
個人的にはJR西日本の収入を確保する、なんらかの新ルールを策定した上で米原ルートで建設するのがベスト、第4案がベターだと思っています。金沢以西の大阪方面への延伸の目処が建たない北陸新幹線。旅客数は対大阪・名古屋方面が、対東京方面を圧倒しているので早期にルートを決定し着工して欲しい、福井駅の新幹線高架橋を見て改めて思いました。
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