JR西日本は2022年6月15日付けのニュースリリースで、2023年春開業予定の、大阪駅地下ホーム(うめきた新駅)に導入予定のOne to One 案内システム『ウォークリー(Walkree…)』の概要を発表しました!
One to One 案内システム『ウォークリー(Walkree…)』はJR西日本のグループ企業である、JR西日本テクシアが開発した「デジタル可変案内サインSYSTEM」です。これは、駅の情報提供手段の1つである「案内サイン」 を、利用者の動きとニーズに合わせて、表示内容を可変させ案内をおこなう画期的な仕組みです。今回はOne to One 案内システム『ウォークリー(Walkree…)』の可能性について見て行きたいと思います。
【出展元】
→JR西日本>2022 年6月社長会見
→JR西日本テクシア
One to One 案内システム【Walkree…】
百聞は一見にしかず、まずは公式ムービーをご覧下さい!One to One 案内システム【Walkree…】の利点が理解出来ると思います。
駅の案内サインが「自分専用の行き先案内」に!
駅の利用者が目的地を探す際に、まず案内サインを確認します。One to One 案内システム【Walkree…】は、このような「人の行動特性」を利用した案内システムです。
モバイルアプリに目的地を設定したユーザがディスプレイに接近すると、 ユーザデバイス(スマートフォン)がディスプレイ近傍に 設置されたビーコンの電波を受信し、 ディスプレイにユーザの設定した目的地への案内が表示されます。
利用者は案内サインを見て目的地を探すという「いつもの行動パターン」の延長線上に、IoTを活用した可変表示を加える事で、お客様が必要な情報を必要な時に提供し、よりスムーズな案内を行う事が可能です。
さらに、目的地を確認する際にスマートフォンを見る必要がないため、歩きスマホを抑制することができます。One to One 案内システム【Walkree…】は、駅構内や空港、商業施設など様々な施設の案内など、案内サインがある施設であれば、様々な活用方法が考えられます。
最大3人分の情報を表示(カスタマイズ可)
表示内容には一人一人異なったパターン(色模様)で囲まれています。これは、利用者が案内サインを見る時に「文字よりも記号を認識する」特性から導きだされたもので、利用者はスマホアプリの検索結果に表示された「色模様」と同じ模様を自然に認識し、One to One 案内システムに従って目的地を目指す事ができます。
プロトタイプでは1画面に3人分の個別情報を表示していますが、こちらも、全く同時刻に同じ場所で検索した人間が遭遇する確立は低いとの考えから、取り敢えず3名表示となっています。表示内容は画面のサイズやアスペクト比に合わせてカスタマイズ可能なので、より大人数が集中する現場では、それに合わせた表示にする事ができます。
天王寺駅の液晶案内サインはOne to One 案内システムの実証実験だった!
現在は撤去されていますが、天王寺駅の環状線内回りホームに液晶ディスプレイを用いた案内サインが設置されていました。普段は固定表示のみだったので、わざわざ液晶にする意図が分かりませんでしたが、実はOne to One 案内システムの実証実験に使われていたとは・・!
近未来はOne to One 案内システムが普及する!
うめきた地下駅への導入が予定される『One to One 案内システム Walkree…』。計画ではJR西日本が力をいれているMaaSアプリ「WESTER」に「Walkree…」を実装し、本格普及をはかるそうです。
この可変案内サインシステムの可能性は大きく、案内サインがある施設であれば何処でも活用で出来そうです。たとえば大病院で患者が院内を行き来するとき。受付から採血、レントゲン、受診する科・・など何処に行けば良いか解らないシーンで、このOne to One 案内システムが活躍しそうです。大きな公共ホールやスタジアム、百貨店やショッピングモールなど、活用シーンは色々ありそうです。
あと10年後の近未来。街中に多数の可変案内サインが設置され、MaaSアプリで検索すると自分専用の行き先案内が現れる。そんな時代がやってくるかもしれませんね。
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