J.フロント リテイリング は、2014年4月に発表した「2014~2016 年度 中期経営計画」で、大型商業施設のオーバーストア化で競合が激化する大阪地区での競争力を抜本的に強化するため、大丸心斎橋店(本館、北館、南館)を中心に周辺の不動産・商業施設活用を含めた心斎橋地区再開発計画の具体化を進める事を発表、心斎橋店の「本館建て替えを含め、前向きに検討している」事が明らかになりました。南館、2009年にそごうから買いとった北館の改装とともに、2016年度までに一体的な活性化策を固めるそうです。
【出典元】→J.フロント リテイリング グループ「2014~2016 年度 中期経営計画」について (PDF)
1933年に完成した大丸心斎橋店本館は、米国出身の建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの代表作のひとつで、アールデコやネオ・ゴシック様式を織り交ぜた「大正モダン建築」として有名です。大理石を多用した玄関ホールの天井にはイスラム様式の幾何学模様アラベスクもみられます。1945年の大阪大空襲で上層階を焼失しましたが、その後、雰囲気を保ったまま修復・増築され現在に至ります。
今回の建て替え計画は今までの近代建築物の建て替えニュースの中でも最大級の衝撃を受けました。その為、しばらくこのニュースについての記事を書く事ができませんでしたが、ようやく整理がついてきたので記事を起こしました。
大丸心斎橋店の置かれている状況は非常に厳しいモノがあります。既に語り尽くされた感がありますが、梅田地区と阿倍野地区で相次ぐ百貨店の増床、建て替えに挟まれる形になっている様に見えます。大丸心斎橋店のここ数年感の年間売上高は800億円ほどで推移しており極端な落ち込みは見られません。ただ、梅田、阿倍野地区が一連の再開発によりエリア自体の存在感を増す中、このまま何もしなければ大丸心斎橋店だけでなく心斎橋エリア自体がジリ貧になって行く事は確実な状況です。
【出典元】→松坂屋上野店南館の建替えについて(PDF)
こちらは、Jフロントリテイリングが開発を行っている松坂屋上野店南館の建替えの完成イメージパースです。商業、シネマコンプレックス、オフィス機能を備えた高層複合ビルに建替えることにより、地上23階、塔屋1階、地下2階、高さ約120mの超高層ビルが建設されます。大丸心斎橋店が建て替えられる事が決まった場合、松坂屋上野店南館と同様に超高層化される事になると思います。
こちらは、Jフロントリテイリングが開発を行っている松坂屋上野店南館の建替えの完成イメージパースです。商業、シネマコンプレックス、オフィス機能を備えた高層複合ビルに建替えることにより、地上23階、塔屋1階、地下2階、高さ約120mの超高層ビルが建設されます。大丸心斎橋店が建て替えられる事が決まった場合、松坂屋上野店南館と同様に超高層化される事になると思います。
心斎橋に出現した高さ200m級の超妄想ビル。実際の計画ではありませんのでご注意下さい
それでは本館の敷地に、どの程度のビルが建てられるのでしょうか?いろいろ資料を探しましたが本館の敷地面積がわからなかったので、ネットサービスのMapionの距離測を使って計算してみました。Mapionによると本館の敷地は南北77m、東西66mで、5082㎡の敷地面積がある事がわかりました。敷地面積をキリのいい数字の5000㎡と仮定し、容積率を梅田阪急ビルなみの1800%まで緩和された場合、本館の敷地には延べ床面積90,000㎡のビルが建設可能です。現在の大丸心斎橋店本館の現在の売場面積が37,490㎡なので、床面積の4万㎡程度は百貨店に使う事になりそうです。残りは5万㎡ですがJフロントの新しい武器であるパルコ事業を同じ建物に入れるかもしれません。あとはオフィスが順当な所ですが、近年の近畿地方の外国人観光客の増加によるホテル稼働率の高さを見るとホテルを勧誘するのもアリではないでしょうか。
いろいろ妄想しているうちに北館との連携をどうするのか?が気になって来ました。本館の敷地面積5000㎡をめいいぱい使ったとしても1フロア辺りの売場面積は狭いと思います。北館と新本館を空中経路で複数階で接続、もしくは阪神百貨店の建て替えと同じく2階以上のレベルで連結して一体的な売場を作り出す事が必要不可欠な気がしてきました。妄想は膨らむばかりです。
低層部に旧本館を再現した、ダイビル本館
これは僕の推測なのでこのようなビルの計画はありませんのでそのつもりで読んでください。新ビルは高層部が低層部よりさらにセットバックしたタワーオン・ザベース型の形状で最高高さは180m。低層部は御堂筋の新景観ガイドラインにそいた形で歩道側から4mセットバック。本館の御堂筋側のファザードと店内のアイコン的な装飾品を保存し低層部に旧本館の外観を再現。北館と空中経路で連結され一体的な売場展開を可能とします。またパルコ事業を館内に配置する事になりますが、おそらく北館に入る事になると思います。高層部には大阪都心部で不足気味のホテルが入居すると思います。
大丸心斎橋店本館の建て替えを含めた、心斎橋地区の再開発計画。本館の建て替えについては反対運動も起こっているようなのでどうなるかはわかりませんが、おそらくダイビル本館のようなイメージで再開発が行われる事になるのではないでしょうか?いずれにせよ、今後の動向に要注目です。
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【民間】大丸心斎橋店南別館を解体/施工は竹中工務店/大丸松坂屋百貨店
http://constnews.com/?p=12696
大丸松坂屋百貨店は大阪市中央区の大丸心斎橋店のうち南別館の解体工事「大丸心斎橋店南別館解体」を進めている。施工は竹中工務店が担当している。6月末までに終える予定にしている。
工事場所は大阪市中央区心斎橋筋1-6-1ほか。大丸心斎橋店は本館(地下2階地上8階建て)、北館(地下2階地上14階建て)、南館(地下1階地上8階建て)の大きく3棟で構成している。
大丸松坂屋百貨店やパルコを傘下に持つJ.フロント リテイリングは2014年4月に14-16年度を対象とした中期経営計画を公表し、
その中で「大型商業施設のオーバーストア化で競合が激化する大阪地区での競争力を抜本的に強化するため、大丸心斎橋店(本館、北館、南館)を中心に周辺の不動産・商業施設活用を含めた心斎橋地区再開発計画の具体化を進める」としていた。
本館の建て替えを含めて検討しており、南館、09年にそごうから取得した北館の改装とともに、16年度までに一体的な活性化策を固める方針だ。
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この建物の完全取り壊し→建て替えにゴーサインを出すのは、非常に勇気が要ります。
Jフロに、ブレない信念と覚悟が無いと出来ません。
Jフロは、一体何を1番優先させるのか?
そのプライオリティーに目が離せません。
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ホテルも併設って完全に外国人観光客しか目がないですね。
今の大丸心斎橋の雰囲気が好きで来ている顧客が逃げることも考えてほしいです。
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この建物の取り壊しには断固反対です。御堂筋の雰囲気を形成するランドマークなのですから。
どこにでもあるようなビルに建て替えてしまえばそれこそ個性がなくなり、かえって強みがなくなるのは明らかです。
売場面積云々よりもこの貴重な近代建築を活かした戦略が立てられなかったのが原因でしょう。方法はいくらでもあります。
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心斎橋店はあの重厚なたたずまいのお蔭で心斎橋のランドマークになっています。
あれを他の都市にいくらもある小奇麗な超高層ビルにしてしまうには、あまりに勿体ないような気がします。
とはいえ、都市の新陳代謝を止めてしまうと経済に悪影響を与えてしまうことも事実。
建て替えは仕方ないにしても、この手の建築は移築して是非とも保存しておいて欲しいというのはまったく同感ですね。
大正の古き良き時代の名残を留めておいて欲しいと思います。
あの頃の建築様式はたぶん二度と戻ってはこないでしょうから。
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南港などの土地のある程度確保出来る場所に
取り壊しが決まっている、もしくはその予定がある大阪にある歴史ある建築物を移転、集合させホテルやレストラン、セレクトショップなどに改装し一種の文化施設村を作ってはどうかと提案した事があります。それが出来れば映画の撮影などにも使えるでしょうし、観光にも使えると考えたからです。
中之島の公会堂はあのまま残っているからこそ価値があるのであって
外壁だけ残しても何の意味もないと思います。階段の装飾や独特なエレベーターのデザインなど
大丸はすばらしい建築です。ダイビルのように外壁だけならそれこそどんなビルでも
外見だけそれっぽいデザインで簡単に作れるでしょう
大阪府や国がこういう物がいかに価値があるか理解出来るようになれば
移築などの予算が付き後世まで残せるようになるのですが到底期待出来ないのが現状です。
こういう話しが出るたびに非常に悲しい気持になります。