神戸市は、神戸空港の現在のターミナルビルに加えて、別棟の「サブ・ターミナルビル」を建設し、国際線の就航に対応することなどを柱とした「神戸空港サブターミナル整備基本計画」の案を公表し、2022年12月16日〜2023年1月20日まで市民からの意見を募集しています。
神戸空港については、2022年9月に行われてた関西3空港懇談会で、大阪・関西万博が開幕される2025年春に、神戸空港の発着枠を現行の1日80回から120回に引き上げることで合意。ツアー客などを乗せた国際チャーター便の就航も可能になることから、より多くの旅客を受け入れ、出入国管理など国際線の機能も持った新ターミナルビルを建設する事になりました。
【出展元】→神戸空港サブターミナル整備基本計画(案)について意見を募集します
サブターミナルは、現在のターミナルビルの使用を止めずに整備する為、管制塔をはさんだ西側の敷地に建設されます。現ターミナルとは連絡バスで接続します。事業主体は神戸市で、概算費用は90億円を見込んでいます。
神戸市の計画では、新ターミナルビルは原則2階建て。建築面積(延床面積かも?)は約17,000㎡、現在の旅客ターミナルビル(17,100㎡)とほぼ同規模になりあす。新ターミナルは「ロビー機能」に約4,000㎡、「国内線エリア」2,500㎡「国際線エリア」3,000㎡、「その他」の事務所や機械室などに7,500㎡の施設配置となります。
サブターミナルビルは年度内にも設計・施工を一括発注できる事業者を選定。2023~2024年度に設計・建設。神戸市は大阪・関西万博が始まる25年春の開業をめざし、急ピッチで作業を進めます。
これまでの経緯
神戸市は、国際線の定期便就航が決定し空港容量を拡張する神戸空港について、施設の配置イメージを公表しました。神戸空港は2022年9月に開かれた関西3空港懇談会で、国際線定期便を就航させることで合意しており、国際線の発着回数上限は1日40回に決まりました。また、国内線の上限も現在の1日80回から120回に拡大されます。
2006年2月に開港した神戸空港は、空港島の面積が約272ha(空港部分156ha)で、2500mの滑走路1本を有する海上空港です。旅客ターミナルは4階建て、延床面積約1.7万㎡、駐機場は10スポット、運用時間は7時~23時となっています。
【出展元】
→神戸市>神戸空港について
国際線の就航と国内線の発着回数の拡大に対応する為、空港施設が増強されます。空港の面積を現在のターミナルや駐車場がある敷地の西側区域に約11haを拡大し空港面積を167haに拡大。出入国管理や検疫、税関の施設を備えたサブターミナル(延床面積1.5万~2万㎡)を新設し、駐機場、駐車場を整備します。エプロンの駐機スポット数は現在の10スポット(約11ha)⇒21スポット(約 24ha)に倍増。現在のターミナルもリニューアルする方針です。
財源は、駐機場の拡大など空港基本施設の整備費(約143億円)については半分まで国の補助を充て、残りは借金や一般財源などで賄います。サブターミナル建設費(約60億~90億円)は市債や借入金等などでの調達を想定し、空港の施設利用料や賃料などで償還する計画です。
神戸空港への国際線定期便の就航は2030年前後になる見込みですが、市は、大阪・関西万博が開かれ、国際チャーター便を受け入れる≈までに新ターミナルを増設する考えを明らかにしています。メインターミナルの増設、リニューアルについては未定としており、整備については、関西エアポート神戸と調整中との事です。
神戸空港のコロナ禍前の2019年の年間旅客数は336万人でしたが、市の試算によると、発着枠が拡大する神戸空港の2030年度の航空需要は、国内線の年間旅客数 :512万人(発着回数120 回/日)、国際線の年間旅客数は約190 万人(発着回数40回/日)、国内線+国際線の合計旅客数は702万人/年まで増加する見込みです。
この数字は2019年の中部国際空港(1346万人)と鹿児島空港(607万人)の間に位置しており、国内第9位の旅客数になる可能性があります。
整備スケジュール(予定)
2022 年度:公聴会・国土交通大臣許可
2023 年度:工事着手(西側)
2025 年度:西側部分供用開始 ※ 東側部分については今後調整
※空港基本施設:約 143億円
※付帯工事 (駐車場、構内道路等) 約 50億 円
※サブターミナル:約 60~ 90 億円
※メインターミナル:未定(整備については、関西エアポート神戸と調整中)