長崎県は2020年4月6日に、「九州・長崎IR基本構想」および概要版(日本語・英語)を公表しました。長崎IRは佐世保市のハウステンボスに隣接する約31haのエリアにIRの誘致を目指しており、政府が掲げる「訪日外国人旅行者数を2030年 に6,000万人、観光消費額を15兆円」に引き上げる目標達成に貢献し、成長するインバウンド観光を九州・長崎県が抱える課題の解決の糸口とし、観光振興による地方創生の実現を目指す構想です。2021年度中に区域認定された場合、最速で2025年度中の開業を想定しています。
【出展元】
→九州・長崎IR基本構想(長崎県・佐世保市IR推進協議会 令和2年)
•概要版[PDFファイル]
•全体版[PDFファイル]
長崎IRの配置図です。ハウステンボスの敷地の1/3程度がIR予定区域に含まれています。パーク内のホテルヨーロッパやフォレストヴィラがIR区域内なのが驚きで、IRの勧誘が実現するとハウステンボスは大幅な再配置が行われる事になりそうです。
九州・長崎IR 基本構想(概要)
①MICE施設
◼ ハイクラスに対応可能なラグジュアリーかつ隔離性のあるミーティング施設
◼ クルーズによる新たなインセンティブMICE需要の創出
◼ 最大規模のインセンティブツアーに対応可能な国を代表する規模
(最大会議室の収容人 数6千人以上・施設全体の収容人数1万2千人以上)のコンベンションホール
◼ 人々の交流を促し、多目的利用が可能な一定規模以上(展示床面積の合計2万㎡ 以上)の展示場施設
②魅力増進施設 九州・日本の魅力創出と 発信拠点
◼ 日本・九州の伝統・文化・芸能のコンテンツをショービジ ネスとして展開し、日本各地・九州の津々浦々への観 光の起爆剤となる施設 − 日本・九州各地の伝統芸能のエンターテイメント化 − クールジャパンの発信 − 祭りアイランド九州 − 九州・日本の食文化発信
③送客施設 九州・日本の観光の 顧客体験価値の創造
◼ 最先端技術等を活用したショーケース機能、コンシェルジュ 機能の導入により、顧客体験価値を創造する施設
◼ 移動自体のアクティビティ化含めた、交通機能の強化 (バスターミナルをはじめとした交通拠点整備等)
◼ 九州圏内の広域滞在型観光を加速させるための連携体 制の構築(観光案内所、DMO等との連携含む)
④宿泊施設 リゾート空間の演出
◼ 九州ならではの滞在提案型観光コンテンツの創出 − 九州ならではの四季の変化と楽しみ − 九州の自然を活かしたアクティビティ・アドベンチャー − 九州の職人技を集結させたプレゼンテーション機会 創出 − 温泉による新たな需要創出・ヘルスツーリズム促進 − ガストロノミーツーリズム
⑤来訪及び滞在寄与施設 体験型観光の促進
◼ 九州ならではの滞在提案型観光コンテンツの創出 − 九州ならではの四季の変化と楽しみ − 九州の自然を活かしたアクティビティ・アドベンチャー − 九州の職人技を集結させたプレゼンテーション機会 創出 − 温泉による新たな需要創出・ヘルスツーリズム促進 − ガストロノミーツーリズム
⑥その他 九州・長崎IRが目指す 区域の方向性
◼ 海を活かした開発、マリンリゾートらしい空間の演出 【早岐港(ハウステンボスマリーナ&ハ ウステンボスハーバー)の活用】
◼ ハウステンボス地域が環境配慮型施設として開発されてきた歴史も踏まえた、ICTインフラ構 築による、先進的且つ持続可能な観光リゾートの構築 【イノベーションの実現】
◼ 災害時においてMICE施設等を避難施設として利用 【防災、減災拠点】
長崎県の試算によると、IRの設備投資額は3500億~4600億円、年間の集客延べ人数は690万~930万人で、雇用創出効果は2万8千~3万6千人です。九州圏内の経済波及効果は6,100~8,100億円(建設時)、3,200~4,200億円/年(運営時)になると見込んでいます。
国内のIR招致レースは大阪、横浜、和歌山、長崎が特に活発な動きを見せています。招致レースでは最後発の横浜は住民のコンセンサスが得られておらず、北海道が辞退した結果、大阪、和歌山、長崎の3カ所が最初の認定区域になる可能性があります。
関西に二ヶ所は無理でしょう。
IRが大阪、和歌山、長崎に決まりますように。。。