トヨタ・ヤリスクロスは、ヤリスブランドで築いてきた「走る楽しさへのこだわり」「クラスを超えた質感」を受け継ぎつつ、都市型コンパクトSUVを再定義することを目指して開発されたモデルです。ヤリスと同じGA-Bプラットフォームを採用し、取りまわしのいいボディサイズと居住性や荷室空間といったSUVらしいユーティリティ性能を両立させました。
外観デザインはSUVならではの「頑強さ」を表現したのが特徴で、気楽さ、機動性、利便性に特化し、活動的かつ無駄のない都市型ミニマルクロスを目指しています。SUVならではの「頑強さ」と「俊敏さ」を同時に表現するため、ダイヤモンド形状のボディにフェンダーの塊を組み合わせるという立体構成となっています。
ヤリスクロスは「ヤリス」のSUVモデル・・なのですが、元になったヤリスとはかなりデザインが異なっています。特にフロントマスクはどことなく「テスラ」を連想させるデザインで、初めて見た瞬間に「おっ!イーロンマスク」と呟いてしまいました(笑)
ちなみに、こちらがオリジナルのヤリスのフロント部です。全然違いますね。
ヤリスクロスのボディサイズは4180×1765×1560mm(全長×全幅×全高。全高はアンテナ除く)、ホイールベースは2560mm。同社のコンパクトSUV「ライズ」より大きく、「RAV4」や「ハリアー」よりも小さいサイズです。テールランプ付近の造形がマッシブでいい感じです。
パワートレインは、直列3気筒1.5リッターのハイブリッド&リダクション機能付の「THS-II」と、1.5リッターの直3ガソリンエンジン&ダイレクトシフトCVT。それぞれにFFと4WDが用意されており、4WDシステムは、ハイブリッドがE-Four、ガソリンモデルはダイナミックトルクコントロール4WDとなります。
ハイブリッドモデルは215/50R18の大径タイヤ(ガソリン車は16インチタイヤ)装着し、ヤリスに対してリフトアップした事でワイルド感が演出されています。
続いてインテリアの様子を見て行きます。インパネは兄弟車のヤリスと上半分を共用していますが、下半分は新規で作られたもので、ヤリスとはかなり雰囲気が異なっています。
上が「ヤリスクロス」、下が「ヤリス」です。特にセンタークラスターの形状が異なっており、ヤリスクロスの方が高級感があります。
ヤリスクロスのインパネは真ん中に液晶モニタを配置し、その左右にアナログメーターを配置しています。
センタークラスターから飛び出したディスプレイオーディオの様子です。
センタークラスターの様子ですエアコンの操作パネルなどがヤリスとは異なっています。
シート生地はファブリックと合皮のコンビ。
「ヤリスクロス」は、オリジナルの「ヤリス」よりも全体的に高級感が増しています。
後部座席の様子です。オリジナルの「ヤリス」よりも明らかに空間に余裕が出来ました。また、トヨタのコンパクトSUVとして初めて4:2:4分割可倒式リアシートを採用し、リアシートの中央部を倒すことで長尺物を搭載しても大人4名の乗車を可能にしました。
さらにラゲッジスペースがデカい!寸法は820×1400×850mm(室内長×室内幅×室内高)、ラゲッジ容量は390Lもあります。これにより9.5インチのゴルフバックを2個、または110Lのスーツケース2個を積載することが可能になりました。さらに、従来のトヨタ車比で2倍の速度を実現したという新開発の「ハンズフリーパワーバックドア」を採用しており、スマートキーを携帯していれば、リアバンパーの下に足を出し入れするだけでバックドアが自動開閉します。
ヤリスクロスは、はやりのSUVのスタイルだけではなく、オリジナルの「ヤリス」のウィークポイントだった後部座席の居住性や荷室の容量など、室内の使い勝手や質感を向上させる事で商品性を高める巧みなパッケージングが特徴です。現時点で販売価格は非公開ですが、適正な値付けが成されれば馬鹿売れモデルになることは確実でしょう。またヤリスのライバルであるホンダ「フィット」は広い室内を売りにしているので、ヤリスクロスは、そのあたりを重視する層にも食い込む事になりそうです。