【再都市化ナレッジデータベース】←新規情報やタレコミはこちらのコメント欄にお願いします!

安威川ダム(あいがわダム)建設工事の最新状況 23.12 【2023年9月供用開始】



安威川ダムは、大阪府茨木市北部の淀川水系安威川に建設中の治水ダムです。死傷者61名を含む甚大な水害となった1967年(昭和42年)7月の北摂豪雨災害を契機に、大阪府において計画立案され、2014年からダム本体工事に着手。2022年1月に本体(堤体)工事が完成、2022年8月に全体が完成し、9月に試験湛水を開始、2023年9月から供用を開始しました。

【出展元】
→茨木市>威川ダムの概要
→大阪府>安威川ダム建設事業の概要

 



安威川ダムは、2022年8月に基礎処理工が完了し、9月5日に転流工吞口を閉塞、試験湛水が行われました。

試験湛水はダムの本格運用の前に、実際に水を貯めてダム本体や貯水池周辺の安全性を確認するものです。今回は大雨の際の洪水も貯留しながら、約8カ月をかけてサーチャージ水位(125m)まで水を溜め、その後は約1カ月間で常時満水時(99.4m)と最低水位(90.2m)の普段の水位まで下降し、試験湛水を完了させます。

100年に1度の大雨から街を守る



安威川ダムの堤体は、高さ76.5m、堤頂長337.5m、集水面積:52.2平方キロメートル、総貯水量は1,800立方メートル。安威川において、100年に1度の大雨(時間雨量80ミリ程度)まで洪水被害を防ぐことが出来、洪水氾濫防止区域は、26.0平方キロメートル(茨木市、高槻市、摂津市、吹田市、大阪市)に及びます。全体事業費 1,676億円。

 



安威川ダムは全国でもまれな都市型ダムで茨木市などの市街地から車で20分ほどで到達できます。周辺の豊かな自然環境と合わせ、ダム建設によって生まれる湖を生かした観光レクリエーションの拠点として公園整備などが行われる予定です。

中央コア型ロックフィルダム



安威川ダムの形式は『中央コア型ロックフィルダム』です。ロックフィルダムは、土や岩石を材料として盛り立てて造られるダムです。ダム中央部は粘土質の材料でつくられています。

 

 


砂れき,土,岩石を盛り立てて造られているので、近くで見ると荒々しい感じがしました。

2023年12月の様子


現地の様子です。前回の撮影が2023年1月2日、今回は12月30日だったので、約1年ぶりの取材です。

 



安威川ダムは、2014年からダム本体の建設が始まり、2022年8月に完成し、9月に試験湛水を開始、2023年9月から供用を開始しました。

 


ダムの足元では公園が整備されています。

 


安威川ダムの堤体をアップで見た様子です。


現在は遊歩道など周辺施設の工事が行われています。


ダムの中心となる「ダム軸」の様子です。


少し角度をつけてみた様子です。なんとなくですが、古墳の頂部の様な雰囲気がありますね。


貯水池側の様子です。試験湛水が終了し、現在は通常の水位となっています。


貯水池を見通した様子です。


撮影ポイントを変えて、堤体側の貯水池の様子です。


管理棟と非常用洪水吐きの様子です。100年に1度の降水を超える雨量の時に下流に水を流す施設、サーチャージ水位は125.0mとなります。


最後は引き気味で見たアングルです。

安威川ダムは治水計画に基づき、100年に一度おこりうると想定される規模の大雨でも下流の河川を氾濫させない施設としてつくられました。ダムの洪水調節機能を最大限発揮することで、洪水想定範囲約26.0km2を洪水から守ってくれます。

2023年1月の様子


現地の様子です。前回の撮影が2022年9月だったので、約4ヶ月振りの取材です。

 


安威川ダムの堤体を見下ろした様子です。堤体の高さは76.5m、幅は337.5mほどあります。巨大です。


排水路を横から見た様子です。

 


出展元:http://www.aigawa.jp/wp-content/uploads/2014/12/aigawanews_vol6.pdf

安威川ダムの排水路は3つのルートがあります。①維持流量を流す維持放水施設(利水放流管)、②常用洪水吐、③非常用洪水吐き、の3つです。

 


排水路全体の様子です。排水路の中段にあるトンネルは「常用洪水吐き」です。常用洪水吐きはダムの治水計画の範囲内の降雨・出水があった場合、貯水池の水を安全に下流に流す施設です。100年に一度程度の洪水まで洪水調節が行えます。

「常用洪水吐き」は普通のダムは地表に水路を設けますが、安威川ダムはかなり下の位置に設ける必要がありました。大きく山を削ることになり膨大なコストがかかる為、それを回避する為に、国内では前例が無いトンネル式の常用洪水吐きが造られました。

また、排水路の最上段には「非常用洪水吐き」があります。非常用洪水吐きは、ダムの治水計画を超える100年に一度程度の洪水を超える洪水発生時に、貯水池の水位がダムの高さを越えないように、貯水池の水を下流に流すことができる施設です。

 


こちらは、維持流量を流す維持放水施設(利水放流管)です。雨が降っていない普段の維持用水を下流に放流する施設です。

 


利水放流管付近から、ゴウゴウ・・・ともの凄い音が響き渡っていました。


再び堤体側を見て行きます。

 


堤体の頂部、天端の様子です。なんだか、埴輪が並んでいる前方後円墳の頂部を連想しました。

 


堤体の奥にある法面の様子です。

 


貯水池側の様子です。試験湛水に伴い、水面がジワジワと上昇している事が見て取れました!

 


貯水池にそって整備された道路の様子です。

 

 


奥の方まで延々と貯水池が広がっていて驚きました。

 


試験湛水は、2022年9月5日から8ヶ月かけて最高水位まで上昇させるので、まだまだ水位が上昇するはずです。

 


最後は堤体側の貯水池の様子です。穏やかな湖面に周囲の風景が映り込んで、美しい光景が広がっていました!

2022年9月の様子


現地の様子です。前回の撮影が2022年8月だったので、約1ヶ月振りの取材です。

 

 


2022年9月5日から試験湛水が始まり、ダムに水が溜まり始めました!!

 

 


ダムの堤体の様子です。これから約8カ月をかけてサーチャージ水位(125m)まで水を溜めます。

 

 


管理所や取水ゲートなどが集中する北側の様子です。

 

 


湖面の様子です。ゴロンと転がっているアンテナの様なモノは、丸島アクアシステムの深層曝気設備です。深層曝気設備はダム貯水池の深層部に酸素を供給する設備で、底泥からのリン、鉄、マンガンの溶出や嫌気分解に起因する硫化水素の発生を抑制します。

 


上流側の様子です。満水時には何処まで水面が高くなるのでしょうか??

 


引きで見た様子です。今しか見る事が出来ないレアな光景です。

 


最後は堤体と、遠くに見える市街地の様子です。

2022年8月の様子


ダムの内側(水を溜める方)の様子です。完成後は水没してしまうので、建設工事中に見られる期間限定の眺めです。

 


管理所や取水ゲートなどが集中する北側の様子です。

 


感覚がおかしくなるほどの巨大な構造物。水が溜まるとほとんどが姿を消すので今だけ見られる圧巻の光景です。

 


湖底になる地面に描かれた「ありがとう」の文字。何故だか切ない気持ちになりました。

6 COMMENTS

七味

ちなみに私、学生時代に関電と繋がりのある研究室にいたので喜撰山ダムを見学したことがあります。

喜撰山ダムはもっと雑然と石が敷き詰められてた気がしましたが、今検索してみたら斜面の石の敷き詰め方はあまり変わらないですかね。

アリー my dear

これからじわじわと水位が上がって、今見れている風景も水没していくのですね。なかなかお目にかかれない光景です(^_^)

しろきちさん

地図を見ると住宅街の隣がダムという、なかなか面白い構図になっていますね。
更に彩都の物流センター群もあって、より一層ユニークな立地条件だと感じます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です