広島市は2022年12月8日に、広島市のアストラムラインの延伸計画「西風新都線」について、広域公園前~西広島間を結ぶ約7.1kmの区間を、2023年度に軌道法に基づく事業特許を国土交通省に申請する方針を明らかにしました!
道路交通局は環境影響評価なども進めており「来年度に特許の申請と、用地取得の範囲を示す都市計画素案の地元説明会をし、本格的な事業化を図る」方針です。事業特許の申請は、事業着手に向けた手続きの一環で、2020年代後半の部分開業、2030年前後の全面開業を目指す計画が、いよいよ動き出しました。【出展元】
→アストラムラインの西広島駅までの延伸、2023年度に申請
→アストラムライン延伸(新交通西風新都線)のルート案について
→アストラムライン延伸の事業化について
計画名:アストラムライン延伸計画(西風新都線)
起点:広域公園前駅(安佐南区大塚西四丁目)
終点:JR西広島駅(西区己斐本町一丁目)
経由地:五月が丘団地、石内東地区、己斐地区
延長:7.1km
構造:単線、最急勾配5.9%
需要予測:15,200人/日
概算事業費 約570億
アストラムラインは広島市の都心に位置する「本通駅」から、安佐南区を反時計回りに大町地区、伴地区を経由し、広域公園前駅へ至る新交通システム路線です。平野部が少ない広島市は山間部に向かって広大な住宅地が広がっており、アストラムラインはこれらのエリアを結ぶ重要な都市インフラとして機能しています。延伸計画は、アストラムラインを南へ延伸し、JRの西広島駅に接続させる事で、「広域公園前」側からJRへのアクセス性を高め利便性を高める計画です。
延伸区間は延長7.1kmで、標高差は約100m。最大勾配59パーミル・延長1.7kmのトンネルで一気に高台を下り、己斐地区に達します。途中、五月が丘1駅、五月が丘2駅、石内東駅、己斐上駅、己斐中駅の5駅(いずれも仮称)を設置、広域公園前〜西広島間を十数分で結び、1日平均約1万5200人の利用を見込んでいます。全体の事業費は約570億円で、市が約289億円を、国が残りを負担します。
延伸部は、用地取得をできるだけ少なくし、既存道路に幅を収めるため、延伸部は単線となる予定で、必要な輸送力を確保する為、各駅で行き違いが出来る構造となります。
また、アストラムライン延伸計画については、西広島駅からさらに約3.2km東進し、都心部の「本通駅」に接続させて「環状線」とする将来計画『新交通都心線』があります。この区間が整備されると、西風新都などの拠点地区と都心が連携強化され、集約型都市構造の実現に大きく貢献すると考えられる他、 西方面から都心への専用軌道における速達性が向上するため、区間沿線の平和大通り沿いや郊外部(西風新都など)における開発促進などが期待できます。
一方で、事業費が約900億円と多額であることや、既存の路面電車 やバスがデルタ内での役割を維持するために、大幅な公共交通体系の見直しが必要になることから、将来における社会経済情勢をより正確に見通した上での判断が望ましい、としています。
アストラムライン延伸計画は、さらに先の、広島駅方面まで延伸する『第Ⅲ期事業化区間』もありましたが、新白島駅の整備などによって既に同等の速達性が確保されている中、事業費約1400億円をかけるだけの投資効果は低い事に加え、路面電車との共存が難しい事などから、正式に計画廃止となっています。
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