ウェスティン都ホテル京都(The Westin Miyako Kyoto)は、京都市東山区に所在する、華頂山の裾野に広がる敷地に建つ高級ホテルです。近鉄GHDが運営する、都ホテルズ&リゾーツのフラッグシップホテルで、マリオット・インターナショナルが展開する「ウェスティン」を関したダブルブランドとなっており、運営は近鉄・都ホテルズが担っています。
【出展元】
→ウェスティン都ホテル京都公式HP
▼外観やロビー、クラブラウンジの様子は宿泊記 Part1でご紹介しています
ウェスティン都ホテル京都 宿泊記 Part1 〜外観・ロビー・クラブラウンジ・屋上庭園編〜 約198億円を投じた「グランドリニューアル」は都ホテルをどう変えたのか?
ウェスティン都ホテル京都は、2020年に創業 130年を迎えるにあたり、これまでに築いてきた歴史と伝統を受け継ぎながら、さらにラグジュアリーなホテルを目指して、約198億円を投じた「グランドリニューアル」を実施しました。
2018年6月から始まったリニューアル工事は、東館客室、本館、ティーラウンジやレストラン、バーと順次改装が行われ、2020年7月には昭和の名建築として名高い〈佳水園〉がリニューアル、2021年4月には天然温泉を利用したSPA〈華頂〉がオープンを果たし、約3年に渡るグランドリニューアルが完成しました。
ホテルはリニューアル前後で客室数を499室から266室に減らし、平均客室面積を 約35㎡ ⇒ 約50㎡ に拡大させた事により、これまでよりも上級なホテルにシフトました。
ウェスティン都ホテル京都の宿泊記。前回のPart1では「外観、ロビー、クラブラウンジ、屋上庭園」をご紹介しましたが、今回は客室編。広い館内を進み目的エリアに向かいます。
今回、アサインされたお部屋は・・。
ジュニアスイート 1キングベッド(50㎡〜62㎡)
こちらが、グランドリニューアル後のウェスティン都ホテル京都の主力となってる
『ジュニアスイート』です!!
ジュニアスイートは78室!!
リニューアル後のホテル全体客室数 | |||
客室タイプ | 客室数 | 客室面積 | 販売価格 (2名 1 泊 1 室料金) |
可楽庵 | 1 | 125 ㎡ | 270,000 円 |
佳水園 | 12 | 52 ㎡~ | 200,000 円~370,000 円 |
プレステージスイート | 3 | 138㎡ | 400,000 円~850,000 円 |
ラグジュアリースイート | 18 | 74 ㎡~ | 220,000 円~280,000 円 |
ジュニアスイート | 78 | 50 ㎡~ | 130,000 円~200,000 円 |
デラックス | 143 | 34 ㎡~ | 80,000 円~90,000 円 |
スーペリア | 11 | 28 ㎡~ | 60,000 円 |
客室UPGの確率を上げるには「1ベッド」を予約する!
マリオット・ヴォンボイの上級会員が期待する、宿泊時の客室アップグレード(UPG)ですが、ウェスティン都ホテル京都では、室数の多さからジュニアスイートにUPGされる事が多い様です。
また、アップグレードの確率を上げる手段としては、ベースとなるデラックスルームやスーペリアを予約する際に「1ベッド」の部屋を選択する事です。
2ベッドを選択すると、2ベッドのジュニアスイート以上の部屋の中からアップグレードを試みる事になりますが2ベッドだけではUPG先の絶対数が少なくなります。
1ベッドを選択すると1・2ベッドの両方からアップグレード先を探す事になり、UPG先の絶対数が増加します。あくまで個人的な印象ですが、ベースとなる部屋に「1ベッド」を選ぶとUPGされる可能性が高まる印象です。
ジュニアスイートを愛でる!
リニューアルされた客室は、デザインコンセプト「The Queen of Elegance(ザ・クイーン オブ エレガンス)」を基に、東館、本館ともに木の風合いを取り入れるなど京都・東山の自然をイメージしたつくりとし、意匠の曲線美で優美さ、柔らかさを表現。日本を代表する建築家・村野藤吾氏の優美さや曲線美をインテリア等で現しています。
リビングルーム全体を見るとこんな感じです。居室のデザインは本当にラグジュアリー感があって、曲線が織りなす「優しさ」を感じる事ができました。もう最高ですね!
今回宿泊した「本館」の客室は、南禅寺の新緑と水路閣の水道橋のテラコッタ色をテーマカラーに、明治から昭和初期の南禅寺界隈の別邸を意識したエレガントモダン(大正ロマン)な空間を演出しています。
また「東館」の客室は、京都の夏の風物詩である川床をイメージしたカーペットや梅の花を模したスツールなど、京都らしさを感じられるデザインとして落ち着いた空間になっているそうです。
細かく見て行きます。新緑をイメージさせるカーペットは、川島織物セルコン製の特注ウィルトンカーペット。リビング中央に置かれた円形のローテーブルは特注品。天板が大理石で、こちらも高級感があります。床面はTAJIMAの「ウッドライン」で、ヘリンボーン張りがお洒落ですね。
ソファの様子です。シンプルなグレーの布張地で脚部はステンレスの焼付塗装となっています。
結構な大きさがあるので身長180cm の僕が脚を伸ばしてゴロゴロする事が出来ました。
ラウンジチェアはこんな感じです。南禅寺の新緑をイメージした緑がかったブルーが爽やかな印象です。
ソファーからベッドルーム側を見るとこんな感じです。リビングルームとベッドルームが分かれた「スイートルーム」である事が良く解ります。壁面に55インチの大型液晶TVが設置されており、位置も適切でとても見やすかったです。
ベッドルームとの間には扉があり、こんな感じで仕切る事が出来ます。プライベート感があって居心地が良いです。
リビングルームの端からベッドルーム側を見るとこんな感じです。2室の位置関係が良く解ります。
先ほどの反対側から見るとこんな感じです。写真右手のスツールに注目して下さい・・。
ミニバーコーナーの左手に置かれたスツール。上段がアクセサリーケースになっているではありませんか!
時計や小銭、ネックレスなど、無くすと困る小物類を纏めるのに最高の場所が良いされていました。スツールの下段は引き出しになっているので、使用済みの衣類を仕分けるのに便利で、かなり重宝しました。ミニバーコーナーはこんな感じでした。ネスプレッソマシンにバルミューダ製の電気ケトルなど、ワンランク上のアイテムが揃っています。
客室内のアイテムといえば、特筆すべきはこのスリッパ。デザインはシンプルですが、ホテル客室のスリッパとしては過去一の履き心地で感動しました!
「ヘブンリー・スリッパ(嘘)」と呼びたくなる、そんな逸品です。そして、事もあろうに、持って帰るのを忘れるという失態を演じてしまいました(笑)
トイレはこんな感じです。京都らしいアート作品が飾られていました。
ベッドルーム
続いてはベッドルームの様子です。リビングルームから完全に独立した寝室は、普通のホテルの1室ぐらいある贅沢な広さがあります。
ベッド:幅200cm × 長さ200cm のキングサイズが1台。ベッドはもちろんウェスティンが誇る「ヘブンリーベッド」です!!
ウェスティンが独自開発した「ヘブンリーベッド」は、マットレス、シーツ、枕などのトータルコーディネートによる寝室空間を示し「雲の上の寝心地」とも評され、ホテル業界をけん引する存在となっています。極上の眠りを約束するヘブンリーベッド目当てにウェスティンに泊まる人がいるほど評価が高いベッドです。足下におかれた、黄金色のフットベンチがラグジュアリー感をさらに高めています。
ベッドボードの様子です。木目調のパネルにメタル素材を組み合わせた、独特のデザインが気に入りました。
照明器具に加えて、操作パネルやボタンに至るまで完璧にデザインされています。
ホンマに素晴らしい・・。
ナイトテーブル付近の様子です。USB給電ポートにACコンセントなど必要なアイテムが揃っています。
操作パネルのボタンが美しすぎる・・(2回目)
ベッド側からリビングルーム側を見た様子です。写真左奥にウェットエリアがあります。また、ベッドルームにも55インチの大型液晶TVが設置されていました!これは贅沢ですね。
ウエットエリアとリビングルームをきしる扉を閉めるとこんな感じです。プライベート感があります。
リビングルームとの間になる扉。ちょっとだけエレベーターの様な気がしましたが、おそらく気のせいです(笑)
ちなみに客室から見た眺めはこんな感じです。新設された屋上庭園を愛でる事が出来ます。
ウェットエリア
ドレッサー付近の様子です。もうメチャクチャ綺麗で感動しました!!
ホテルのリニューアルで一番お金がかかり、工事が大変なのが「水回り」。多くのリニューアルされたホテルを見てきましたが、居室は小綺麗になってもバスルームはバスタブと便器が隣り合った「3点式ユニットバス」の所が多くゲンナリする事が多かったです。
しかし、ウェスティン都ホテル京都は怒濤の198億円パワーで水回りを完全に造り直しているので、非の打ち所がない出来栄えとなっていました。
アメニティ類はこんな感じです。ボディタオルが用意されている事は流石ですね。
スイートルーム宿泊者特典として、ソティスのバスアメニティが置かれていました!
さらに!ドレッサーの左手壁面には、ワンプッシュでバスタブのお湯張りができる「自動お湯張り機能」が付いているのでとても便利でした。これはハルカスに入居している大阪マリオット都ホテルと同じですね。
バスルームはこんな感じです。洗い場付きのジャパニーズスタイルが嬉しい。最初からバスチェアが置かれているのが、とても良いです。
バスタブはこんな感じです。1名がユッタリと浸かれる広さがあります。
バスアメニティは、昨今からのエコ対策の一環として据え置きポンプ式となっていまいした。シャンプー・コンディショナー・ボディソープは「WHITE TEA」の香りを採用した、ヘブンリー by ウェスティン。爽やか系の香りに癒されました。
天然瀬温泉
出展:ウェスティン都ホテル京都
客室で寛いだ後は、京都最大級のスパ『華頂』を利用しました!こちらは撮影禁止エリアが多いので公式サイトからお借りした画像でご紹介して行きます。
SPA「華頂(かちょう)」は、ホテル敷地内で掘削した天然温泉「京都けあげ温泉」を利用したスパ施設で、5Fと 6Fのフロアを使用した、総面積 2,100 ㎡を誇る京都最大級のスパ施設です。温泉は。疲労回復や冷え性等にも効用があり、男女ともに半露天風呂を備えた大規模な温浴施設となっています。営業時間は、6:30~23:00(最終入場22:00)で宿泊者は無料で利用する事が出来ます。
出展:ウェスティン都ホテル京都
施設内は、琵琶湖疏水の水路橋で、レンガ調のアーチ型が象徴的な水路閣をイメージしたデザインをあしらい、華頂山に続く庭園と一体となった半露天風呂があります。出展:ウェスティン都ホテル京都
半露天風呂の様子です。海沿いのインフィニティプールに置かれている様な「クネッ」としたベンチが湯船の中にあり、ベンチに横になりながら温泉に浸かれるという悪魔的な快楽を味わう事が出来ます。
出展:ウェスティン都ホテル京都
内風呂も充実しています。京都の温泉施設なので和風・・をイメージしていると、テルマエ・ロマエの様なローマチックな館内に驚くかもしれません(笑)ウェスティン都ホテル京都は部屋のお風呂も良いですが、さらに天然温泉があるので館内アクティビティという点では相当ポイントが高いと思いました。
オールデイダイニング 洛空 (らくう)での朝食
一夜明けて。朝食会場であるオールデイダイニング 洛空 (らくう)に向かいました!
洛空は、三条通に面した一面の大きな窓から外光が入り込む、天井が高く開放的なブッフェ形式のレストランで、コンセプトはズバリ「京の都」。「五感で楽しむカウンター」をテーマとしたライブキッチンでは、西洋料理カウンターのほか、揚げたての天ぷらを楽しめる日本料理カウンター、約 20種類以上のパンを焼き上げるベーカリーカウンター、パティシエがスイーツを仕上げる様子を間近でご覧いただけるデザートカウンターといった臨場感あふれる空間で、京都近郊の漁港から仕入れた魚介や京都産野菜をアレンジした料理など、多様な味覚を楽しむ事が出来ます。洛空 (らくう)内部の様子です。相当な大箱レストランで、ブッフェ台も過去最大級に広かったです。
閉店間際に撮影したので人がいませんが、実際はブッフェ台の周りは常に人だかりで、ほとんど撮影する事ができませんでした。
隙を見て撮影したブッフェ台。他のホテルに比べて和食関係が充実していました。
朝食ブッフェの盛り付け例(笑)。今回は珍しく和食系でせめてみました。温泉卵や豆腐がメチャクチャ美味しい。。
ライブキッチンで作って貰ったおにぎり。複数の具材から好みの具をチョイスできます。
もちろんカレーも頂きました。都ホテルのレシピ通りの癖になるカレーです。
パンケーキにアイスクリーム。朝食ブッフェは全体的に味が良く、種類がメチャクチャ豊富なので、かなり満足する事が出来ました!朝食を楽しみにしてウェスティン都ホテル京都に泊まる方は、期待して良いと思います。
村野藤吾を感じるデザイン
ウェスティン都ホテル京都の楽しみの1つに、日本モダニズム建築を代表する村野藤吾氏の息づかいを感じられる館内を見学できる事です!これもアクティビティの1つとして捉えて楽しむとホテルステイがさらに充実します。
竣工当時の趣が色濃くのこる西館宴会ロビー。
有名な螺旋階段は二箇所あります。
螺旋階段を上から見下ろした様子です。可憐なピンクベージュ色の絨毯。各所に女性的な優しさを感じるデザインだと思います。
これらの優美なデザインがリニューアルのコンセプト、The Queen of Elegance(クイーンオブ エレガンス)の元になったのではないでしょうか・・。
SNSなどで有名になった、見上げると「ハート型」に見える螺旋階段。
西館宴会ロビーの本館側にある螺旋階段で、1階から2階を見上げるとハート型に見えます!!
印象的な照明が並ぶコロネード。圧巻の光景です。
シャンデリアも見応えがありました。
日本庭園
日本庭園も見応えがあります。園路は高低差がかなりあってチョットした登山気分が味わえます。
庭園の解説文です。詳しい解説はこちらの写真をご覧下さい。
マイナスイオンが出まくりな感じです。
想像以上の急勾配に驚きました!ホテルステイを楽しみながら森の中を歩く事が出来る・・。
これもアクティビティの1つのとして捉えると面白いですね。
回遊式庭園を上りって「佳水園」前に到着しました!!
佳水園は先ほどの回遊式庭園の一部を取り込んだ様な場所にあります。いつか泊まって見たいですね。
まとめ
初めて宿泊したウェスティン都ホテル京都。約198億円の巨費を投じたグランドリニューアルの出来映えは素晴らしく、従来の建物の良さを生かしつつ、現代に求められるサービス水準に引き上げたリニューアルの出来映えに感心しました。
客室デザインは曲線基調でゴージャス、時に乙女チックな優しさを感じるもので、非日常感を感じられる客室で、とても気に入りました。特に水廻りは完全に新しく作り直されており古さは微塵もありません。
館内アクティビティの充実ぶりは目を見張るものがあります。広々としたクラブラウンジのフードプレゼンテーションは充実しており提供されるスイーツなどのフード類は、どれも美味しかったです。また、天然温泉が引き込まれた温浴施設『華頂』では、広々とした温泉で疲れを癒やす事が出来ました。朝食ブッフェの充実振りも特筆すべきレベルで、複数のライブキッチンでは出来立てのフードが楽しめます。
ゴージャスで美しい客室、美味しい料理、充実したラウンジ、天然温泉に広大な庭園。そして近代建築が楽しめる建物。ウェスティン都ホテル京都は、快適なホテルステイにプラスαが沢山ある、飽きの来ない楽しい時間が過ごせるホテルでした。
気になる宿泊費ですが、今回もポイントを利用して、土日にもかかわらず48,000ポイントで泊まる事ができました。リッツカールトン京都やパークハイアットよりもリーズナブルな宿泊費で、それに負けないぐらい美味しい食事と充実した時間を過ごす事が出来る。ウェスティン都ホテル京都はもっと評価されても良いホテルで、京都の宿泊先とて文句無くしにオススメ出来るホテルだと思いました。
良いところ
・The Queen of Eleganceのコンセプトを体現する美しい客室
・最高の寝心地が楽しめるヘブンリーベッド
・高級感がある洗い場付きのバスルーム
・天然温泉の半露天風呂がある「華頂」の温浴が最高
・屋上庭園などで気分転換できる
・複数のライブキッチンを備えた充実の朝食ブッフェが抜群に旨い
・充実のフードプレゼンテーションが楽しめるクラブラウンジ
・アインシュタインなど歴史上の偉人達が泊まったホテルに泊まれる価値
・ホテル自体が日本を代表する建築家・村野藤吾氏の作品なので館内探索が楽しい
・京都駅からの無料シャトルバスがメチャ便利
悪いところ
・歴史のある建物を活用しているので外観や細部に古さを感じる
・同じく全体的に天井が低い。但し照明等で圧迫感を軽減させる工夫をしている
・スタッフの業務連絡が筒抜けな事が多かった。もう少し気づかいが欲しい
施設概要
名称:ウェスティン都ホテル京都所在地:京都府京都市東山区粟田口華頂町1(三条けあげ)
規模:地上 11 階、地下 2 階、塔屋 3 階建
客室数:266 室 (改装工事前 499 室)
宴会場数:20 会場(改装工事前 17 会場)
料飲施設数:5 施設 (改装工事前 7 施設
敷地面積:約54,800m²
建築面積:約16,800m²
延床面積:約74,000m²
タイプ別 客室数 | |||
客室タイプ | 客室数 | 客室面積 | 販売価格 (2名 1 泊 1 室料金) |
可楽庵 | 1 | 125 ㎡ | 270,000 円 |
佳水園 | 12 | 52 ㎡~ | 200,000 円~370,000 円 |
プレステージスイート | 3 | 138㎡ | 400,000 円~850,000 円 |
ラグジュアリースイート | 18 | 74 ㎡~ | 220,000 円~280,000 円 |
ジュニアスイート | 78 | 50 ㎡~ | 130,000 円~200,000 円 |
デラックス | 143 | 34 ㎡~ | 80,000 円~90,000 円 |
スーペリア | 11 | 28 ㎡~ | 60,000 円 |