大阪・関西万博や大阪IR(統合型リゾート)の開業を控え、大阪ベイエリアに新たな観光スポット「Premium Jewelry Dome Osaka」が誕生します。運営はシンフォニックスリール株式会社で、2025年4月10日に咲州コスモスクエア地区で開業予定。かつて「負の遺産」とも言われた「なにわの海の時空館」が、新たな観光拠点として生まれ変わります。
【出典元】
→Premium Jewelry Dome Osakaが4月10日より開業します
→“万博の目の前” 大阪ベイエリアに新スポット誕生へ 12年間ひっそりのドーム再点灯、エンタメホールも【概要】
「なにわの海の時空館」の歴史と閉館までの経緯

なにわの海の時空館は2000年7月、大阪市制100周年記念事業の一環として開館した海洋博物館で、フランスの建築家ポール・アンドリューが設計したガラスドームが特徴的な建物でした。大阪の海との交流史をテーマに、実物大で復元された江戸時代の菱垣廻船「浪華丸」の展示など、体験型のコンテンツを提供。しかし、来館者数は初年度の20万人をピークに減少し、年間10万人を割る年もありました。年間2〜3億円の赤字が続き、当時の橋下徹市長が「負の遺産」と位置づけたこともあり、2013年3月10日に閉館。大阪市は撤去費用の負担を避けるため民間活用を模索したが、空き家状態が続き、10年間で約7000万円の維持コストが発生していました。
「Premium Jewelry Dome Osaka」としての再生

「なにわの海の時空館」のガラスドームは、その独特のデザインと存在感から、再活用が望まれていた。しかし、長年放置されていたため、設備の老朽化が進み、安全性や耐久性の調査が必要な状況でした。こうした中、2023年11月にシンフォニックスリール株式会社が事業者に決定し、新たな施設として再生するプロジェクトが動き出しました。
「Premium Jewelry Dome Osaka」は、大阪・関西万博のレガシーを引き継ぐ「いのちを満たすミュージアム構想」を掲げ、大阪ベイエリアの新たなランドマークとなることを目指します。このプロジェクトは単なる商業施設ではなく、都市の文化資産を活用し、持続可能な観光拠点としての役割を果たすことが大きな目的です。
施設の再生にあたり、ガラスドームの美しさを生かしたライトアップ演出を計画。第1期として万博参加国や訪日観光客向けの「ユニークベニュー(特別感のあるイベント空間)」とオープンカフェを開業し、夜間ライトアップを施して新たな賑わいを創出。カフェは「No Free Coffee」と協働。ロサンゼルスで創業し、コーヒーを中心に、ファッションやカルチャーとのコラボレーションを通して発展し続けるブランドとして、2023年10月にテネシー州ナッシュビルに1店舗目、同年11月に東京・原宿で2店舗目をオープンしました。
さらに、第2期では「ミュージアム」や「エンターテイメント・ホール」としての活用が計画されており、万博後も持続的な観光拠点として機能する予定で、昼は芸術や文化の展示、夜は音楽やパフォーマンスが楽しめる空間へと変します。
これまで有効活用が難しかった施設が、万博と連動し、新たな文化・観光の拠点として生まれ変わります。かつて「負の遺産」と言われたドームが、大阪の未来を照らす存在へと変貌するか、今後の展開が注目されます。
あわせて読みたい