地下鉄今里筋線-井高野駅


今里筋線は、大阪市東淀川区の井高野駅から東成区の今里駅までを結ぶ大阪市営地下鉄の路線です。路線延長は11.9 km、駅数は11駅、2006年12月24日に開業しました。建設費を削減するため、長堀鶴見緑地線と同じく従来の車両より2割ほど断面積の小さい「鉄輪式リニアモーターミニ地下鉄」を採用、開業当初よりワンマン運転を実施しています。






        

井高野駅周辺のMAPです。周辺は大規模な市営住宅が立地する住宅地です。従来鉄道空白地帯だった当地に新駅が開業した事は有意義だと思います。






        

平日の時刻表です。日中は1時間あたり7~8本運行されています。






        

改札口付近です。自動改札3通路とミニマムな構成の駅です。





        

改札階コンコースの様子です。明るくサッパリとした印象です。





        

ホームは1面2線。各駅毎にテーマを持たせ、異なったデザインで建設された長堀鶴見緑地線とは真逆で、各駅ともにデザインや部材が徹底的に共通化されています。サイン看板類も内照式ではなく単純なパネルだったり、コスト削減に努めた事が伝わってきました。






        

今里筋線は全駅ホームドアを完備しています。これは安全対策並びにワンマン運転に対応させる為に装備されたと思います。大阪市営地下鉄では今里筋線に続いて長堀鶴見緑地線へのホームドア(可動式ホーム柵)の設置を進めています。






        

発車時刻を表示する発車票。32インチのLCD(液晶)方式で表示内容はカラフルです。

開業当初から苦戦が予想されていた今里筋線ですが、平成20年度の一日あたりの平均利用客数は49,437人/日、年間路線別収支は107億円の赤字、営業係数は429でした。大阪都心のターミナル駅を一切経由しないので当たり前と言えば当たり前の結果ですが、やはり厳しい数字ですね。。参考資料として、平成20年度の路線別経常収支、営業係数をご紹介します。


【引用元】
大阪市交通局>地下鉄 路線別収支

【路線別経常収支】※単位は百万円
御堂筋線     35,121
谷町線      4,661
四つ橋線     △708
中央線       3,888
千日前線    △ 3,102
堺筋線      △ 585
長堀鶴見緑地線 △ 8,136
今里筋線   △ 10,786
NT南港ポートタウン線 △ 934

【路線別営業係数】←100円稼ぐ為に必要な経費
御堂筋線    43.4 ←御堂筋線は日本一効率良く稼ぐ路線と言えます
谷町線     78.9
四つ橋線    90.1
中央線     70.0
千日前線    128.1
堺筋線     84.6
長堀鶴見緑地線 154.1
今里筋線    429.7 
南港ポートタウン線 128.7
合計        75.5

【輸送人員】←輸送人員は乗車人員に他号線からの乗換人員を加えたものです
御堂筋線   1,167,917
谷町線     478,154
四つ橋線    258,990
中央線     290,789
千日前線    175,831
堺筋線     313,121
長堀鶴見緑地線 143,672
今里筋線     49,437
ニュートラム   73,204
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地下鉄,高速鉄道計 2,951,115
大阪市営地下鉄、ニュートラムは約300万人/日を輸送しています。



苦戦が続く今里筋線。大動脈の御堂筋線や大阪都心のターミナル駅と一切接続がない為、今後も利用客の伸びは期待し難いと思われます。鉄道空白地帯を埋める為に必要な路線ではありますが、今里止まりの現状はいかにも中途半端です。ですが計画にある湯里六丁目への延伸が完成してもあまり改善されない気がします。今里から南進させ、長居公園通りを西進、御堂筋、四つ橋線と接続しNT住之江公園駅まで結べば外環状線として機能するかも?などと想像してみますが、どうでしょうか。。。なかなか良い案が浮かびませんね。