
ラピート(rapi:t)は、南海電鉄が運行する空港アクセス特急で、難波駅~関西空港駅間(42.8 km)を約37分で結んでいます。使用車両は南海50000系電車。6両編成6本(36両)が製造され、1994年9月4日の関西国際空港開港に合わせて運行が始まりました。翌1995年には南海の車両としては初めて鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞しています。
ラピート(rapi:t)の語源は?

『ラピート』は「速い」を意味する意味のドイツ語”rapid”に由来します。都心なんばと関西国際空港を最短で結ぶ空港特急のスピード感、爽快な響きを持ち、なおかつ親しみやすい、との理由で決定されました。名称の決定にあたっては一般公募が行われ、3万2千通もの応募がありました。
デザインコンセプトは「レトロフューチャー」

車両の企画・設計は、都市計画家の小田靖弘氏と建築家の若林広幸氏が参画し、東急車輛と南海電鉄の4者によって、これまでにない車両コンセプトが検討されました。決定されたデザインコンセプトは「レトロフューチャー」。第二次大戦前の大陸横断鉄道や弾丸列車のような、力強さと速さを融合させたデザインが特徴的です。
先頭形状は、斬新でダイナミックなデザインとし、スピード感と力強さを表現するため、従来の枠にとらわれない「レトロフューチャー」という発想を原点とした上で、ハイテクなイメージを抑え、鉄道車両本来の重量感を重視することで海外に飛び立つ躍動感を表現するとともに航空機の流線型のイメージと重ね合わせ、見る人に感動を与えるフォルムとすることを狙ってデザインされました。
楕円形が共通のエレメント

側面窓は列車と航空機のイメージを融合させ、空港特急としてシンボル性を強調するために全て楕円形で、グレーの複層ガラスを使用し、シートピッチにあわせたユニット構造としています。また、楕円形は窓ガラスにとどまらず、車内外の各所に共通のエレメントとして使用されています。
ラピートブルーを実現する「雲母入り」の特別塗料

外部塗色は、海上から空へ飛び立つという関西空港の特徴を表現するため、空と海のきらめき感を表現することを狙った深みのある色合いとした濃紺色です。鉄道車両では珍しい雲母が含まれた塗料が使用されており、濃紺のパール塗装は「ラピートブルー」と呼ばれています。

側面表示機の様子です。リニューアル時にフルカラーLED化されました。
特別塗装やラッピング編成など、愛され続けるラピート
赤い彗星の再来 特急ラピート ネオ・ジオン バージョン
(2014年4月26日 – 同年6月30日)
特急ラピート20周年企画として「機動戦士ガンダムUC」とのタイアップにより、車体色をネオ・ジオンのイメージカラーであるワインレッドに変更(先頭部と屋根は塗装、側面はラッピング)。ネオ・ジオンをイメージしたデザインに加え、5号車は一部内装も変更されました。シャア専用ザクをイメージさせる外観が大きな話題を呼びました。

Peach×ラピート ハッピーライナー
(運行期間:2014年9月7日 – 2015年8月31日)
ネオ・ジオンバージョンと同様、ラピート20周年企画として、関空を拠点とする格安航空会社・Peach Aviationとタイアップ。同社保有エアバスA320と同じ藤色と白に変更(施工方法はネオ・ジオンバージョンと同じ)。
特急ラピート「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」号
(運行期間:2015年11月21日 – 2016年5月8日)
映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』とのコラボ企画として、車体色を「スターフィールド」をイメージした黒に変更の上、登場人物を各車両に配置。内装にも手を入れ、客室扉や客室通路などにキャラクターや「スターフィールド」のラッピングを施す。

