2019年10月5日から熊本城天守閣の大天守外観復旧を記念した特別公開 第一弾が始まりました。一般客が天守閣近くまで立ち入って見学するのは実に三年半ぶりとなります。
熊本城は2度の激震で国指定重要文化財の建造物13棟が破損し、石垣50カ所で崩落するなど甚大な被害を被りました。2017年に始まった復旧工事は、2019年度までに大天守を復旧させる計画で進められ、ラグビーワールドカップ熊本開催に合わせ今回の特別公開がスタートしました。熊本城の復旧工事は大天守の内部や隣の小天守の修復が2021年春まで続き、全体の復旧完了は2037年度の予定となっています。
特別公開第一弾の公開エリアと公開日程
特別公開にあたり専用の通路が設置設置され、工事に支障を来さず安全に見学できるルートが確保されました。公開されるのは、二の丸広場から西大手門を通って天守閣前広場までで、工事用のスロープを利用した約450mの見学ルートを通り復旧工事が進む大天守の近くまで行く事ができます。特別公開は原則復旧工事が休みとなる日曜日と祝日に行われます。料金は大人500円、小中学生200円。
公開日 | 2019年10月5日(土)~ (原則日曜・祝日限定)※ラグビーワールドカップ(熊本開催期間中)・女子ハンドボール世界選手権開催期間中は土曜日も公開します。 |
公開時間 | 9:00~17:00(最終入園16:30) |
券売所 | 二の丸券売所 8:45~16:25 |
わくわく座券売所 8:45~16:00 |
いざ!天守閣へ
二の丸に設けられた発券所のでチケットを500円で購入し、天守閣に向かいます。
見学ルートは工事用に設置されたスロープを通ります。二の丸から一直線に大天守に向かって進みます。仮説通路は普段から工事車両が行き来しているので頑丈な造りとなっていました。
石垣をスロープでクリアして、いよいよ天守閣の前に到着・・・
そして、目の前に現れた熊本城大天守!
あまりの美しさに素直に感動!!
漆喰が新しいので先に大修理が行われた姫路城天守閣と同じく「白すぎィ!」な感じがしました。
さらに次のスロープを通り上に向かいます。
間近で見上げた大天守の様子です。
こちらが特別公開の最深部。大天守と子天守の並びです。震災前と現状を見比べるパネルが秀逸でした。
大天守の横で復旧工事が進む子天守の様子です。鉄骨で石垣から浮き上がった姿はまるで「サイボーグ」。
天守前広場の見学場の目の前には復旧工事に使う瓦が山積みになっていました。現在進行形で進む復旧工事を目の当たりにした感じがしました。今回特別公開第1弾が始まりましたが、2020年春には第2弾として、特別見学通路が完成し、これまでとは違う視点から、熊本城の被災状況や復旧工事の様子を間近で見る事が出来るようになります。
城外から見た熊本城の様子
大天守の復旧が最優先で行われラグビーワールドカップ熊本開催に合わせたタイミングで始まりました。これは国内外に熊本の復旧振りをPRする目的がありましたが、それよりも大天守の復旧が市民・住民の方々に勇気と希望を与える事が大きかったと思います。特別公開が始まった大天守。間近で見上げた熊本城は「よこぞここまで復旧したな・・・」という思いと共に城内各所に大量に残る震災の爪痕に、その破壊力の大きさを実感する事が出来ました。今回の特別公開は復旧する熊本城の様子をリアルタイムで発信する事に加え、城内に残り震災の爪痕を見る事で震災の大きさや被害状況を後世に語り継ぐ意味があります。
次回は城内に残る、震災の爪痕をご紹介したいと思います。