大阪メトロは2020年5月29日付けのニュースリリースで、Osaka Metro Group 2018-2025年度 中期経営計画の『2020年度改訂版』を発表しました。同社は「交通を核にした生活まちづくり企業への変革」をめざして『大阪の更なる発展に貢献する活力インフラ』をイメージした成長戦略を推進しています。
【出展元】
→Osaka Metro Group 2018-2025年度 中期経営計画(2020年度改訂版)
広告事業については「大阪・関西を元気にする場づくり」をスローガンに既存の交通広告事業における新たな価値を創出すると共に、事業領域の拡大を目指す、としています。現在の状況を見ると、駅・車内の交通広告は、紙媒体の売上の落込みをデジタル サイネージの売上増で補う傾向が継続しています。 現在の非デジタル:デジタルの売上比率はほぼ1:9の比率で、 現在、車両のサイネージも含めて整備が急務となっています。
具体的には広告媒体のデジタルシフトの加速、梅田メトロビジョンの様な特徴のある媒体を整備し新たな価値を付加する等を上げています。デジタルシフトについては2025年度までに交通広告の売上比率で約6割を目標に掲げています。
中期経営計画の『2020年度改訂版』を見るとADウォール+デジタルサイネージの記述があり完成イメージパースが掲載されていました。上のパースを見ると、本町駅の御堂筋線と中央線を結ぶ3連エスカレーターに見えます。ここの壁面にデジタルサイネージを設置してシンボリックな空間演出を行うのではないでしょうか?
現地の様子です。御堂筋線と中央線を結ぶこの場所は、大阪・関西万博や大阪IRが開業すると非常に沢山の人の目に触れる場所になります。
この壁面、なぜか既視感があるなぁ・・?と思って考えてみると。
韓国・ソウルメトロの某駅に似ている事を思い出しました!
ソウルメトロの様子です。本町駅の3連エスカレーターに比べると小規模ですが、タイルの色や左右壁面にデジタルサイネージを設置した様子は、大阪メトロの発表資料のパースを思い起こさせます。
ちなみに現地の方いわく、階段壁面にLCDを設置したのは今となっては失敗だったとの事。理由は視野角と映り込みです。この場所は小規模なので「まだマシ」ですが・・・。
別の通路で大々的に設置されたLCDによるマルチモニタの様子です。12面×3面=36面マルチモニタが左右に設置されており、圧巻の規模・・・なのですが、ごらんの通り互いのモニタの映像が映り込んでおり、規模の割にインパクトがありません。また、真横に設置されたLCDサイネージは視聴率が今ひとつの様で、この規模になるとLEDサイネージが圧倒的に視聴率が高いとの事です。
ソウルメトロの江南駅に設置されているLEDデジタルサイネージです。液晶サイネージに比べると解像度は大幅に低いですが、広告媒体としての視認性は比較になりません。クライアントも画質よりも視認性に重点を置いており大画面のLED化がかなり進んでいます。
本町駅で計画されている・・・と思われる大規模なデジタルサイネージ。発表資料のパースから推測しているので本当に設置されるのかどうかは不明ですが、できれば梅田メトロビジョンの様なインパクトのあるサイネージを期待したいと思います。